令和5年度 第1回「大阪府教員の資質向上審議会」議事録
令和5年8月7日(月)開催

1 議事
● 第1号議案 (府立■■高等学校 ■■■■教諭)

 現在、係争中のため、非公開です。判決をお待ちください。


● 第2号議案 (大阪府立■■高等学校 C教諭)

(教育庁) それでは、第2号議案、大阪府立■■高等学校C教諭の状況について説明させていただきます。昨年度、第2回資質向上審議会におきまして当該教諭に関する事項、指導改善研修までの当該教諭の状況について、説明させていただいておりますけれども、初めての方も多数おられますので、いくつかピックアップして説明をさせていただきます。
まず、C教諭ですが、平成19年4月に採用され、府立■■高等学校に7年間勤務し、平成26年度から府立■■高等学校に勤務しており、本府採用は17年目となります。1校目の府立■■高等学校では、授業のやり方につきまして高圧的な指導で生徒が委縮していると苦情を受けましてまして、学校からの要請により授業観察を教育庁の方で実施しております。C教諭は、当時、学校では、社会に出るための躾が必要であると主張しており、指導によりまして一時的に力で抑えるような高圧的な状況は収まったのですが、相手を怯えさせるような威圧的な態度というのはなかなか改善されませんでした。また、2つ目の学校、■■高等学校では、異動1年目の平成26年5月に、授業中に正答できなければ座らせてもらえず、生徒が苦痛を感じているという保護者から訴えがありまして、校長より指導を受けております。また教室やグラウンドの使用に関しまして申し合わせの内容が理解できずに、たびたびトラブルを起こしております。その後、平成27年9月以降、授業力向上について、教員評価支援チームによる授業観察を実施しております。状況としましては、教員として、生徒に何を教えて、どのようなことを考えさせていくのかという意識が低く、間違った内容を伝えるなど、教科に関する知識が乏しい、指導方法も不適切というようなところがありました。また、生徒に対して高圧的で、他者への理解ができないというような課題も確認されています。
このようなことから、平成28年4月1日より指導改善研修を実施いたしました。研修期間中の模擬授業におきましては、知識伝達型で生徒が活動的に取組むような授業ができず、また、教科の専門的知識の不足、生徒の心理や状況を理解する力も不足しておりました。そして、研修中の面談におきましては部活動に係る不適正な会計処理、手当などの不正受給が発覚しまたことから、平成28年6月24日付で免職となったため、研修は終了となりました。しかし、令和4年2月に人事委員会によりまして懲戒処分の修正採決というのがあり免職処分から停職6月に変更となっております。復職をしましたが、非違行為に関する指導改善研修、改善研修として府で定めています資質向上研修を受けまして、一定改善を確認いたしました。その後、審議会に諮りまして、懲戒免職処分前に受けていました指導改善研修を令和5年1月1日より実施することとなり現在に至っております。研修の目標を記載しております。
次に当該教諭の課題についてです。当該教諭は、他者の気持ちを推測して、物事を考えることができないため、生徒にどのように声掛けすると理解しやすいのかを考えたり、生徒に指導する時にどこにつまずきがあるのかを汲み取ったりすることができません。また、指導員や指導主事など当該教諭の発言を理解しようとしている相手に対しても、上手く自分の不安や困っていることを相談することができないので、相手に強く主訴とは異なる不平や不満を訴えるなど、コミュニケーション能力に課題がありまして、適切な関わりができない場面があります。これらの点が課題と考えております。
研修の状況につきましては、後ほど説明がございますので、私の方からは、簡単に説明をさせていただきます。令和5年1月31日から週1回程度模擬授業を行いましたけれども、当該教諭は時間内に説明を終わらせることに重きを置きました一方的な単調な授業でありまして、早口で間がなかったため、生徒役の指導員がなかなか授業についていけなかったということがありました。また、生徒が考える時間の確保や当該教諭と生徒との双方向での授業展開がされていなかったです。さらに、授業後の振り返りの中で、当該教諭に、生徒との主体的に学びを深める授業をしないのかという質問に対しまして「想定外の時間を消費するため、生徒とは対話はしない」と発言をするなど、改善する姿勢がなかなか見られず、生徒の視点に立って授業を組み立てられることができないというような課題が見受けられました。プレゼンテーションでの教材を進めておるのですが、そのスライドは文字数が多く、図や画像が仕様やレイアウトの工夫がないため、どのように生徒にわかりやすく伝えることができるのかの視点が難しく、何が重要なのかがわからない状況でした。