令和4年度 第3回「大阪府教員の資質向上審議会」議事録
令和5年3月16日(木)開催

1 議事
● 第1号議案 (大阪府東大阪市立■■中学校 A教諭)

(教育庁) それでは第1号議案、■■市立■■中学校のA教諭につきまして、当該教諭の状況、指導状況および対応方法についてご説明いたします。
前回の審議会において、皆様に当該教諭に関する事項、指導改善研修までの当該教諭の状況、令和4年3月22日から12月31日までの研修の状況について説明させていただいておりますので、いくつかピックアップしてご説明いたします。
まず、平成25年度から令和2年度までの状況についてですが、授業のやり方は、生徒とのやりとりがほとんどなく、教師が一方的に説明する教師主導の形の授業で、生徒への指示、発問が不明確であるため、生徒全体には浸透せず、生徒からの質問にも的確に答えることができない状態が続き、生徒との信頼関係を築くことが難しい状況でした。
令和3年度はこれまで教員評価支援チームによる学校訪問を行っても改善が進んでいない状況であったことから、支援チームの訪問を7回行いましたが、改善が見られず、令和4年3月22日より、指導改善研修を受けております。
次に、指導改善研修の状況についてですが、研修の目標としましては、
1、学習指導を適切に行うための生徒理解や指導方法を身につける。
2、生徒の視点に立って物事を考え、生徒を指導していく力を身につける。
3、現在の状況を自己認知し、課題について自ら分析し、改善していく力を身につける。
ということで研修を行っております。
令和4年3月から12月にかけて、模擬授業においては1問1答式の発問を行った際、「なぜそうなるのか」という根拠を生徒に考えさせることができずに学びを深化させる授業展開ができないである、とか、『水の合成』の模擬授業においては、めあてが「物質同士を結びつく変化について考える」でありましたが、いつ、誰が、何を、どうするのか、評価を明確に言うことができないなど、指導と評価がつながっていない、などの研修の課題について、当該教員に対して具体的に改善を指導するものの指導技術、指導計画、指導改善は依然として難しい状況でした。
現在の状況として、昨年11月から適切な説明をするスキルを身につけるため、新たに要約、要旨をまとめる研修を行っております。要約は朝日新聞の『天声人語』等のコラムを視写させ、それを200字程度にまとめる作業で、要旨は600字程度の文章、中学1年、2年生の国語読解問題集から選んだものを視写させ、それを30字程度にまとめる作業を実施しています。200字程度の要約の場合は、最初と最後の文書を読み取り、それをつなげると一定の形になるため、当該教諭はそれをパターン化し、文書を作っていました。要旨は30字程度なので、文章を熟読した後、使う言葉を吟味する必要があるため、要約するよりも高い文章構成力が求められます。これらの成果についてですが、当該教諭は、課題の文章が得意な分野であれば、内容について的外れにはならないのですが、苦手な分野の文章であれば、語句の選別も的確に行えず、内容の理解が浅い状況になっています。当該教諭はこの研修を通して、様々な場面での口頭説明にまとまりが見られるようになった場面もありますが、改善には至っておりません。
また、模擬授業の状況ですが、『生物の種類の多様性と進化』において、「腕」のことを「手」と何度も表現したり、系統樹の理解ができておらず、生徒から質問された際に、「最近の研究ではこうなります」と答えたり、『運動とエネルギー』の授業の1、2年の復習において、「質量と重さの違い」や「力のつり合いの2力の作用点は一致しなくて良いのか」などの教科書に掲載されているほどの基本的な質問に対して説明をうまくできず、あげくは「誰か補足説明できる人いますか」と生徒に尋ねることを授業内に何度もするなど、生徒からの質問に上手く対応できませんでした。また、単位の1hPaが100?であることを理解していないなど、理科の専門的な知識に欠けているところもあります。圧力の計算の仕方が理解できれば目標達成になる演習問題においては、本来なら難易度を考え、段階を踏んで進めるべきところを、初めの段階から、?をuに単位変換を求めさせており、考え方を複雑にして回答を求めさせるなど、スモールステップを考えた対応になっていないという状況でした。そのときの配布プリントは授業の直近で出来上がったと聞いておりますが、臨機応変な対応が望まれます。また、指導を受けて2回目の模擬授業に対応ができても、次に別の授業内容になると活かされないなど、汎用性がありません。模擬授業後に行う評価については、当該教諭の自己評価が高く、管理主事の評価と乖離があり、自身の課題に気づけていない状況でした。
