(教育庁) |
それでは第1号議案、■■市立■■中学校のA教諭につきまして、当該教諭の状況、指導状況および対応方法についてご説明いたします。 |
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前回の審議会において、皆様に当該教諭に関する事項、指導改善研修までの当該教諭の状況、令和4年3月22日から12月31日までの研修の状況について説明させていただいておりますので、いくつかピックアップしてご説明いたします。 |
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まず、平成25年度から令和2年度までの状況についてですが、授業のやり方は、生徒とのやりとりがほとんどなく、教師が一方的に説明する教師主導の形の授業で、生徒への指示、発問が不明確であるため、生徒全体には浸透せず、生徒からの質問にも的確に答えることができない状態が続き、生徒との信頼関係を築くことが難しい状況でした。 |
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令和3年度はこれまで教員評価支援チームによる学校訪問を行っても改善が進んでいない状況であったことから、支援チームの訪問を7回行いましたが、改善が見られず、令和4年3月22日より、指導改善研修を受けております。 |
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次に、指導改善研修の状況についてですが、研修の目標としましては、 |
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1、学習指導を適切に行うための生徒理解や指導方法を身につける。 |
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2、生徒の視点に立って物事を考え、生徒を指導していく力を身につける。 |
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3、現在の状況を自己認知し、課題について自ら分析し、改善していく力を身につける。 |
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ということで研修を行っております。 |
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令和4年3月から12月にかけて、模擬授業においては1問1答式の発問を行った際、「なぜそうなるのか」という根拠を生徒に考えさせることができずに学びを深化させる授業展開ができないである、とか、『水の合成』の模擬授業においては、めあてが「物質同士を結びつく変化について考える」でありましたが、いつ、誰が、何を、どうするのか、評価を明確に言うことができないなど、指導と評価がつながっていない、などの研修の課題について、当該教員に対して具体的に改善を指導するものの指導技術、指導計画、指導改善は依然として難しい状況でした。 |
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現在の状況として、昨年11月から適切な説明をするスキルを身につけるため、新たに要約、要旨をまとめる研修を行っております。要約は朝日新聞の『天声人語』等のコラムを視写させ、それを200字程度にまとめる作業で、要旨は600字程度の文章、中学1年、2年生の国語読解問題集から選んだものを視写させ、それを30字程度にまとめる作業を実施しています。200字程度の要約の場合は、最初と最後の文書を読み取り、それをつなげると一定の形になるため、当該教諭はそれをパターン化し、文書を作っていました。要旨は30字程度なので、文章を熟読した後、使う言葉を吟味する必要があるため、要約するよりも高い文章構成力が求められます。これらの成果についてですが、当該教諭は、課題の文章が得意な分野であれば、内容について的外れにはならないのですが、苦手な分野の文章であれば、語句の選別も的確に行えず、内容の理解が浅い状況になっています。当該教諭はこの研修を通して、様々な場面での口頭説明にまとまりが見られるようになった場面もありますが、改善には至っておりません。 |
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また、模擬授業の状況ですが、『生物の種類の多様性と進化』において、「腕」のことを「手」と何度も表現したり、系統樹の理解ができておらず、生徒から質問された際に、「最近の研究ではこうなります」と答えたり、『運動とエネルギー』の授業の1、2年の復習において、「質量と重さの違い」や「力のつり合いの2力の作用点は一致しなくて良いのか」などの教科書に掲載されているほどの基本的な質問に対して説明をうまくできず、あげくは「誰か補足説明できる人いますか」と生徒に尋ねることを授業内に何度もするなど、生徒からの質問に上手く対応できませんでした。また、単位の1hPaが100?であることを理解していないなど、理科の専門的な知識に欠けているところもあります。圧力の計算の仕方が理解できれば目標達成になる演習問題においては、本来なら難易度を考え、段階を踏んで進めるべきところを、初めの段階から、?をuに単位変換を求めさせており、考え方を複雑にして回答を求めさせるなど、スモールステップを考えた対応になっていないという状況でした。そのときの配布プリントは授業の直近で出来上がったと聞いておりますが、臨機応変な対応が望まれます。また、指導を受けて2回目の模擬授業に対応ができても、次に別の授業内容になると活かされないなど、汎用性がありません。模擬授業後に行う評価については、当該教諭の自己評価が高く、管理主事の評価と乖離があり、自身の課題に気づけていない状況でした。 |