ただ授業で進めることについて羅列しているだけの教材であります最初に行った令和5年1月31日の授業のプレゼンテーション教材と令和5年6月20日の授業のプレゼンテーション教材を比較するとどちらも文字が多く、図や画像がないというのが分かります。6月20日の方は、字が揃っているかなというのがあります。また当該教諭は、自分自身の課題に十分に気づいていないため、模擬授業後に行う評価について、当該教諭の自己評価と管理主事の評価に乖離がありまして、現在の状況について自己認知ができていませんでした。つまり、指導員や管理主事からの指摘を受けるだけで、課題について自ら分析して改善することがなかなか難しい状況でした。臨床心理士の見立てでは、当該教諭はなかなか困っていることを相談することができないのですが、学校に戻った時に、正しい援助要請の方法を身に付けていないと、同僚とのトラブルになることが予想されます。当該教諭は、他人の気持ちがイメージできませんので、指導内容や助言内容は、具体的に言ったほうがよいため、相手の気持ちに自ら考えさせるより、あなたの発言や行動で、相手がこのような気持ちになるよと具体的に伝え、教えることにより、改善が積み上げられるようになるとのことでした。実際に、当該教諭が指導員に対して強い口調で不平を言うことがありまして、指導員が「今のあなたの発言で私は嫌な気持ちになったよ」と具体的に話をしましたら、当該教諭はその後、その指導員への強い口調を抑えたり、強い口調になった後に反省を述べたりするなど、少しずつではありますけれども、改善も見られるようになっております。
次に校長の所見ですけれども、教育センターで面談した時に、C研修生は自分の感情をむき出しにしながら自己主張を繰り返し行っていました。学校現場では、生徒指導の際は勿論、授業を行う際にも教材研究だけでなく、相手に寄り添い、傾聴する力を備えた人間関係が求められます。そのためには、自分の感情をむき出しにしてぶつけるのではなく、コントロールしながら、コミュニケーションをしていく力が必要だというふうに考えています。
次に教育委員会の対応です。当該教諭は、研修の課題につきまして、具体的な改善を指導するものの、指導技術の向上や授業改善にはまだ至っていないというふうに判断をしております。また、本人の不安感が高まりましたら、不平不満を言いまして、強い口調で語られる場面が見られるため、学校に戻った際に、授業や対人関係の両面から見て、生徒や同僚教員への影響も大きいと判断いたします。今後は当該教諭が学校に戻ることを想定しまして、教科指導だけでなく様々な指導場面をイメージした事例検討や教育課程や生徒指導についての教育センター職員の講義でありますとか、所外研修等を取り入れ、現在の学校の状況でありますとか生徒の様子を踏まえて適切に対応する力をつけさせる必要があると考えています。
以上のことから、指導改善研修を令和5年12月31日まで延長することといたしまして、当該教諭に対しまして引き続き、生徒指導を適正に行うための生徒理解の方法や指導方法についての正しい認識、生徒の視点に立って物事を考え、生徒を指導していく力、現在の状況を自己認知し、課題について自ら分析して改善していく力を身に付けさせることが必要であると考えております。なお、今回令和5年12月31日まで指導改善研修を延長することにより、令和5年1月1日から始めた研修として12月31日で丁度1年となります。ただ、右下の欄にございますけれども、平成28年4月1日〜6月24日にも中断した指導改善研修を実施しておりますので、その2か月と24日と合わせまして、通算で1年2ヶ月24日となります。先ほどもありましたけれども、教育公務員特例法第25条には「研修期間は、指導改善研修は1年を超えてはならない、ただし、特に必要があると認める時は、任命権者は、指導改善研修を開始した日から引き続き2年を超えない範囲でこれを延長することができる。」とあります。
最後に研修計画についてですが研修内容で、まず9月1日から9月31日までの研修の目標といたしまして、これまでの生徒対応等を振返り、自己の課題、特性の理解等を深める。授業における課題を認識させ、自己の改善点及び改善への道筋を自覚する。授業見学や講義等を通して、教科指導や生徒指導等の指導方法を習得し、具体的なイメージを認識させる。特性に応じた他者との適切な関係の構築について意識を高め、そのスキルを習得させる、にさせていただいています。併せて、臨床心理士がいらっしゃいますので、臨床心理士とC教諭との面談を通しまして、C教諭の困り感を共有しながら、また、どのように研修を進めたらよいかというような助言をいただきながらソーシャルスキルについてもつけさせたいと考えております。