現在も模擬授業等の取り組みを継続して実施しているところですが、成果が見られないことから、並行して理科の専門性の知識の状況および理科の説明能力の状況について調査を実施しました。理科の専門性の知識としては、今年度の3年生のチャレンジテストを実施しました。選択問題すべてを回答させ、140点満点で98点と7割の正答率でした。ちなみに生徒の正答率は平均約55%です。また、理科の説明能力に関しましては、チャレンジテストの解説を生徒に説明できるかということを実施しました。全ての回答を見ながら解説を求めましたが、結果、全体の約3割を正しく解説することができませんでした。今回、問題を解いてもらい、解説をしてもらったチャレンジテストにおいて気になった点としては、模擬授業で実施した箇所であるガスバーナーの使い方が間違っていたこと、また、記述で答える箇所が無回答であったことです。理科の教員としての説明の専門的能力にも課題があり、特に1分野の内容説明に課題がありました。研修の振り返りにおいては、指導員から指摘を受けた課題を記入しているだけで、自ら何が出来ていないのか、なぜ出来ないのか、どうしたら改善できるようになるのか、を自己認知することが出来ない状態です。
臨床心理士からの話では、本人としては「どうしたら良いのかわからない」状態である。「今のところ出来なくても、研修をやれば授業改善できる」と思っており、特性が理由で「自分ができない」という思いは持っていない。また、「1年をかけて研修を受けたのに改善が見られない状態であるが、教員としての適性について(自分で)考えることは、周りから気づかせないと難しい」とのことでした。「教員としての適性について、当該教諭に話をする場合は、まず当該教諭ができるところを見つけてあげて、それを活かすことができる場を紹介するような方法でないと難しい」との助言をいただきました。
校長の所見ですが「大きな改善は見られなかった。授業での工夫の中で新しいものを取り上げようとしたことは評価できるが、説明がずさんで企画倒れに終わっていた。理科の用語について曖昧でわかりにくく、授業中の質問に対して明快な説明ができていなかった。そのため理科の面白い部分、興味深い部分を伝えることができなかった」というコメントをもらっております。また、■■市教育委員会の所見としては「学習指導案作成に関して、本時の学習指導のねらいやポイントを1人で定めることができず、予想される生徒の反応を考え、書くことができないといった状況が改善されていない。生徒から質問があったとき、その意図を正確に捉えることができていないため、適切な回答が行えないなど、改善されていない。模擬授業では、生徒役が大人であるため授業が流れていくが、実際に生徒の前に立てば、指導案の内容を最後まで教えることができない状況である。授業のポイントが掴めていない中で授業を行っていることから、授業を振り返ることは非常に難しい。指導員等の指導がなければ次に活かす授業等の振り返りを行うことができない状況である。以上のことから指導改善研修の延長が必要であると考える。また、研修から1年が経過したが、依然として改善が見られないため、今後府教委と対応等について検討していきたい」というコメントをもらっております。
府教育委員会の対応としましては、当該教諭は、府教育庁教職員人事課の管理主事や府教育センター学校経営研究室の指導主事、指導員が指摘した課題の本質を十分理解できず、表層的な理解にとどまる。もしくは誤った理解をし、授業における指導技術、指導計画の課題改善が見られない。また、研修では継続して様々な課題について改善を促しているが、別単元になると再び同じ課題を指摘されるなど、今までの指導を活かすことができないことから、学校現場に復帰できるレベルまでには至らない。ついては、教育公務員特例法第25条第2項に基づき、令和5年8月31日まで研修を延長するとともに、通算1年を超えて研修を継続しているが、いまだに改善が進まないことから、当該教諭に対し課題改善が進まなければ分限免職の可能性がある旨の警告書を交付し、なおも改善が進まない場合は、教員としての資質の改善が見込めないと判断し、当該教諭に通告した上で他職検討等の能力実証を行い、能力が不十分な場合は、分限免職をする方向で検討を進めていくことを考えております。
次に、本人から意見書が提出されています。