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現在も模擬授業等の取り組みを継続して実施しているところですが、成果が見られないことから、並行して理科の専門性の知識の状況および理科の説明能力の状況について調査を実施しました。理科の専門性の知識としては、今年度の3年生のチャレンジテストを実施しました。選択問題すべてを回答させ、140点満点で98点と7割の正答率でした。ちなみに生徒の正答率は平均約55%です。また、理科の説明能力に関しましては、チャレンジテストの解説を生徒に説明できるかということを実施しました。全ての回答を見ながら解説を求めましたが、結果、全体の約3割を正しく解説することができませんでした。今回、問題を解いてもらい、解説をしてもらったチャレンジテストにおいて気になった点としては、模擬授業で実施した箇所であるガスバーナーの使い方が間違っていたこと、また、記述で答える箇所が無回答であったことです。理科の教員としての説明の専門的能力にも課題があり、特に1分野の内容説明に課題がありました。研修の振り返りにおいては、指導員から指摘を受けた課題を記入しているだけで、自ら何が出来ていないのか、なぜ出来ないのか、どうしたら改善できるようになるのか、を自己認知することが出来ない状態です。 |
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臨床心理士からの話では、本人としては「どうしたら良いのかわからない」状態である。「今のところ出来なくても、研修をやれば授業改善できる」と思っており、特性が理由で「自分ができない」という思いは持っていない。また、「1年をかけて研修を受けたのに改善が見られない状態であるが、教員としての適性について(自分で)考えることは、周りから気づかせないと難しい」とのことでした。「教員としての適性について、当該教諭に話をする場合は、まず当該教諭ができるところを見つけてあげて、それを活かすことができる場を紹介するような方法でないと難しい」との助言をいただきました。 |
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校長の所見ですが「大きな改善は見られなかった。授業での工夫の中で新しいものを取り上げようとしたことは評価できるが、説明がずさんで企画倒れに終わっていた。理科の用語について曖昧でわかりにくく、授業中の質問に対して明快な説明ができていなかった。そのため理科の面白い部分、興味深い部分を伝えることができなかった」というコメントをもらっております。また、■■市教育委員会の所見としては「学習指導案作成に関して、本時の学習指導のねらいやポイントを1人で定めることができず、予想される生徒の反応を考え、書くことができないといった状況が改善されていない。生徒から質問があったとき、その意図を正確に捉えることができていないため、適切な回答が行えないなど、改善されていない。模擬授業では、生徒役が大人であるため授業が流れていくが、実際に生徒の前に立てば、指導案の内容を最後まで教えることができない状況である。授業のポイントが掴めていない中で授業を行っていることから、授業を振り返ることは非常に難しい。指導員等の指導がなければ次に活かす授業等の振り返りを行うことができない状況である。以上のことから指導改善研修の延長が必要であると考える。また、研修から1年が経過したが、依然として改善が見られないため、今後府教委と対応等について検討していきたい」というコメントをもらっております。 |
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府教育委員会の対応としましては、当該教諭は、府教育庁教職員人事課の管理主事や府教育センター学校経営研究室の指導主事、指導員が指摘した課題の本質を十分理解できず、表層的な理解にとどまる。もしくは誤った理解をし、授業における指導技術、指導計画の課題改善が見られない。また、研修では継続して様々な課題について改善を促しているが、別単元になると再び同じ課題を指摘されるなど、今までの指導を活かすことができないことから、学校現場に復帰できるレベルまでには至らない。ついては、教育公務員特例法第25条第2項に基づき、令和5年8月31日まで研修を延長するとともに、通算1年を超えて研修を継続しているが、いまだに改善が進まないことから、当該教諭に対し課題改善が進まなければ分限免職の可能性がある旨の警告書を交付し、なおも改善が進まない場合は、教員としての資質の改善が見込めないと判断し、当該教諭に通告した上で他職検討等の能力実証を行い、能力が不十分な場合は、分限免職をする方向で検討を進めていくことを考えております。 |
