(教育庁) |
大阪府立■■高等学校C教諭につきまして、これまでの状況、指導内容や対応等について説明します。 |
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C教諭は、平成19年4月に採用され、府立■■高等学校で7年間、平成26年度に府立■■高等学校に異動して現在に至り、本府採用17年目となります。これまで勤務した2校では生徒から授業で高圧的な指導をするとの苦情があり、学校からの要請で教員評価支援チームを派遣し、継続して授業観察を実施しました。しかし、課題の改善が見られないため、平成28年4月1日より指導改善研修を実施しました。この研修を行う中で、部活動に係る不適正な会計処理や不正受給が発覚しましたことから、平成28年6月24日付で懲戒免職となりましたが、その後、令和4年2月に人事委員会での懲戒処分の修正採決により停職6月に変更となりました。 |
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復職後の令和4年3月16日から、非違行為に関する改善研修として府教委が定めている資質向上研修を受け、一定改善を確認しました。その後、審議会に諮り、懲戒免職処分前に受けていた指導改善研修を令和5年1月1日より再開しています。令和5年1月1日 から 8月31日 までの研修では、次の3つの課題が見られました。@として、生徒対応について、生徒に寄り添った考え方ができず、そのことが自己の課題であると認識まで至らない状況である、Aとして、授業演習について、個々の生徒の授業理解を把握する必要性を感じていないことやどうすれば生徒が授業を理解しやすいかを考えることができていない、Bとして、コミュニケーションについて、他者からの意見を取り入れようとせず、持論を展開しながら攻撃的な口調で指導員等に反論するなど、良好な関係性を築けない、そのような状況でした。そのため、令和5年9月1日から令和5年12月31日まで研修を延長いたしました。令和5年9月1日からの研修では、これまでの課題を改善し、研修目標の@からBを達成するため、生徒の状況に合わせた工夫を行っている教員の授業を複数見学することや、生徒理解を深めさせることを目的とした事例演習を行うことで、生徒、保護者、同僚など、相手の視点に立って物事を考え、理解するように指導してきました。 |
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研修期間の前半の9月26日、10月3日には府立高校2校で授業見学を行いました。見学した授業は、指導者が効果的なタイミングで『生徒に考えさせる』、的確な発問をするなど、C教諭が学ぶべき点が多い授業でした。しかし、C教諭は授業者に対してパワーポイントのスキルや少し授業進行がスムーズにいかなかったところ、時間配分、授業が予定まで終わらなかったことなどに難癖をつけるなど、事前指導で行った『自分にない、よいところを授業者から学ぶ』という助言を理解できていない状況でした。C教諭の振り返りの内容が十分でなかったので、面談回数を増やしたり、授業見学での学びや振り返りをテーマにしたプレゼンテーションを行いました。面談やプレゼンテーションの場では、C教諭は今後の改善点や気づきなどを十分に説明することはできませんでしたが、授業演習の中では、少しずつ変容が見られるようになってきました。研修期間後半の11月15日に府内公立中学校、22日には府立支援学校で授業見学を行いました。その時には、C教諭に「生徒が主体的に授業に参加することが大切であること」に気づいた振り返りが見られ、授業演習にも活かされるようになりました。 |
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授業演習については、授業見学以降、スライドに効果的に図やイラストを入れたり、資料等を活用した授業展開に変わったりするなど、生徒が理解しやすいという視点を持った授業を行うことができるようになり、教材にも工夫が見られるようになりました。資料1―1と資料2−1と書かれたスライドの状況を見れば変容が分かると思います。また、評価者が授業演習を評価した評価表を見比べても、評価が向上していることが分かります。また、回答に困っている生徒役の指導員にヒントを与えたり、スモールステップで問いかけたりするようにもなってきました。さらに、準備していた授業内容が時間内に収められなければ、ポイントを絞ってまとめるなどの臨機応変さも見られるようになってきました。 |