A教諭は3つの課題、
1、授業で何を身に付けさせたいかイメージすることができない。
2、話にまとまりがなく、生徒への発問、指示、説明が伝わらない。
3、授業中に生徒の様子を捉えることができず、生徒から質問があったとき、その意図を正確に捉えることができない。
この3つを挙げて改善したいという意思を持っております。そういった面では研修については、意欲的に受けたいと意思を持っております。しかし、これらの課題については、指導員が指導の中で発言したことを記入しているだけで、現在の状況を自己認知しているとは思えない状況です。現在、授業演習等を通して改善を行っていこうとしておりますが、本来教員として持っているべき教科の専門的な知識の不足や相手の意図を理解する力の不足が見られるということがあり、さらなるスモールステップでの研修も実施している状況であります。
最後に、研修計画書をご覧ください。研修内容です。まず4月1日から5月14日までの研修ですが、目標としまして、
1、授業演習における改善すべき課題についての改善方法を考え、実践できるようにする。
2、生徒対応や生徒指導、また保護者対応について、自己の課題を自覚し、その上で、生徒、保護者の立場に立って対応できる力を身につける。
3、他者とのコミュニケーション能力を身につけるとともに、まとめる、話を聞く、伝える力を高める、理科の専門的な知識および説明力を高める。
です。
併せて、研修の中では、臨床心理士の先生もおられますので、臨床心理士の先生とA教諭との面談を通して、A教諭の困り感を共有しながら、また、どのように研修を進めていけば良いかということについて助言をいただきながら、ソーシャルスキルについても身につけさせたいと考えています。その上で、5月中旬を目処に、教職員人事課と教育センターで検討会を行い、研修が進んだ場合は、状況が良好ということで、授業演習を週2回程度のペースで行うなど、研修を進めていきたいと考えております。
説明は以上です。
(教育庁) 若干補足させていただきます。
A教諭の模擬授業については週1回、50分、元校長である相談員が生徒役となり、授業演習を行っています。その授業を行うために研修生が授業プランを作成し、それを指導員が指導しながら完成していく形をとっています。1月からは同じ授業を2回行っており、2週目は授業演習でいただいた様々な指導助言を基に練り直した授業を行っております。授業については、項目を書いた短冊を用意し、それを板書代わりに貼っていくという一定のスタイルができつつあります。しかしながら、このスタイルでは、短冊作成等に時間がかかり、内容の充実や精査に十分な時間が割けていない状況です。また研修生は授業準備として、授業内容の理解より短冊や小道具作りに時間をかけるなど、授業準備の軽重がよくわかっていない状況です。そのため教材研究、教材理解が浅く、想定している質問の範囲が狭い状況で授業に臨むので、生徒役から想定していない質問がくると、依然適切な対応ができていません。
また当該教諭は質問された際、その返答はいつも先に理由を長々と伝え、その後わかりにくい結論を述べています。本来なら質問に対して結論を述べ、その後、必要に応じて理由を述べるとわかりやすいのですが、当該教諭はその順序が逆になっている、そして質問した相手は、何を伝えられたかわからない状況となり、納得感が得られていない状況です。それが重なるので教諭への不信感が増していきます。そこで、先ほど申し上げた要約要旨(をまとめる)作業を行いました。
また、生徒理解を促すため、授業中に起こりうる生徒対応について、その事例も考えさせています。例えば、教科書を忘れた場合の生徒対応。これについては、当該教諭は授業前に「忘れた」と言いに来た生徒と、授業中に「忘れました」と言った生徒の違いをしっかりと理解しておらず、一律に「次から忘れないで」という注意に留まっています。本来なら生徒の訴えから周囲の状況を想像し、それぞれの状況の違いから対応を検討すべきでありますが、区別なく指導をしてしまいますので、きめ細かな生徒理解にはつながっていません。この指導では生徒の納得感が得られない状況です。
(委員) ありがとうございました。
それぞれ当該教諭の様子を含めてご報告いただきましたが、委員の皆様、何かご質問、ご意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