その上で、9月下旬をめどに、教育庁で検討会を行いまして、状況が良好と判断できた場合、生徒、保護者、同僚など、相手の視点に立って物事を理解できるように事例演習等を行なうなどして、研修を進めてまいりたいと思います。
本人の意見書についてですが、7月5日から8月16日まで夏期特別休暇や年次休暇を取得しておりますので、本人の意見書については、今回は提出されておりません。教育センター学校経営研究室の竹内室長が、電話にて本人の意向を聞き取ったところ、延長を希望すると申したそうです。私からの説明は以上です。
(教育庁) 私の方から若干補足させていただきます。
このC研修生ですが、平成28年の指導改善研修では、課題として5点が指摘されました。1つ目、生徒との関わりにおいて高圧的な指導。2つ目、知識伝達型で教師主導の授業。3つ目、教科の専門的知識の不足。4つ目、自分に都合のよい解釈。5つ目、生徒の心理や状況を理解する力に欠ける。この5点が指摘されていました。指導改善研修中の28年6月に懲戒免職となり、その後令和4年2月に修正裁決で停職6月に変更されましたが、その期間、6年ほど、この研修生は家族や弁護士以外とは話す機会がなく、社会と接点を持てていない状況でありました。そのため研修が始まった当初はコミュニケーションが非常に取りづらい状況でありました。そこで元校長による指導員との面談を通して、事案の振り返り、服務管理、教育公務員としてこの事案についてどうすればよかったか、そういうものを考えさせるとともに、日々の対応として、社会性を身につけさせてきました。現在、対人関係については幾分社会性が戻ってきておりますが、依然、自己に都合の良い解釈で他者の心理や状況を理解する力の不足等が見られます。令和5年1月からの指導改善研修では、基本の研修として、指導員である退職校長の前で週1回50分の模擬授業を行っております。
その準備として、指導案作りや教材研究を行わせ、毎日面談で、その進捗やねらいなどを確認してきました。研修生は現場から離れていた期間が長かったため、まずは模擬授業を開始する前に、教育センター附属高校の指導教諭の社会の授業を見学させました。その後、1月末から現代社会、公共、歴史総合の教科領域での模擬授業を行ってきました。模擬授業は、生徒役が元校長である指導員のためか、平成28年に指摘された高圧的な指導、これはなかったものの、知識伝達型で教師主導の授業、教科の専門的知識の不足、自分に都合のよい解釈、生徒の心理や状況を理解する力に欠ける、これについては未だに改善には至っておりません。エピソードとしては、一方的な説明、文字ばかりのプレゼンテーション、唐突は発問等がございました。そこで模擬授業に広がりをもたらすため、生徒が主体的に活動する場面として、グループワークを取り入れるよう指導しました。研修生はこれまでそのような活動を行っておらず、やり方がわからない、生徒に考える時間を与えずに、自分のペースでグループワークと進めてきました。また、教材研究が不十分なためか、生徒から想定外の質問が出たときには対応が上手くできず、交通整理ができておりません。5月末に公共の授業のまとめ課題として、単元テストを作成とテストの作成意図の説明を求めましたが、「自信がないので、学校現場のテストを見せてほしい」「やったことがない」「自分が現場にいた頃と今のテストは違う」と、なかなか新しいことを受け入れることができません。本人の要望通り所属校の中間テストを用意しましたが、研修生が作成したテスト問題は一問一答式のものがほとんどでありました。6月に授業の教科領域を歴史総合に変更しましたが、1回目はほとんどの時間、一方的に話す授業。生徒役が江戸時代の日本橋と現在の日本橋の違いを問う発問を行いましたが、唐突に教科書の図について考えるよう課題を出すため、生徒役は急に図を見せられても反応できなくなる、生徒を混乱させる場面が散見されました。授業の振り返りでは、研修生からは建設的な意見ではなく、「学校現場ではこれまで公民しか持たせてもらえなかった。ここまで公共をやってきたのに、歴史総合に分野が変わって、また0からになった。」と不満を述べました。また、中国の周辺諸国の君主に爵位を与えて藩国とすること、「冊封」という単語があるのですが、この「冊」を「木」篇の「柵」と勘違いして理解し、自分の国を柵で囲ってしまう、鎖国と混合して間違った説明をするので、教材研究不足で、「地理歴史」「公民」の専門的知識を有している教員であるという自負には欠けております。歴史総合の教科書には、「自ら課題を発見し、複数の資料を読み解き、グループでの議論を通して課題を解決する。」こういう場面があるのですが、面談を通してグループワークの仕方を丁寧に指導していったのですが、依然、模擬授業では生徒には基礎的な情報を与えることもなく、唐突に活動に入ります。そのため何をしていいかわからないことがあり、模擬授業を重ねることや、その後の指導、これらを取り入れることで、若干、研修生も授業の面白さ、これらを理解して、少しずつ手応えを感じるようになっているようにも思います。