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次に事例演習についてです。毎週1つテーマを与えてC教諭に取り組ませました。主なテーマを資料に記載しています。問題行動への対応事例では、「面倒なことにはかかわりたくない」、「アメリカのように警察が対応すべきで、自分の仕事ではない」といった発言がありまして、適切な対応を考えるに至らないこともありました。 |
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また、「高校は義務教育ではないので、丁寧に指導する必要はない」などの持論を展開することがありましたので、支援学校や義務教育での指導の様子を紹介しながら改めて考えさせました。 |
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また、人間関係構築力やコミュニケーション能力を向上させるために、臨床心理士からの助言、例えば、あいさつや気持ちを伝えるなどのコミュニケーションを多くするとよいといった助言をふまえ、生徒とのかかわり方や同僚との関係を構築できるよう意識して面談等を行ってきました。最近では、授業演習で表情が柔和になったり、手元に資料のない生徒役の指導員に配慮しようとする姿勢が見られるなど、徐々に人間関係の構築やコミュニケーション能力が向上してきたと感じています。ここで、実際指導された教育センターから補足させていただきます。 |
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(教育庁) |
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授業演習については、10月10日に授業演習の評価について開示面談を行いました。この評価は、指導員の評価とC教諭の自己評価にかなりの乖離が見られました。C教諭はそれぞれの項目を授業で話せばマルだという解釈でしたが、指導者側はそのそれぞれの項目の中身にも踏み込んで判断しているといったことにも言及いたしました。当初、C教諭は納得できない様子でしたが、数回の所外研修で授業見学において授業者の生徒へのかかわり方を学び、項目のことを話すだけでは駄目だということを理解してきたようで、それ以降、授業演習の発問が、単純に知っている・知らないという確認だけではなく、考えさせる内容に変わったり、話すスピードも授業者の一方的なものから聞き手が発問の答えを呟けるようになり、間がとれるようになりました。例を挙げますと、資料2−1、パワーポイントの資料になります。フランス革命がヨーロッパに広がっていった絵ですが、「フランス国旗の下、ドイツ・イタリア(人)が行進する絵を見てどういうふうに思いますか、どういうことが考えられますか」といった、以前にはなかった発問もできるようになっていました。C教諭自身も授業の手応えを感じられるようになり、授業準備が苦にならないという発言や授業中に笑みが見られるようになりました。また、授業の振り返りで、以前は指導助言を行うと批判されたと捉え、論点とは違った不平不満を述べていましたが、所外研修以降は振り返りの感想にも深みが出てきたように思います。 |
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生徒指導などの事例に基づく課題解決についてですが、これは事例を書写させて、それに対する自分の考えを書かせました。C教諭の考えは表面的で偏ったものもありましたが、だんだんと改善の兆しも見えてきています。例えば10月の「子どもへの言葉がけを肯定する」といった事例では、初任で進学に力を入れている学校に赴任した教員が、小テストの点が取れなかった生徒に「ダメだな、みんなができることがどうしてできないんだ。こんなん中学生でもできるよ」と言っているが、この教員の発言をどう思うかという設問について、C教諭はこの教員の発言そのものにはスルーして、「この指摘(言葉がけ)だけではなく、生徒が理解できるようになるためには時間外に補習をする」と述べています。教師が生徒に発奮させるために述べた言葉に関してはスルーして、その言葉を生徒がどのように感じたかまでは思いが至っていませんでした。11月には「子どもが発言する機会を意図的につくる」をテーマにしました。これは、大学院を出て、初任で赴任した学校で教材研究に力を入れるものの生徒が居眠りしてしまう、それに対して先輩教員がその教員に「生徒が発言する機会を意図的に作ったらどうだ」とアドバイスをした事例です。この時、C教諭は、「誰のための教材研究なのか」、「発言させることで自分も授業に参加している意識を持たせることが必要です。そのためにも様々な発問等の工夫が必要です。」と述べる等、生徒に立場からの発言ができるようにもなっていました。実際、この頃の授業演習の進め方は一方的な教師からの伝達型から、少しずつではありますが生徒の反応を見ながら進行するような授業形態に変わってきています。 |