(委員) 一つ質問です。この方、意見書の中で「私には授業で何を身につけさせたいのか云々というふうなことに課題がある」とお書きになっていて、先ほどのご説明の中で「それは自己認知しているのではなくて、出てきたことをそのまま」というふうなことをおっしゃったのですが、ちょっと詳しく、その根拠のあたりを詳しく教えていただけますか。
(教育庁) 意見書もそうなのですが、日ごろの研修での振り返り、最後の1日の反省というところでも指導員から指摘された課題の内容はしっかりと書くのですが、それ以外の自らの課題であるとか、それに対する改善というような内容が見られないというところから、この意見書においても、そのような見解を示させてもらっています。
(委員) なるほど。ということは、指導された中身を理解していない、その言葉のまま普段から書かれるという、これもそうであると、そういうふうなことでしょうか。
(教育庁) そういうことになります。
(委員) ありがとうございます。
(委員) 他の委員の皆様、いかがでしょうか。
(委員) 教科の基本的な知識を書くというところも出てきましたが、7割の正答率、これは今年度の3年生の中学生チャレンジテストということで、中学理科の全範囲ということになっているかと思うのですが、一般に理科の先生だと、やったことがないとわからないかと思いますが、必ずしも満点とは限らないけれど、7割というのが、どの程度なのかというのをお聞きしたいです。
(教育庁) 当然、年によって点数は変化するのかと思いますが。私は理科の教員ですけれども、大体9割5分は取れました。これだけで知識の有無ということを判断するべきではないというふうに考えています。実際に解答を見て、しっかりと子ども達に解るような解説ができるかどうかというところが主かというふうに判断します。結果的に、それが知識であっても、解説であっても、結果的に7割程度しかしっかりと説明することができなかったということが、私どもとしては大きな課題であると考えているところです。
(委員) 点数云々というよりは、中身ですね。単純に知識がないだけなら、準備すればいいだけなのですが、お話の中でのガスバーナーを使い方にミスがあったとか、あるいは問題にあったかどうかは分からないですが、薬品の取り扱いとかですね。足したらどうなるかの計算結果を見せるのは、準備すればいい話なのですが。(ガスバーナーの)扱い方のミスっていうものは、どんな場合でもミスしてはいけない、準備する段階で自分がミスしても危ないですし、準備しないまま生徒にやらせてしまうと、生徒達が怪我をするということもありますので、絶対に間違えてはいけない部分というのは必ずあると思いますので、そのあたりについては重点的に指導される必要があるのかなと思いました。
(委員) ありがとうございます。
指導に関わりまして、安全面も含めたご指摘もいただけたかなと思います。
(委員) 報告ありがとうございました。
私も委員のお話と重なるところがあるのですが、当該教諭の課題の基本的なところとして、どれぐらい教科の基礎知識、そして授業の準備をして、授業にきちんと100で居れる(完璧な状態で授業の場に臨める)ように準備する力があるのかが大事かなと思いました。生徒に伝える、伝えない、伝え方以前に、まず知識がないと説明ができないですし、相手の質問の意図を理解する以前に、その答えが用意されていないといけないということがあると思いますので、まず知識が最初にあるかなと思いました。プラスアルファで、今、授業の演習で取組まれているような伝え方、要旨を伝えるであるとか、的確な部分の伝え方の工夫というのは、その上に乗っかってくるようなものかなというふうに思っています。
もう一つですが、これは課題になっていると思うのですが、ご自身の授業であるとか、ご自身の答え方について、何が伝わりにくいのか、あるいは何が曖昧なのかということについて、ご自身で気づくことが難しい方だということが、繰り返し、お話の中にありました。そうすると一つの工夫として、もう、されているかもしれませんが、例えば授業をビデオで撮って、その遣り取りを、自分の答えとその相手の遣り取りを外から(第三者的に)見るとかして、ここでコミュニケーションの行き違いが起こっている、ここで説明が過剰になっているとか、そういうことを自分で観察するようなことも一つかなというふうに思いました。それがいいのか、やってみないとわからないところがあるのですけれど、そうしていくことによって、自分の姿を外から見るっていうことが、ある程度できるかなというふうに思ったところです。