授業の振り返りとして、自己評価を付けさせていますが、管理主事や指導員の評価と比べると、研修生の自己評価は非常に高いです。例えば、個に応じた指導を行っているという観点では、教室を回っているだけで机間指導ができたと本人は捉えております。授業以外では研修生の課題として、先が見えないと非常に不安になります。困っていることがあっても、素直に困っていると表現することができず、不平不満を述べ、攻撃的になることがあります。
研修生を取り巻く環境は、昨年12月に実母が他界したこと、配偶者の体調が芳しくなく、常時介護が必要であることから、時々、精神的に不安定になるときがあります。その際は特に周囲に不平不満を発する場面が多くなります。エピソードとしては4月中旬に家庭の事情で、墓仕舞いとか書類取得のために福岡に帰省しました。帰省後は非常に不安定となり、研修や処遇に対する不平不満を述べるとともに、「休むかもしれない」と発言することがあったため、校長先生に対処してもらい、校長・管理主事・室長による面談を行いました。その際、研修生からは、次の6点の不安事由が出てきました。過去の給与の支払いのための書類作成や確認書類の入手が上手くいかない。令和4年度に関わってくれた指導員が退職したことで、自分のことを親身に聞いてくれる指導員がいなくなった。所属校の校長先生が転勤したことで、自分の思いをまた1から伝えといけない。休暇を取ると実質研修期間が短くなり、結果として研修期間が延び、延びると指導改善研修の2年に近づき不安になる。転勤希望を出し続けていても全くかなわない。今は研修に加えて、妻の介護や書類作成等で自分の処理の能力を超えている、こういう不平不満を述べております。6月には他の研修生が誤ってこの研修生の備品を持ち出したことがあり、それについてのこの研修生が非常に憤慨して、それ以降また気持ちが不安定になりました。また、7月4日に予約していた健康診断の期日を指導員に伝えておらず、突然休むことがありました。そのことを指摘したら「2ヶ月前に話をした」というふうに憤慨し、その翌日から5日夏季休暇を取得し、その5日後の始業直前に引き続いて5日間の申請、これを3回繰り返した後、9日間の年休延長を申し出ました。結果として、7月5日から8月16日まで出勤しない状況になります。なお年休の申請の理由は、配偶者が体調不良で入院し、介護を行うためと初盆に伴う福岡県の帰省というふうに告げております。昨年度は年休が残っておらず、休むことができませんでしたが、今年度は配偶者の体調不良や介護等があるものの、年休が付与されたため、休みを取ることで現実逃避に傾いているようにも見えます。私からの説明は以上でございます。
(委員) ありがとうございました。ただ今の事務局からの説明につきましてご質問、ご意見がありましたらお願いします。
まず、基礎的なことでお伺いしたいのですが、例えば研修形式、括弧のところに担当教科、社会科、であの、免許法の仕分けていうと「社会」っていうのは中学校だけ。高校の「地歴」「公民」というのは別々の免許になっているのですね。この方はたまたま「地歴」も「公民」も両方を持っておられるということですけれど、採用の時に、この人の主旨は、元々「公民」の教員であったのに「歴史総合」を持たされた、だから不満だという意見があったということで背景としてお伺いしたいのですか、採用の時は「社会」科という括りで採用されたのでしょうか。
(教育庁) この方は、「日本史」で採用されております。ただ、学校の現場におきましては「日本史」だけを教えるのではなく、学校によっては1年生だと「公民」とか2年生だと「日本史」や「世界史」というような形になりますので、「日本史」だけを教えるのではなくていろんな科目を受け持つということがあります。
(委員) 「日本史」で採用だったけども、たまたま「公民」の免許も持っていたので、「公民」も担当されていた。本人はずっと「公民」で蓄積をされてきて、今回「歴史総合」にいきなりなったので、ということですけれども、採用の関係から言うと元々「日本史」ですので、本籍に戻るという形になっているはずだという、そういう主張でしょうか。
(教育庁) 実際は社会の教科の(教員の)集まりの中で、どの担当をするかという振り分けをしていくのですけれども、その中で「公民」を持たされるということが多くて、今回「(歴史を)あまり持ってなかった」と主張しています。