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同僚性の構築の点では、自分が困ったときにまだ自然とヘルプサインを出すことができないですが、今後はヘルプサインを出せるようにサポートしていきたいと考えています。 |
(教育庁) |
校長からは、この間の授業観察やC教諭との面談を踏まえて「授業演習では、相手に伝えるためにはどのようなことに留意すべきかを、少し意識できるようになったと感じた。ただ、生徒が目の前にいることを意識した授業とは遠い状況であると感じた。学校現場では様々な状況の生徒がおり、多様な受けとめをする生徒や保護者がいるため、すぐに感情的な言動をする状態では大きな不安が残る。」との所見をいただいています。 |
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続きまして、教育委員会の対応です。C教諭は、令和5年9月以降、授業内容や授業展開等の工夫が見られるようになってきました。さらに、これまで当該教諭が意識できなかった生徒の実態にあわせた授業を行うこともできつつあります。また、C教諭は、不安感が高まると強い口調で不平不満を語る場面が見受けられていましたが、徐々にC教諭に対して指摘した助言等を受け入れるなど、コミュニケーションがとれるようになってきています。課題のあった授業指導やコミュニケーション能力などについて、徐々に改善し、学校現場に復帰できる段階に近い状態になってきていることから、今後は、生徒に対する様々な指導場面を想定した授業演習や事例演習、所外研修等を実施するなどの学校現場と近い形での研修を行うことで、令和5年度末で研修を終了して学校に復帰させることができるかを見極めていきたいと考えています。 |
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以上のことから、指導改善研修を令和6年1月1日から令和6年3月31日まで延長することとし、引き続き、@からBを大きな研修の目標として研修を実施いたします。なお、今回、令和5年12月31日まで指導改善研修を延長することにより、令和5年1月1日から始めた研修としてはちょうど1年となります。平成28年4月1日〜6月24日にも指導改善研修を実施しておりますので、通算で約1年3か月となります。教育公務員特例法第25条には、「研修期間は、指導改善研修は1年を超えてはならない、ただし、特に必要があると認めるときは、任命権者は、指導改善研修を開始した日から引き続き2年を超えない範囲内でこれを延長することができる。」とあります。これを踏まえて、令和6年3月31日まで延長し研修を行いたいと考えております。 |
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研修計画書をご覧ください。研修の目標はこれまでと変わらず3点としています。研修予定期間を大きく3つに分け、より生徒理解を意識した授業となるように、また教科指導や生徒指導の指導方法を会得させ、さらには適切な人間関係を構築するためのアンガーマネジメント等を行います。スモールステップを踏みながら、授業演習、生徒指導等に係る事例演習、さらには必要に応じて所外研修を行ってまいります。 |
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最後に、本人の意見書をご覧ください。現在8年ぶりに教材研究や指導助言に基づく模擬授業、授業演習に取り組んでいるが、様々な変更点や新しい基準での評価などを考慮した授業を行うにあたり、客観的にそれらに対して充分に把握し適応できていない現状であると管理主事等の指導助言から感じている。ゆえに、学びを深めるためにも現在の研修の継続を希望する。というふうに記載しています。説明は以上です。 |
(委員) |
それでは、委員の皆さまからご質問・ご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 |
(委員) |
問題行動への対応事例については、11月の学校見学より前のことでしょうか。 |
(教育庁) |
この見学は9月に行った、課題研修以前のものです。 |
(委員) |
11月15日の授業見学が何かインパクトを与えたようですが、具体的に言えるようなことがあればお願いします。 |
(教育庁) |