ただ、とても熱心で頑張りたいという気持ちを研修生は持っていますので、この方の、モチベーションを何とか生きる方向にというふうに思っているところではありますが、やはり教員としての資質というのは、生徒たちに関わってきますので、しっかり見ていく必要があるなというふうに思って、お聞きしていました。
(委員) ありがとうございます。
(委員) 意見という形にはなるのですが、前回の議事録も少し確認しながら、状況的にはあまり変わっていないのかなというふうに率直に感じています。委員として、こういう発言をして良いのかどうかもわかってないのですが、もう子ども達の前で授業をするということに向けて、というところは、少し難しくなってきているのではないかなと。それを、皆さんも感じておられるのではないかなという気がしています。この方の人生を考えたとき、これからのライフプランとか、お気持ちの面とか、もちろん慎重に対応しないといけませんし、そこを尊重することは大切なことだと思います。ただ、今日に至るまでの、模擬授業を期していただいたり、研修をしていただいたり、いろんな書類を作成していただいたり、その方と面談していただいたり、また、本日の会議も、これだけの皆さんに集まっていただいてやっている中で、それは大事なことなのですが、本当にそれが公平なことなのかということは、民間ではなかなか考えられないことですので、少し気になりながら、言い方を変えますと、私は一保護者としてこの審議会に出させていただいていますが、これだけの方が集まってこの時間を使えば、子ども達の教育のためにもっと違う前向きな議論が、もっと違うことを考えて、その時間を作れるのではないかな、もしくはこの方に関わっている方がやっぱり一生懸命に何とかしようというところでも、ソーシャルスキルの部分で限界があって、そういう方々の負担や、ストレスというか、そういうことが大きくなっていくとか、いろんなことを考えると、トータルのその時間、費用と比べたときに、本当にこのやり方が公平なことなのかということには疑問に感じつつあります。いろんな決まりがあり、ルールもあると思いますので、難しい面はあると思うのですけれども、この方のためにも気持ちを受けながらも、迅速に、円滑に退職検討、分限免職の方向にスピードを上げていくべきではないかなというふうに個人としては感じています。
失礼しました。
(委員) ご意見ありがとうございます。
(委員) 今のご意見をお聞きしていて、もう一つ質問なのですが、先ほどの意見書の前半の部分は指導してもらったことをそのままということだったのですが、私は後半の部分を読んで、まだ熱意を持っておられるのかと感じていたのですが、この部分も、もしかしたら指導していただいていることを踏まえてというか、この方ご自身は、どのぐらい現場復帰とか生徒を指導したい思いを持っておられるのか、ちょっと難しいかもわかりませんが、今、見ていてというところで教えていただけますでしょうか。
(教育庁) 私どもは模擬授業や、管理主事面談を常にさせてもらっています。その中で当該教諭と話をするとき、当該教諭はすごく謙虚に話を聞こうとしており、本当に前向きな姿勢があると感じています。それを数値で表すとかそういうことはすごく難しいのですが、常に与えられた課題に対して、嫌がらずにやろうとしている、本当に頑張ろうという姿勢が見えているから、管理主事は順番に当該教諭を観に行っているのですが、どの管理主事も意欲はある、とは感じてはいます。ただ、それが本当に形として、自分自身で、自己でちゃんと考えることができるかというとそこができていないというのが、全員の意見として出ているところから、そのように回答させてもらっています。
(委員) 分限とか他職とかを考えるという中で、そもそもこの制度というのが1年間は研修する、1年を終えて復帰できない状況であれば、最大もう1年は延長することがある、ということで、既に、この方については例外対応の方に進んでいるというところになります。必ずしも2年間の満期まで様子を見なければならないというわけではなくて、マックス2年の中で残りの期間と、これまでの研修成果等を考えて復帰できるレベルまで残りの時間では達しないという判断まで至れば、分限を検討していただくということは問題ないでしょう。仮にその分限や他職という処分が違法だ、というような争いになったとしても、これだけの記録をもって改善研修に努めてきたが、規定上はマックス2年であるけれども、2年に達する段階で学校に戻せると見込める余地がないという判断、それがきちんとした資料に基づく合理的な判断だということになれば、違法だ、無効だと言われる余地というのはどんどん下がっていくと思います。