(委員) でも先ほどの話でも気になったのですけども、平成28年4月から6月まで、一旦2ヶ月間研修を受けた後、免職処分になっています。このときの研修の扱いは、先ほど言った免職処分なので解除されるみたいな扱いですね。
(教育庁) はい、解除されるということです。
(委員) 免職中、6年間経って、令和4年3月からはこの研修じゃない資質向上研修の開始が決定されるみたいな感じで、その後、令和5年の1月には先ほどで言うところの「再開」みたいな、「継続」って書いてありますが、「再開」の審議をして「再開」した流れがあったという…。
(教育庁) はい。審議会で話をしていただきまして、1月から研修を実施したということです。
(委員) その場合にも先ほど再度研修を行うときだから、たとえ6年前でも、平成28年の2ヶ月の期間を通算して考慮した方がよさそうだという問題意識もある中で8月31日まで8ヶ月間の研修をしたと。この時点で10ヶ月経っている、今、延長を決めて4ヶ月間延ばしたら微妙に1年は超えますが、最長2年という決まりがあるが、大丈夫そうかという理解でいいのですね。
(教育庁) はい、そういういうことです。
(委員) わかりました。個人的な意見としては、特に必要があるときで改善の余地があるとき、ということですけれども、6年間のブランクがって本人が自信を失っていることとか、今回ちょっと心が乱れてお休みを長く取ってしまったとか、あとご家庭に事情があるとか、何か本人が希望しているということですから、特に問題はなさそう、必要があるように思いました。
(委員) ありがとうございました。
(委員) 研修の目的と目標ですけども、これ実際担当として「日本史」「公民」「歴史総合」その他、どの観点もできないと思っているのですか。それとも科目を絞って、模擬授業で何をやるかってことになりますしね。教科の指導に絞っての目標設定なのか、他のそれ以外の生徒指導などもとか、目標は実はどこに置いているのか。
(教育庁) はい。当初は教科に特化して、ブランクがあるものですから、教科をまずはやっていただいて、先ほどの説明にもあったのですが、「公共」の教科というのが今回の学習指導要領で初めて出てきたもので、当該教諭はやったことがないというふうなところで「公共」の授業を最初にやっておりました。
これからなのですが、教科の持ち授業をそのまま継続しながら、先ほど説明もさせていただきましたが、所外研修で、他校へ見学を行ったりとか、あと今、生徒役の指導員の方に授業を教えているのですが、実際に現場に出たら寝ている生徒がいたりとか話をする生徒がいたりとかいうことがありますので、そういうような場面での指導ができるような形を、実践的にやっていけたらなというふうに考えております。
(委員) 確認ですけれども、模擬授業も評価の観点が必要だと思うのですが、授業見学は、かなりやっているのですか。授業見学はあまりやってないのですか。
(教育庁) 所外見学は、1月に2回行っただけです。
(委員) もっと必要じゃないですか、十分な研修をするというのは。実際に見て、初めて分かるっていうのではないですかね。それから休暇、取られてますよね。1回や2回の授業見学では、十分な研修をしたとは言えないのではないか、これから、計画に入っていますけれどね。順番が逆じゃないですか。模擬授業するより先に1回2回してみてダメだったらば、見学に回って、それをやった上でやるのが十分な研修だと思うのですが、ちょっとその手順が。はっきり書いてないのですが、授業見学は2回ですか。
(教育庁) 2回です。
(委員) 2回だけですか。何か月間の研修ですか。8月までの研修で、抜けている期間もありますけど、8ヶ月間2回。十分かどうか、それで。
(教育庁) また、検討させていただきます。
(教育庁) 所外研修につきましては、授業は見に行ってもらった回数は非常に少ないというのはご指摘の通りでございまして、一定所外研修で、本人の授業のブランクがございますので、授業の状況も、取り戻しつつ、今回延長になりますので、各学校の授業の見学とか、あと教科指導とかも大分離れていて学習指導要領の改訂もございましたので、センターの職員とか事務局の職員が教科指導、生徒指導、教育相談など諸々あると思いますけど、それについても講義を入れながら、さらに加えまして、いろんな生徒さんがいらっしゃいますので、生徒対応の仕方や対応につきましても、あわせてこの中で行っていきたいと考えております。