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次に、本人から意見書が提出されています。 |
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A教諭は3つの課題、 |
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1、授業で何を身に付けさせたいかイメージすることができない。 |
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2、話にまとまりがなく、生徒への発問、指示、説明が伝わらない。 |
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3、授業中に生徒の様子を捉えることができず、生徒から質問があったとき、その意図を正確に捉えることができない。 |
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この3つを挙げて改善したいという意思を持っております。そういった面では研修については、意欲的に受けたいと意思を持っております。しかし、これらの課題については、指導員が指導の中で発言したことを記入しているだけで、現在の状況を自己認知しているとは思えない状況です。現在、授業演習等を通して改善を行っていこうとしておりますが、本来教員として持っているべき教科の専門的な知識の不足や相手の意図を理解する力の不足が見られるということがあり、さらなるスモールステップでの研修も実施している状況であります。 |
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最後に、研修計画書をご覧ください。研修内容です。まず4月1日から5月14日までの研修ですが、目標としまして、 |
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1、授業演習における改善すべき課題についての改善方法を考え、実践できるようにする。 |
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2、生徒対応や生徒指導、また保護者対応について、自己の課題を自覚し、その上で、生徒、保護者の立場に立って対応できる力を身につける。 |
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3、他者とのコミュニケーション能力を身につけるとともに、まとめる、話を聞く、伝える力を高める、理科の専門的な知識および説明力を高める。 |
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です。 |
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併せて、研修の中では、臨床心理士の先生もおられますので、臨床心理士の先生とA教諭との面談を通して、A教諭の困り感を共有しながら、また、どのように研修を進めていけば良いかということについて助言をいただきながら、ソーシャルスキルについても身につけさせたいと考えています。その上で、5月中旬を目処に、教職員人事課と教育センターで検討会を行い、研修が進んだ場合は、状況が良好ということで、授業演習を週2回程度のペースで行うなど、研修を進めていきたいと考えております。 |
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説明は以上です。 |
(教育庁) |
若干補足させていただきます。 |
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A教諭の模擬授業については週1回、50分、元校長である相談員が生徒役となり、授業演習を行っています。その授業を行うために研修生が授業プランを作成し、それを指導員が指導しながら完成していく形をとっています。1月からは同じ授業を2回行っており、2週目は授業演習でいただいた様々な指導助言を基に練り直した授業を行っております。授業については、項目を書いた短冊を用意し、それを板書代わりに貼っていくという一定のスタイルができつつあります。しかしながら、このスタイルでは、短冊作成等に時間がかかり、内容の充実や精査に十分な時間が割けていない状況です。また研修生は授業準備として、授業内容の理解より短冊や小道具作りに時間をかけるなど、授業準備の軽重がよくわかっていない状況です。そのため教材研究、教材理解が浅く、想定している質問の範囲が狭い状況で授業に臨むので、生徒役から想定していない質問がくると、依然適切な対応ができていません。 |