そういう意味では、残り期間としては8月末までということで残り12ヶ月のうちの4ヶ月を使って考えるということなので、残りは8ヶ月ということになりますけれども、これまで1年4ヶ月研修をやってきて、数値では表しにくいですが、到達できるレベルというのは100だと、ここまでいったら復帰できるというのに対して、これまで1年かけてきたけども、20程度にしか達していないんだと、残り8ヶ月どれだけ頑張っても100に達することはないので、やむを得ずこういう判断をしましたというような判断経過を、数値で表すようなものではないのですが、確実な資料をもって、判断経過を経て判断されるということであれば、仮に争いになったとしてもこちらが違法だ無効だと言われる可能性は低いと思いますので、それに向けて残り1年は「あなた、1年は間違いなくあるという期間じゃないのですよ」ということを十分認識させながら、研修していただければいいかなと思います。
(委員) ありがとうございます。
今後の研修に向けてというご意見もいただけているかと思います。私の方からは一点ですが、話題になっています資質の面で、教科を教えていく専門性とか、その他のところもあり、研修時間中の研修意欲については、指導を受けて取り組んでいるという部分と、自ら自覚していきましたら、チャレンジテストのこともありますし、研修時間は頑張ったらスキルが高まって、子ども理解が高まって行くという現状なのか、研修時間外でも努力して専門性を高めていくとか、研修の中では限られた時間ですので、そこで改善を図っていくっていう部分と、そのためにあの研修期間、現場を離れて、時間がありますので、研修につながるような、研修外の時間、この間自分の専門性を高めようとか、そのあたりこの方の様子を聞かせていただけたら、と思います。
(教育庁) 非常に真面目に研修に取り組んでいますし、次の授業のための、例えば先ほどの課題を提示するようなのを作品であったり、そういう物も家で作ってきたりしています。研修時間だけではなく、家でもいろんなことを調べたり、インターネットで見たりということはやっているのですが、如何せん、少しポイントがずれたりして違うところの時間に割いているというのが現状です。
(委員) ありがとうございます。専門的な知識と合わせて、生徒にどう理解させるかという教材研究を含めた家庭での時間外の取り組みということが必要かと思うのですが、今、聞かせていただいていますと、やはり授業準備をして、どう授業していくかという、周りのカードの準備とかっていうご説明もありましたが、少し教材研究ということで、残りの期間を意識する中で、現場復帰できる状況なのかということを見極めていけるところがあるかなと思いますので、今後の研修のときに、そのあたりのところを本人にも意識していただき、研修外での準備の意欲と合わせて、どう中身が、生徒が困って、理解に苦しむのかなというようなところを合わせた自覚を図っていけるかどうかという点についても資質という点で観ていただけたらと思います。
司会をしながら申し訳ありませんでした。この間の研修を含め、2年目に入りますので研修の方向性を含めてご意見いただけたと思います。そのことも含めまして、2年目に研修に入るということで、報告の中にも警告書ということもありましたが、自覚をさらに深めていくということで、方向も見定めながら、ご意見も参考にしていただいて取り組んでいただいたらと思います。
それでは第1号議案につきましては、令和5年4月1日から令和5年8月31日まで指導改善研修を実施するということで、審議会としては、了承させていただいてよろしいでしょうか。

【結果】令和5年4月1日から令和5年8月31日まで指導改善研修を実施することを了承する。


● 第2号議案 (大阪府立■■高等学校 B教諭)

(教育庁) それでは第2号議案、府立■■高等学校のB教諭につきまして、当該教員の状況、指導状況および対応方法のご説明をさせていただきます。
第1回の審議会におきまして今回の指導改善研修受講に至るまでの当該教諭の状況をお伝えいたしました。B教諭は平成26年度に生徒への体罰を行い、翌年度、平成27年度、1年間にわたり指導改善研修を受講しました。
この1度目の指導改善研修は、体罰の違法性について理解ができたことから1年間で研修を修了しましたが、研修を終えて現場復帰をした■■高校でも、その後赴任した現任校でも、授業で生徒に対して高圧的な指導を続け、生徒の気持ちに寄り添えない状況が繰り返されました。そのため今年度は計7回、教員評価支援チームによる学校訪問を行い指導してきましたが、改善が見られず、令和4年12月1日から指導改善研修を受けております。