(委員) はい、私も研修の進め方のところで、確かにこちら側としては、知識も補ってほしいとか、あんなこともこんなこともということがあるんですけれども、多分ですが、何が求められているかということなども本人がちゃんと理解して、沢山のことよりも一つの場面を例えば自分で録画したものを見るとか、自分でも工夫してみるみたいな、そういう時間、自主的にこうやったらよいのかなと工夫するとか、そういうことが保証できたらよいなとか、校外研修ということで深めているので、実際に効果的に進めるのが大変だろうなと思っていまして、ただ、先ほどのお話の中でも一定自分のことを思ってくださる教員の方に対して信頼関係を持つこともできるということもおっしゃっていたので折角のこの機会に、良い研修ができたらなと思います。
(教育庁) 補足です。授業をした後ですね、本人には授業批評、指導助言を見させて、それを受けての感想を書かせています。
(委員) この方の資料を見て思ったのですけども、この方が作ったこの資料っていうのは、この人的には何点なんだろうなっていうことを思っていて、これがすごい自己評価と乖離があるってところがあって、この方的には、もしかしたらすごい資料を作ったなって思っている可能性があるのではないかなというのが、実際のこの方がなさっている授業をビデオか何かに撮って、自分で客観的に見てみるっていうご意見もあったかと思うのですけれど、よその授業を実際に見に行った場面、この方がいいと思う授業と、周りがいいと思う授業と、授業の形態も変わってきていますので、それがいいなというところのギャップっていうのがどの辺にあるのだろうかっていうのは、最初に確認をされたのかっていうのがすごく気になっていて、この方は多分自己中心的なところで客観視がすごく苦手なので、いくら周りが言っても、そこに気付けないとか、見て気づくようにというようなことを促しても、そこに周りの人が気づくところに気づけないっていうところに、多分すごく困っているところがあるのではないかなというふうに、この中の文章を見て思ったので、臨床心理士の方の見立ての中で困っていることを相談できないが、と書いてくださっているけど、もしかしたら困っていることに気づいてないのか、困っているのは結局この方ではなくて周りの先生だったり生徒だったりっていうことがあると思うので、まずその辺のところの、きっちりとしたスタートの位置を設定しないと、多分言われたら気づく力があって気づいて少し改良する力っていうところもあるので、具体的に伝えていくっていうのは、今後の研修の中ですごく大事なことではないかなと思います。研修目標1から3とありますが、これを読んで何か自分で気がついて何かできるかというとちょっとしんどいなあっていうように少し思ったので、もう一度改めてこの方がどういう方なのかっていうのを見た上での研修計画を作って、例えば、実際に現場に長いことブランクを抱えていて、この方53歳なので、この方が受けてきた授業は多分こういう授業、この授業のイメージしかない中で新しいイメージを作っていくのは、多分1人ではとても大変な作業になるかと思います。今から丁寧に教えていくというのは大変かと思いますが、考えていっていただけたら、現場復帰していいというところに繋げていってもらえるのではないかなあということを思います。
(教育庁) ご指摘いただいた点はその通りでございまして、様々な指導員であったり、我々管理主事の方から、当然、指導とか指摘とか、こうした方がいいのではないかっていうような改善点なんかも提案するのですけども、なかなか本人は気づいてくれないといいますか、そういった状況でございます。研修の中身も、ご自身でしっかり気づいていく力というか気づきながらどういった授業が適切にできるのかっていうことを考えて取り組んでおりまして、そういったことがなかなか難しい状況でございます。C教諭本人に私の方から何点か、こういった視点で改善していったらどうかということを申し上げたのですけれども、「それならば一番良い授業をビデオで見せてくれたら、私はその通りやる」と。「その通りやれば問題ないというか、そういう指摘されるようなこともないのでしょう」ということで「決められたこと、学ばないといけないことを全てやっているのだから、何が問題なんだ」というような発言もございました。当然、授業につきましては正解のない中でどういった授業を工夫していくか改善していくかっていうことが重要になってくるのですけれども、なかなか本人自身がイメージできてない、何が悪いのかが理解できてないというようなところもございますので、そういったことがこの1月からのこれまでの研修の中で、彼自身の状況からわかってきたところもございましたので次回以降は、より具体的に様々な授業を見る、また自分の授業を振り返るときに、具体的にどういうことが必要なのかっていうのをイメージさせながら進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。