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また当該教諭は質問された際、その返答はいつも先に理由を長々と伝え、その後わかりにくい結論を述べています。本来なら質問に対して結論を述べ、その後、必要に応じて理由を述べるとわかりやすいのですが、当該教諭はその順序が逆になっている、そして質問した相手は、何を伝えられたかわからない状況となり、納得感が得られていない状況です。それが重なるので教諭への不信感が増していきます。そこで、先ほど申し上げた要約要旨(をまとめる)作業を行いました。 |
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また、生徒理解を促すため、授業中に起こりうる生徒対応について、その事例も考えさせています。例えば、教科書を忘れた場合の生徒対応。これについては、当該教諭は授業前に「忘れた」と言いに来た生徒と、授業中に「忘れました」と言った生徒の違いをしっかりと理解しておらず、一律に「次から忘れないで」という注意に留まっています。本来なら生徒の訴えから周囲の状況を想像し、それぞれの状況の違いから対応を検討すべきでありますが、区別なく指導をしてしまいますので、きめ細かな生徒理解にはつながっていません。この指導では生徒の納得感が得られない状況です。 |
(委員) |
ありがとうございました。 |
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それぞれ当該教諭の様子を含めてご報告いただきましたが、委員の皆様、何かご質問、ご意見がございましたら、よろしくお願いいたします。 |
(委員) |
一つ質問です。この方、意見書の中で「私には授業で何を身につけさせたいのか云々というふうなことに課題がある」とお書きになっていて、先ほどのご説明の中で「それは自己認知しているのではなくて、出てきたことをそのまま」というふうなことをおっしゃったのですが、ちょっと詳しく、その根拠のあたりを詳しく教えていただけますか。 |
(教育庁) |
意見書もそうなのですが、日ごろの研修での振り返り、最後の1日の反省というところでも指導員から指摘された課題の内容はしっかりと書くのですが、それ以外の自らの課題であるとか、それに対する改善というような内容が見られないというところから、この意見書においても、そのような見解を示させてもらっています。 |
(委員) |
なるほど。ということは、指導された中身を理解していない、その言葉のまま普段から書かれるという、これもそうであると、そういうふうなことでしょうか。 |
(教育庁) |
そういうことになります。 |
(委員) |
ありがとうございます。 |
(委員) |
他の委員の皆様、いかがでしょうか。 |
(委員) |
教科の基本的な知識を書くというところも出てきましたが、7割の正答率、これは今年度の3年生の中学生チャレンジテストということで、中学理科の全範囲ということになっているかと思うのですが、一般に理科の先生だと、やったことがないとわからないかと思いますが、必ずしも満点とは限らないけれど、7割というのが、どの程度なのかというのをお聞きしたいです。 |
(教育庁) |
当然、年によって点数は変化するのかと思いますが。私は理科の教員ですけれども、大体9割5分は取れました。これだけで知識の有無ということを判断するべきではないというふうに考えています。実際に解答を見て、しっかりと子ども達に解るような解説ができるかどうかというところが主かというふうに判断します。結果的に、それが知識であっても、解説であっても、結果的に7割程度しかしっかりと説明することができなかったということが、私どもとしては大きな課題であると考えているところです。 |
(委員) |
点数云々というよりは、中身ですね。単純に知識がないだけなら、準備すればいいだけなのですが、お話の中でのガスバーナーを使い方にミスがあったとか、あるいは問題にあったかどうかは分からないですが、薬品の取り扱いとかですね。足したらどうなるかの計算結果を見せるのは、準備すればいい話なのですが。(ガスバーナーの)扱い方のミスっていうものは、どんな場合でもミスしてはいけない、準備する段階で自分がミスしても危ないですし、準備しないまま生徒にやらせてしまうと、生徒達が怪我をするということもありますので、絶対に間違えてはいけない部分というのは必ずあると思いますので、そのあたりについては重点的に指導される必要があるのかなと思いました。 |
(委員) |
ありがとうございます。 |
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指導に関わりまして、安全面も含めたご指摘もいただけたかなと思います。 |
(委員) |
報告ありがとうございました。 |