授業見学は、9月26日と10月3日を含む4回行い、それが変容の大きなきっかけになったのではないかと感じています。C教諭の方から具体的に何に刺激を受けたのか、どのようなところを参考にしたのかについて問いましたが、面談やプレゼンテーションの場面では本人は表現できませんでした。生徒たちがいる環境の中で授業者が授業をしている様子を見ることで自分もその立場に立たなければならない意識していることが見られたので、生徒たちが目の前にいる状態を想定して何が必要かと考えることを通して、自然に感じ取ることができたのではないかと思っています。 |
(委員) |
私も学校におりましたので、実際に授業を見ることは本当に大きなことかなと思いますが、これからもこのような、研修の中でいろいろな学校を見ることはあるのでしょうか。 |
(教育庁) |
今後1月以降も、授業見学だけではなく、実際に期間を延ばして学校現場で研修を受けるような形態であったり、生徒対応の様子を見学させてもらったりと様々な経験ができるような研修を計画したいと思っています。 |
(委員) |
ありがとうございました。他にいかがでしょうか。 |
(委員) |
今の質問と被るところもありますが、事例演習のところの後半の「支援学校や義務教育での指導を改めて考えさせた結果」ということは、11月22日以降の変化ということでいいんですよね。時系列がはっきりと書いてないから、研修期間をひっくるめて言うのではなくて、前半と後半でどのように変わったかが重要なので。日にちがはっきり書いてないので。最近の変化でいい変化があるということですね。11月22日ならごく最近のことなので、僅かな期間だけど、変化の兆しがあるということで。 |
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この研修期間の評価の仕方が、前半、中盤、後半と分けて書かないと。変化が大事なんで。変化があれは、これから継続して見込みがあるので、変化がないのであれば研修計画そのものを丸々変えなくてはならないこともあるので。これは、ごく最近、変化があったように見えるということですね。だから、これは延長しなければならないという判断でいいと思います。 |
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もう一つは、授業を大きな目標にするのか、生徒指導を目標にするのか、担任業務というのもありますが、それも含めてレベルを上げようというのか、実際のところ、どういう研修になるのでしょうか。授業で生徒に対する配慮ができれば、授業以外の場面でもできるかもしれないですが、それが、どこまで研修のプランに入っているのか、曖昧なところもあったと思うので。授業を中心にやっているようなイメージなので、授業ができればある程度いいのか、担任までやらせるのか、というところが明確ではなかったので、そのあたりの説明があればと思います。 |
(教育庁) |
一つ目のご意見につきましては、前半、中盤、後半と分けて変容が見られれば、というご指摘かと思います。十分に資料に書ききれてないかもしれませんが、9月の後半からの2校での授業見学で、少し変容の兆しがみられ、さらに11月の中旬から下旬に2校で授業見学では生徒理解についても変容が見られた、徐々に改善の方向で変容が見られている状況です。2点目の授業中心なのか、生徒指導対応中心なのかというご指摘かと思いますが、C教諭は授業も成立しない状態でしたので、授業をしっかりと組み立てるところから、今はある程度授業の形ができるようになってきました。生徒のことをしっかりと考えて発問ができるかとか、予測しづらいことが授業中に起こった時に対応できるか等についてはスモールステップで授業演習の中でも「生徒理解を深める」という視点で進めてきました。学校現場に戻ることになりましたら授業だけではありませんので、様々な事例を意識することで、授業+α、それぞれの場面で対応もできるようにということで、授業を軸として研修は行ってはいますが、その中に生徒理解・対応などのいろいろな要素を盛り込んで意識させるように研修を組んでいるところです。 |
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さらに1月1日以降はこれらの内容がさらに明確になる研修を行い、ご報告したいと考えています。 |
(委員) |
今の理解で、授業に関しては段階的に改善の様子は見えていますが、生徒指導に関わる部分は比較的最近に変わったという理解でいいのでしょうか。 |
(教育庁) |
はい、そのとおりです。 |
(委員) |