(委員) これ、パワーポイントですよね。多分僕、この人より5つ上なんです。これ、問題やと思いますけれど、そもそもこの方、パワーポイントのスキルがあるのかな、まず単純に見にくいですよね、ただ単に打っているだけという感じしか受け取れないんで、その前にコミュニケーション能力が低い方というところで、どういうふうに伝えたらいいかとかでも、そんなに分かっておられないと思うので、こういう資料、普通、そもそもそこから教えてあげないと。どうなんですかね、学校の先生、それ、ありきなんですかね。いわゆるパワーポイントの能力であるとか、閲覧の能力であるとか、そういうのは、元々それは自分で勉強しなさいとか、研修制度があるとか。見やすい資料はこんなんですよとか。
(教育庁) 私は、教員22年なのですけれども、最初に初任で大阪府にお世話になったときには、そういうふうな研修はありました。実際に生徒たちにどういうふうにしたら見やすいかっていうふうな研修というのは受けたことはあります。C研修生も多分、採用されて最初の頃には、そういう研修を受けていると思いますが。
(委員) この方、中途ですよね。聞きにくいのかな、何となくですけど。この方、会ったことがないからあれですけど、例えば周りに若い先生が居られるじゃないですか。コミュニケーション力が低いから、若い子なんかこうやったら、見やすいですよとか、今こんなん流行りなんですよとか、教えてくれると思うんですけど。そもそもコミュニケーション能力が低いから教えてもらってないとか、そういうのも本人の能力の問題なんで、改善できることがあるかと思うんで改善されたらいいと思うんですけど。なかなか生徒の前に立っていただいて教えてもらうっていうのは、どうなのかと思いますけど。
(委員) ありがとうございます。
今日は研修計画書、9月1日から12月31日までのものを提示していただいているんですけれど、ここに書かれている研修の目標@ABというのは、1月1日から8月31日までの研修目標とまさに一緒です。そのあたりのところ、もちろん目標は変わらないということだと思うんですけれど、やはり、今までこういうところが足りなかったので、これから、こういうところを重点的にやろうと考えるのは、やっぱり鮮明に出していくのが必要かなと思います。今のこういうところ、今までの研修計画にない、
(教育庁) 今までは授業を中心にやっていた部分があるのですけれども、現場に、学校の方に戻るためにはやっぱり授業だけではありませんので、生徒指導であったりとか、先ほども言いましたけれども対応力、事案への対応力であったりというような部分が必要になってくるのかというふうに思っておりますので、授業も次のステップにはいうような部分もあるのですけれども、いろいろ工夫して、次に進めたいと考えております。
(委員) はい、ありがとうございます。研修目標の@ABですけれども、二つの柱で、一つは生徒理解に関わるようなことですね、Aには「視点」というのがありますので生徒理解ということ、それから指導方法と、二つの柱があるのかなというふうに私は理解しました。先ほどの生徒指導という言い方をされたのですけれども、生徒指導の前にやっぱり生徒理解ですね、こういう教え方をしたら、生徒はほぼ間違いなくついてこないよ、わからなくなるよ、あるいはこういう教え方をすると、ほぼ寝てしまいますよ、と生徒の視点に立って説明はどうなのかという生徒理解、やっぱり観点的にしていただきたいというのが、9月1日からになるのかなと思いました。それから方法論については、生徒理解が最初だと思いますけれども、その上で指導方法を身につけていただくための土俵になる科目をきちっとやった方がいいかなという感じがしました。「日本史」も「公共」も両方というのは、この方「日本史」が一番得意という認識があるのかもしれませんので、もしそうだとしたら、得意な「日本史」で教え方をどうするんだとか、得意な「日本史」で生徒理解を、こんな教え方をしたら多分理解してもらえないだろうとか、生徒が困った状況になるとか、そういう作戦というか戦略も必要かなと思いました。もう一つは、「生徒との主体的に学びを深める授業をしないのか」という質問、質問の内容もちょっと微妙なところがあるのですが、おそらくいわゆるアクティブラーニングのことを念頭に置かれた質問かと思いますね、そのアクティブラーニングのときに対話的というのがあるのですけども、この対話的っていうのは、先生と生徒が対話するというのも勿論大切なのですが、一番言われているのは生徒同士が対話して学び合う、というところを重視しましょうというのが、今度の学習指導要領の眼玉なのですけれども、それでいくとですね、この発言というのは二重の意味でちょっとどうなのかな…。一つは、今度の新しい学習指導要領の趣旨を踏まえて現場で教え方っていうのを変えていかないといけない、「そこはできません」と宣言してしまっているというのは…。それから対話的っていう中身ですね。先生と生徒の対話だけで止まっていては困るんです。生徒同士の対話をやっていただかないといけない。ということで、そのへんのところで二段階でこの発言が間違ってるんじゃないかなと思いました。おそらく、この本人からしてみると、生徒同士が会話していると授業が成り立たない、だから大変だということを言いたいんだと思います。そのいうところを、今はそういう時代ではないということも研修の中に入れていただく必要があるなと思いました。以上です。