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私も委員のお話と重なるところがあるのですが、当該教諭の課題の基本的なところとして、どれぐらい教科の基礎知識、そして授業の準備をして、授業にきちんと100で居れる(完璧な状態で授業の場に臨める)ように準備する力があるのかが大事かなと思いました。生徒に伝える、伝えない、伝え方以前に、まず知識がないと説明ができないですし、相手の質問の意図を理解する以前に、その答えが用意されていないといけないということがあると思いますので、まず知識が最初にあるかなと思いました。プラスアルファで、今、授業の演習で取組まれているような伝え方、要旨を伝えるであるとか、的確な部分の伝え方の工夫というのは、その上に乗っかってくるようなものかなというふうに思っています。 |
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もう一つですが、これは課題になっていると思うのですが、ご自身の授業であるとか、ご自身の答え方について、何が伝わりにくいのか、あるいは何が曖昧なのかということについて、ご自身で気づくことが難しい方だということが、繰り返し、お話の中にありました。そうすると一つの工夫として、もう、されているかもしれませんが、例えば授業をビデオで撮って、その遣り取りを、自分の答えとその相手の遣り取りを外から(第三者的に)見るとかして、ここでコミュニケーションの行き違いが起こっている、ここで説明が過剰になっているとか、そういうことを自分で観察するようなことも一つかなというふうに思いました。それがいいのか、やってみないとわからないところがあるのですけれど、そうしていくことによって、自分の姿を外から見るっていうことが、ある程度できるかなというふうに思ったところです。 |
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ただ、とても熱心で頑張りたいという気持ちを研修生は持っていますので、この方の、モチベーションを何とか生きる方向にというふうに思っているところではありますが、やはり教員としての資質というのは、生徒たちに関わってきますので、しっかり見ていく必要があるなというふうに思って、お聞きしていました。 |
(委員) |
ありがとうございます。 |
(委員) |
意見という形にはなるのですが、前回の議事録も少し確認しながら、状況的にはあまり変わっていないのかなというふうに率直に感じています。委員として、こういう発言をして良いのかどうかもわかってないのですが、もう子ども達の前で授業をするということに向けて、というところは、少し難しくなってきているのではないかなと。それを、皆さんも感じておられるのではないかなという気がしています。この方の人生を考えたとき、これからのライフプランとか、お気持ちの面とか、もちろん慎重に対応しないといけませんし、そこを尊重することは大切なことだと思います。ただ、今日に至るまでの、模擬授業を期していただいたり、研修をしていただいたり、いろんな書類を作成していただいたり、その方と面談していただいたり、また、本日の会議も、これだけの皆さんに集まっていただいてやっている中で、それは大事なことなのですが、本当にそれが公平なことなのかということは、民間ではなかなか考えられないことですので、少し気になりながら、言い方を変えますと、私は一保護者としてこの審議会に出させていただいていますが、これだけの方が集まってこの時間を使えば、子ども達の教育のためにもっと違う前向きな議論が、もっと違うことを考えて、その時間を作れるのではないかな、もしくはこの方に関わっている方がやっぱり一生懸命に何とかしようというところでも、ソーシャルスキルの部分で限界があって、そういう方々の負担や、ストレスというか、そういうことが大きくなっていくとか、いろんなことを考えると、トータルのその時間、費用と比べたときに、本当にこのやり方が公平なことなのかということには疑問に感じつつあります。いろんな決まりがあり、ルールもあると思いますので、難しい面はあると思うのですけれども、この方のためにも気持ちを受けながらも、迅速に、円滑に退職検討、分限免職の方向にスピードを上げていくべきではないかなというふうに個人としては感じています。 |
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失礼しました。 |
(委員) |
ご意見ありがとうございます。 |
(委員) |
今のご意見をお聞きしていて、もう一つ質問なのですが、先ほどの意見書の前半の部分は指導してもらったことをそのままということだったのですが、私は後半の部分を読んで、まだ熱意を持っておられるのかと感じていたのですが、この部分も、もしかしたら指導していただいていることを踏まえてというか、この方ご自身は、どのぐらい現場復帰とか生徒を指導したい思いを持っておられるのか、ちょっと難しいかもわかりませんが、今、見ていてというところで教えていただけますでしょうか。 |
(教育庁) |
私どもは模擬授業や、管理主事面談を常にさせてもらっています。その中で当該教諭と話をするとき、当該教諭はすごく謙虚に話を聞こうとしており、本当に前向きな姿勢があると感じています。それを数値で表すとかそういうことはすごく難しいのですが、常に与えられた課題に対して、嫌がらずにやろうとしている、本当に頑張ろうという姿勢が見えているから、管理主事は順番に当該教諭を観に行っているのですが、どの管理主事も意欲はある、とは感じてはいます。ただ、それが本当に形として、自分自身で、自己でちゃんと考えることができるかというとそこができていないというのが、全員の意見として出ているところから、そのように回答させてもらっています。 |