1月からの計画書の中に授業の方法を改善するというところが中心に展開していると思いますが、生徒指導に関わるところ、授業から離れて生徒理解に関わるところ、ここには含まれている計画になっているのでしょうか、それともこの3カ月は授業を通して生徒理解を深めるということに重点を置いているのでしようか。 |
(教育庁) |
計画書の令和6年1月1日から31日の欄を見ていただきますと、線の上側が授業演習を中心に、下側が生徒理解や人間関係を構築するといった内容で事例演習を中心に、2本立てで1月2月3月とそれぞれ計画しています。 |
(委員) |
その生徒理解というところは、生徒指導も射程に入っているということでしょうか。 |
(教育庁) |
様々な生徒対応であったり、担任業務の内容であったり、そのようなことも含め事例演習等研修を行いたいと思います。 |
(委員) |
はい、ありがとうございます。他にいかがですか。 |
(委員) |
生徒をどのように理解していくかという観点でもご指導してくださったら、さらによいのではないかと思います。 |
(委員) |
今の話と似ているところがあるかもしれません。授業計画のときに事前指導を行ったところがあるのですが、毎回、同じ目標で行ったのかどうかというのが、一つ気になる点です。 |
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もう一つ、授業見学のときは、授業を教える先生を見ておくのか、どのように教えたらいいのかというところを見ておくのか。それとも子どもたちの様子を見ておくのか。見る視点はたくさんあると思います。多分、この方には具体的に伝えているとは思うのですが、見るポイントがずれてしまうということもあるかと思うのですが。前回、たくさん授業見学に行った方がいいというお話があったかと思うのですが、ポイントを教科の指導において、各先生の持ち味や特色を意識して見ていくようにと話をしていくのか、それとも生徒たちの関係性を見たり、生徒と先生のやりとりの関係性を見て、どう思いましたか、あなたならこのときに、例えば生徒が難癖をつけているときには、どう対応していこうと思いますかといった遣り取りがあったのかどうか教えていただけたらと思います。 |
(教育庁) |
授業に行く前にねらいを伝えています。C教諭の授業は、その項目(ねらい)を伝えることが授業であると勘違いしているようでした。一方的にC教諭のペース(スピード)で話しているので、聞いている生徒は何を言っているかがわからない。C教諭は「社会科」の先生ですが、「社会科」を越えて生徒にどのように伝えるか、どのような間で伝えるか、例えば質問でも、生徒から自然とその答えが出てくるような、つぶやきが出てくるような間をもって聞く。タイミング、スピードというのは教科関係なしの話だと思います。中学校の先生、高校、支援学校の先生が、それぞれどのように生徒と関わり授業を進めているのか、それを中心に見学し考えるよう指示しておりました。 |
(委員) |
例えば、声のトーンというところに関しては。 |
(教育庁) |
それまでは一方的で、なかなかついていけない、50分の授業で聞いている生徒(生徒役の指導員でさえも)がしんどくて集中力がもたないということがありましたが、生徒が今どういう状況であって、今、この質問をすればこう返ってくるだろうなというのを思いめぐらしながら授業をすることで、キャッチボールというか、生徒とC教諭が互いに双方向のやり取りという形に徐々に変わってきました。見学したどの授業の授業者がどいうう工夫されて、いかに生徒を参加させるか、授業に参加させているかというところを、C教諭には見てもらうことをねらっていました。 |
(委員) |
最初は自分本位の授業だったのが、見学や演習を重ねる中で相手を意識するというのができるようになってきているということですね。 |
(教育庁) |
はい。おっしゃる通りです。 |
(委員) |
最終的なゴールというか、教える側としてこの方はズレがあるかとは思うのですが、他を意識しているところでは、最初と見比べると段階で言うと、どれぐらいプラスに変化しているのかがあればいいかなと思うのですが、5段階で子どもたちをスケーリングしますが、例えば「あなたが今、意識しているところは我々から見ると5段階中の2ぐらいなのですが、あなたはどういうふうに思っていますか」や「あなたはもしかしたら4ぐらいで思っているかもしれないですが、ここはまだまだだよね」と、不一致の部分を一致させていく作業を通して、他者意識というのをどんどんと促していくということができるのではないかなと思ったので。一つの意見として、お伝えさせていただきます。 |
(委員) |