(教育庁) はい、ありがとうございます。グループワークっていうのも取り入れた回もあったのです。グループワークで生徒が、生徒役の指導員ですけれども、図や絵を見て話し合うというふうなことで発表させてというようなこともあったのですけれども、その回につきましては、生徒役が話し合っているところに来たりして机間指導もできていまして、出てきた回答について、当該教員がコメントをするというふうな場面もあったので、こういうように継続してやっていったらいいですよねっていっていたのに、次の回がまた元に戻ったりというふうなところがありますので、なかなか安定しない部分も正直あったりとかします。ただ、ゼロではなかったので。
(委員) そういうちゃんとできるところはきちっと褒めてね。そう、それがいいんだという形で指導していただければありがたいです。
それから校外研修という表現が出てきたのですけれども、先ほど委員から、もっと授業を、1回2回だけではなくて、どんどん行くべきだっていうのですが、これも発想の仕方で、現地に行くだけじゃなくて、実践授業をビデオに撮られて、それを教育センターで見ていただくと、これは所外研修にならないのかもしれませんが、そういう授業の見学の仕方もあるのだなというふうに思いました。
それではこの第2号議案については延長するかどうかということですので、今まで1月1日から8月31日まで研修目標を掲げて研修をしてきたのですがなかなかこの目標に達成できなかったということですので、それを継続して、もう一度研修を実施しよう、ただそれは今までと同じことをするのではなく、これまでのことを踏まえて改善点については何点か指摘がありましたのでそういう観点のところを伸ばして、そしてまだ気づいてないところを気づいていただく、あるいはあの研修の仕方も今日、いろいろと意見が出たので参考にしていただくということで、令和5年9月1日から12月31日まで指導改善研修を延長するということでこの審議会では了承したいと思いますがよろしいでしょうか。

【結果】 令和5年9月1日から令和5年12月31日まで指導改善研修を実施することを了承する。


2 報告
● 大阪府■■市立■■中学校 A教諭

(教育庁) 大阪府■■市立■■中学校のA教諭につきまして説明いたします。
令和4年3月22日より指導改善研修を実施し、令和5年3月の第3回資質向上審議会に研修延長の諮問をさせていただき承認いただいたものです。この教諭は令和5年3月31日付けで依願退職となりました。
状況としましては、令和5年3月24日付けで研修延長命令の手交を行い、併せて警告書を手交しました。警告書の内容は、「適格性欠如の徴表と評価することができる事実が認められるので、その改善を求める。今後、これらの状態が改善されない場合は、地方公務員法第28条第1項第1号又は第3号に基づいて分限処分、免職が行われる可能性がある、というものです。その翌日に、府教育センター学校経営研究室の室長に退職の意向が伝えられました。その際に本人が述べたのは、家族とも相談の上であること、年度途中で分限免職の可能性があるとすれば今後の就職面接等で自分としては説明ができないので、切りの良い年度末で退職することに決めたということでした。


● 大阪府立■■高等学校 B教諭

(教育庁) 大阪府立■■高等学校のB教諭につきまして説明いたします。当該教諭は再任用教諭でしたので、令和5年3月の第3回資質向上審議会では再任用が「否」とならない場合には、研修を延長するという内容で諮問し、承認いただいたものです。結果としましては、令和5年度は再任用されなかった為、令和5年3月末日をもって研修終了となりました。状況としましては、令和4年12月1日より指導改善研修を開始しましたが、令和4年12月19日から令和5年3月16日までの90日間の病気休暇を取得し、3月17日より研修に復帰しました。研修に入る前の校内における指導の状況、数日間の研修での状況、本人の言動等について再任用審査会に情報提供し、審議いただきましたところで、令和5年度の任用が「否」となりました。説明は以上でございます。
(委員) ありがとうございました。ただいまの事務局からありましたご報告につきましてご質問等ございますでしょうか。
特にないようです。