現在の研修期間は令和4年12月1日から令和5年3月31日であり、研修目標は、
1、生徒の視点に立って物事を考え、生徒を指導していく力を身につける。
2、人権尊重の視点に立ち、自らの固定的な教育感を改善する力を身につける。
3、現在の状況を自己認知し、課題について自ら分析し、改善していく力を身に付ける。
としています。
次に、研修内容および方法についてです。
1、当該教諭に前回の指導改善研修で学んだことを振り返らせ、現在の生徒指導における問題点を認識させた上で、現在の当該教諭に不足している力を、課題作文で具体的に挙げさせる。その中では人権教育の観点や生徒理解の観点等を盛り込んで仕上げるよう指導しています。
2、当該教諭が課題作文で書いた内容を具体的に聞き取るために面談を行う。また指導員は聞き取った内容から、当該教諭の現状における課題をまとめる。課題や指導員等による面談等を通じて、生徒指導に対する考え方や指導方法等における当該教諭自身の課題を認識させる。
3、臨床心理士による助言を踏まえた指導により、ソーシャルスキルを身につけさせる。
として研修を開始しましたが、当該教諭は、令和4年12月19日から病気休暇を取得しております。理由や経緯につきましては後ほどご説明しますが、研修を受講しました実日数は10日間のみとなります。
その10日間の当該教諭の受講状況について説明します。まず、令和4年12月1日と12月2日についてです。研修初日の管理主事面談において、面談を行った管理主事に対して、当該教諭は横柄な態度をとり、研修受講に対する不満を表出しておりました。また、課題作文の中には「よくもまあ、やってくれるわ、府教委め」と記述するなど、感情の赴くまま書き記している、そういう状況でした。次に令和4年12月5日から12月7日までについてです。12月5日午後に実施した指導員との面談において、当該教諭は研修受講となったことに対して「悔しい。その悔しさを復讐に変えるつもりです」と述べるなど、真摯に研修に臨む姿勢が全く見受けられない状況でした。12月7日午前に実施した指導員との面談において当該教諭は指導員に対して「前回の指導改善研修中に良性突発性頭位性めまいという病気を発症し、今回研修命令を受け取ったときにまた症状が出た。12月17日に受診し、診断書を書いてもらい、12月19日から病気休暇を取得する。病気休暇の終期は、医師と相談する」と発言し、医師の診察を受けていない段階であるのに、医師から診断書を取って病気休暇を取得すると約10日前になりますが、事前予告をしていました。令和4年12月8日と12月9日の2日間については、もともと事前に申請をしていました年次休暇を取得しました。翌週の令和4年12月12日の当該教諭の課題作文の中に「府教委の連中、私の人間性は見ての通りである。具体的に書かせてどうしたいのだ。破廉恥極まる」という表現があったため、指導員から当該教諭に対して「感情の爆発をそのまま文章にしている」ということを指摘しましたが、当該教諭は「当たり前だ」と反論をしました。また、指導員から「他者の気持ちを考えて話すことも大切だ」と指導した際には、当該教諭は「そんなことは考えていられない。相手がどう受け止めるかは知らない」と発言するなど、研修を通じて改善しようとする姿勢が見受けられない状況でした。
当該教諭の課題を指導員が指摘していますが、その際の当該教諭は「総じてぞんざいで丁寧さに欠けていた。授業見学をせず、無理解な指導員との面談は脳神経に障るので金輪際御免こうむる」と課題作文に記載するなど、自身が指摘されたくないことを指摘してくる指導員に対しては敵対心を表出するという状況でした。令和4年12月13日から15日までの指導員との面談においては、当該教諭は「指導員は自身を認める言葉を言ってくれるが、管理主事は全否定している」と誤った認識で凝り固まった状態で、府教委への不平不満を述べるのみで自身の課題に正対することができていない状況でした。このように課題作文、面談ともに、自身の教育感の正当性の主張、昨今の教育現場における状況への批判を繰り返しておりました。