はい、ありがとうございます。今話題になった資料の1−2というのは、9月5日の分ですね。ですから、一連の授業見学4回の前の段階での自己評価と観察者の評価とのですので、ページを重ね合わせて見てみると全然違っているというのがよくわかります。本人はここから後どんどんと変化が出てきたというですね。ないものねだりですが、11月22日以降は資料はないですか。 |
(教育庁) |
9月5日から11月14日までのところでかなりの変容が見られて、11月14日以降、授業見学後も変容は見られていますが、一番大きな変容が見られたということで、この資料2つを用意させていただきました。 |
(委員) |
変容がわかるのはどことどこを比べて変容がわかるのでしょうか。パワーポイントの資料の2−1と、これは変容がよく分かります。 |
(教育庁) |
失礼いたしました。例えば評価者の方の資料1−3と2−3を見ていただきますと評価がぐっと |
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良くなっているという変容を見られると思います。 |
(委員) |
わかりました。僕も誤解していたところがあります。だから資料の1と2を見比べるとここのところは全然乖離している、それを資料の2−2と2−3の見比べると、割と近寄ってきている。 |
(教育庁) |
資料1−2では、C教諭の自己評価と、資料1−3では評価者の評価となっており、両者の乖離部分を見ていただけると思います。 |
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資料1−3、評価者の評価と資料2−3の評価者の評価ですが、そこでも評価の変容が見られるということを見てください。C教諭の自己評価は資料1−2と2−2を見比べていただきましたら、11月14日では、少し生徒に寄り添うようなコメントが入るようになってきています。短評のところも見ていただければと思います。自己の課題や具体的な方策等、C教諭自身が書いている箇所が、少しずつ変容していることが分かります。 |
(委員) |
ありがとうございました。委員のご意見、それを見るには、11月14日に作られた資料の2−2の次の段階の自己評価が相対的に高いですが、これを少し低くして、ここがまだまだ課題として感じるということが出てくればということに繋がるわけですね。 |
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11月22日以降のものが手元にありませんが、これがうまく自己評価できるようになっていると、展望が見えてくるということですね。 |
(委員) |
この評価については、本人にフィードバックされるのですか。 |
(教育庁) |
はい、しております。 |
(委員) |
普通、フィードバックしますが、その反応に関しては。ここはできてないですねなどと評価の中でDをつけているではないですか。本人はみんなで来ていると言っているのに、Dのところは気に入りませんよね。そのあたりはしっかりとフィードバックをして、改善につなげるという形になっているんですね。 |
(教育庁) |
はい、授業の項目を話せば生徒がどう感じようと、C教諭は「私はできました、やっています」と評価をするところがあり、十分に生徒に伝わったのか、それを確認できたのか、授業の中で難解で込み入った説明をするときに、一方的に説明をするだけではなく分かったかを確認をすることで、生徒たちがどういう理解しているのかを知ることも含めて指導を行ったということなのだと話すと、C教諭から「そのような観点は抜けていました」という発言もありました。直ぐに改善は見込めないかもしれませんが、評価に対する面談、授業演習が終わってすぐの面談でも、自分自身の自己評価と他者から見た評価の食い違いについては、こちらから説明することによって徐々に理解できているという感触を持っています。 |
(委員) |
設問に対して、一般的にわざとできているとつけることもある。結果として評価を落として対応するのだが、わざとできていると言っているのか、本当に質問の意味が分かっていないのかというのは大きな違いだと思う。そこをきちっと見極めて対応した方がよい。意見書を見ている限りは普通の人、気づいている人だと思う。以前とは違って、演技と言うか、このように言っておかないと具合が悪いなと感じているのか、判断が難しいと思う。不安が高まると強い口調で話すと書いている。8年ぶりとなれば相当不安だと思うが普通のことを書いている。研修の中で学んだのなら良いが、本当に良くなったのか、客観的に見極められた方がいいのではないか。半分大人の高校生に対応しなければならないのだから、本人も困ると思う。 |
(教育庁) |