(委員) |
分限とか他職とかを考えるという中で、そもそもこの制度というのが1年間は研修する、1年を終えて復帰できない状況であれば、最大もう1年は延長することがある、ということで、既に、この方については例外対応の方に進んでいるというところになります。必ずしも2年間の満期まで様子を見なければならないというわけではなくて、マックス2年の中で残りの期間と、これまでの研修成果等を考えて復帰できるレベルまで残りの時間では達しないという判断まで至れば、分限を検討していただくということは問題ないでしょう。仮にその分限や他職という処分が違法だ、というような争いになったとしても、これだけの記録をもって改善研修に努めてきたが、規定上はマックス2年であるけれども、2年に達する段階で学校に戻せると見込める余地がないという判断、それがきちんとした資料に基づく合理的な判断だということになれば、違法だ、無効だと言われる余地というのはどんどん下がっていくと思います。そういう意味では、残り期間としては8月末までということで残り12ヶ月のうちの4ヶ月を使って考えるということなので、残りは8ヶ月ということになりますけれども、これまで1年4ヶ月研修をやってきて、数値では表しにくいですが、到達できるレベルというのは100だと、ここまでいったら復帰できるというのに対して、これまで1年かけてきたけども、20程度にしか達していないんだと、残り8ヶ月どれだけ頑張っても100に達することはないので、やむを得ずこういう判断をしましたというような判断経過を、数値で表すようなものではないのですが、確実な資料をもって、判断経過を経て判断されるということであれば、仮に争いになったとしてもこちらが違法だ無効だと言われる可能性は低いと思いますので、それに向けて残り1年は「あなた、1年は間違いなくあるという期間じゃないのですよ」ということを十分認識させながら、研修していただければいいかなと思います。 |
(委員) |
ありがとうございます。 |
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今後の研修に向けてというご意見もいただけているかと思います。私の方からは一点ですが、話題になっています資質の面で、教科を教えていく専門性とか、その他のところもあり、研修時間中の研修意欲については、指導を受けて取り組んでいるという部分と、自ら自覚していきましたら、チャレンジテストのこともありますし、研修時間は頑張ったらスキルが高まって、子ども理解が高まって行くという現状なのか、研修時間外でも努力して専門性を高めていくとか、研修の中では限られた時間ですので、そこで改善を図っていくっていう部分と、そのためにあの研修期間、現場を離れて、時間がありますので、研修につながるような、研修外の時間、この間自分の専門性を高めようとか、そのあたりこの方の様子を聞かせていただけたら、と思います。 |
(教育庁) |
非常に真面目に研修に取り組んでいますし、次の授業のための、例えば先ほどの課題を提示するようなのを作品であったり、そういう物も家で作ってきたりしています。研修時間だけではなく、家でもいろんなことを調べたり、インターネットで見たりということはやっているのですが、如何せん、少しポイントがずれたりして違うところの時間に割いているというのが現状です。 |
(委員) |
ありがとうございます。専門的な知識と合わせて、生徒にどう理解させるかという教材研究を含めた家庭での時間外の取り組みということが必要かと思うのですが、今、聞かせていただいていますと、やはり授業準備をして、どう授業していくかという、周りのカードの準備とかっていうご説明もありましたが、少し教材研究ということで、残りの期間を意識する中で、現場復帰できる状況なのかということを見極めていけるところがあるかなと思いますので、今後の研修のときに、そのあたりのところを本人にも意識していただき、研修外での準備の意欲と合わせて、どう中身が、生徒が困って、理解に苦しむのかなというようなところを合わせた自覚を図っていけるかどうかという点についても資質という点で観ていただけたらと思います。 |
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司会をしながら申し訳ありませんでした。この間の研修を含め、2年目に入りますので研修の方向性を含めてご意見いただけたと思います。そのことも含めまして、2年目に研修に入るということで、報告の中にも警告書ということもありましたが、自覚をさらに深めていくということで、方向も見定めながら、ご意見も参考にしていただいて取り組んでいただいたらと思います。 |
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それでは第1号議案につきましては、令和5年4月1日から令和5年8月31日まで指導改善研修を実施するということで、審議会としては、了承させていただいてよろしいでしょうか。 |