毎週授業演習等の研修を行っていますが、C教諭にとってストレスのかかる、負荷がかかることを試してイレギュラーなことにも対応できるかということも、反応を見ながら進めている。学校現場では様々な生徒がいて、色々な背景を抱えた生徒たちもいるので、スモールステップで、意識しないといけないことを増やすなど、さらに工夫しながら今後も進めていきたいと考えています。 |
(委員) |
ありがとうございます。自己評価と観察者の評価との乖離について、事前の打ち合わせのときに、自分の評価と観察者の評価の違いがあまりにも大きいということがきっかけとなって本人の自己への認識が変わってきたのではないかということを伺ったと思うので、そのあたりのことを紹介していただければと思います。 |
(教育庁) |
C教諭は「僕はやりました。だから評価はBです」という持論を持っていました。「子どもたちにこれを伝えました。こんなスライドを見せました。それではダメ」ということを話して、「私たちはそれがきちんと生徒に伝わっているかどうかで評価しているのでD評価をつけています」と説明しています。本人はやったことだけではなく、それに伴う成果が評価されるのということを理解し、努力するようになったというところがあります。11月21日の授業の次の回の授業で本人の評価の中でCをつけている項目が4つ出ています。Cとしている項目の短評を見ますと、「生徒活動時の進捗状況の確認が不十分であった」や「多様な考え方や思考を深める問いができなかった」という振り返りがなされていて、日々こちらが伝えている内容が少しずつ染み込んできている様子が見られたなと感じています。 |
(委員) |
委員がご指摘いただいたところが、もう成果として上がっているということですね。 |
(委員) |
資料の1-2、1-3の評価指標は色々な根拠に使う場合には、複数評価の方がより妥当性がある、1人の評価だと弱い可能性あるので、複数評価も可能ですか。 |
(教育庁) |
複数で評価し、管理主事の方でこのシートにまとめています。 |
(委員) |
複数の評価というわけですね。1人の評価ではないということがすごく大事なんで。 |
(教育庁) |
1人の評価ではありません。 |
(委員) |
自己評価が我々から見ると進展があるということは良いニュースだと思いますが、かたや委員のご指摘のように、それが観察者の前だけの演技ではないということは望みたいと思います。その結果として、資料の1−1と資料の2−1、9月5日の段階と11月14日の段階、パワーポイントの作り方を見ると、随分と変化がありますので、ただ単に管理主事の前だけで演技をして、言い繕っているだけではなくて、パワーポイントの作り方に劇的な違いがある。もちろん、資料の1−1にわざと書いたということもあるかもしれませんが、おそらくそうではないと思う。資料1−1は、この当時、この先生が最高だと思って作った資料だと思いますし、それから比べると指導を受けて、生徒に分かりやすいような図を入れるとか、あるいは、3枚目右上のビスマルク風ビーフステーキという、こういうネタを入れて、世界史のあるいはそのビスマルクのその性格、あるいはその政策のあり方などが印象に残るような説明をしているので、かなりそういう意味では進歩が大きかった。もちろんまだまだだというところは随分ありますが、この二つを比べるとすごく大きな進歩だったと私は思いました。 |
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授業とは何かということが分かってなかったわけですね。授業は正しい事実をざっとご説明すれば、それでいい授業だと思っていたのが、そうではなくて生徒が分かって初めていい授業だというところが分かり始めた。資質向上の指導に当たられる皆さんかなりご苦労されていると思います。ストレスが溜まることがいっぱいあると思いますが、ぜひこういう進歩を積極的に見て、これからの励みにして、成長として、先生方が粘り強く指導していただいたおかげだと思いますので、ぜひこれからも続けていただきたいと思います。 |
(教育庁) |
ありがとうございます。先ほども述べましたように、C教諭は、自分からはヘルプサインが出せないので、ここが苦手だなということを自分から言えるようになると、さらに、もう一歩進歩ができると思います。 |
(委員) |
この案件につきまして、1月から3月にかけて研修をしたいという、そういうご提案ですが、よろしいでしょうか。 |
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それでは、第1号議案につきまして事務局案の通り令和6年1月1日より令和6年3月31日まで指導改善研修を実施するということで、審議会として了承してよろしいでしょうか。 |