翌週から病気休暇に入ることになっておりましたので、病気休暇に入る直前の時点での当該教諭の状況を把握するために、令和4年12月16日に当該教諭にプレゼンテーションをさせました。そのプレゼンテーションで、当該教諭は指導員から助言された内容のうち、例えば、「幹と枝葉で言えば、幹とわからずとも、枝葉の方を変えればよいのだ」という趣旨の発言を指導員からしてもらったのですが、それを自分の都合のよいように解釈して、自分に置き換えて「自分は根本的なところを変える必要はない」と主張するなど、自分にとって都合のよい部分のみを述べ、自身の正当性を主張していました。
そして翌週の令和4年12月19日から令和5年3月16日、本日まで病気休暇を取得し、現在に至っております。病気休暇の診断名は良性発作性頭位めまい症で、校長が当該教諭に対して病状把握をするために主治医面談を設定するように促したのですが、当該教諭はそれを拒否しました。
次に校長の所見です。校長が複数回にわたり当該教諭に電話をかけ、その都度、本人の体調などの状況を確認しています。いずれも「体調は悪くない」とのことです。当該教諭は令和4年3月11日に病院を受診し、令和4年3月17日から就労可能と診断されたため、明日から研修に復帰する予定です。また、主治医面談について、校長から複数回打診しましたが、当該教諭からは同意を得ることができなかったとのことです。
また、意見書につきましては、病気休暇中ではあるけれども、自身の意見を伝える機会であるとして3月2日に様式送付を校長から電話にて伝えたが「今のところ書く意思はない」という返答であったとのことで、3月9日にまた電話で再度「意見書を書く意思はないのか」と問うたが、「その考えに変わりはない」という回答であったとのことです。校長の所見としては、電話での応答などを勘案すると、病気休暇から復帰の際は研修継続可能と考えるとのことです。
次に教育委員会の対応です。1度目の指導改善研修、平成27年度の研修では授業スタイルは変えないと主張していたものの、体罰の違法性については理解できたことから、研修終了としましたが、研修後も生徒に対して高圧的な指導で生徒の気持ちに寄り添えない状況が繰り返されたことから、当該教諭に対して記載した1、2、3、の力を身につけさせることを目標に、令和4年12月より2度目の指導改善研修を開始しましたが、当該教諭は実日数10日の研修受講後、病気休暇を取得し現在に至っています。研修受講中の当該教諭は一貫して府教育委員会への不満を持ち続け、研修受講に納得せず、持論を展開していました。また、当該教諭の課題を指摘する指導員に対して不満を表明し、真摯な態度で研修に臨んでいる状況ではありません。現在、本日まで病気休暇中でありますが、病気休暇明け、研修復帰の明日3月17日には府教育庁職員が当該教諭と面談を行い、研修を受講する姿勢等について再度確認をいたします。
なお、当該教諭は再任用職員でございまして、任期が令和5年3月31日までとなっております。そのため、引き続き、令和5年4月1日以降も再任用職員として任用することとなった場合、現状では学校復帰ができるレベルまで改善していないため、指導改善研修を継続して実施することとし、再任用職員として任用しない場合は令和5年3月31日をもって研修を終了することとします。
従いまして、府教育委員会の原案といたしましては、令和5年4月1日以降引き続き再任用職員として任用した場合は、令和5年4月1日から令和5年8月31日まで指導改善研修を実施することとする、としまして、令和5年4月1日以降再任用職員として任用しない場合は、今月末をもって指導改善研修を終了する、とさせていただきます。
次に研修計画書をご覧ください。右上にも記載していますように、こちらは当該教諭が令和5年4月1日以降も引き続き再任用をされた場合の研修計画を記載しています。当該教諭は昨年12月から実質10日間しか研修を受講しておりませんので、今回お示ししている研修計画の内容は、第1回の審議会でお示しした令和4年12月から令和5年3月までの計画と同じ内容で立てています。詳細につきましては、前回の審議会において説明していますのでここでは割愛させていただきます。
(教育庁) この方は平成27年に指導改善研修、体罰ということですが、そのときに授業の指導感も確認しています。本人の発言の中で「私は目の前の生徒を大事にしようという思いしか持っていない。質の高い生徒や保護者からは支援をしていただいている。教科指導においては、合格基準を変えることなく、努力を続けさせる中で、褒めるのではなく、徐々に上達している部分をしっかりと伝えてモチベーションを下げないようにしている」と。これに対して3名の指導員が当時、「生徒に発破をかける言葉は同じであっても、生徒の取り方によっては、やる気をなくして投げ出してしまうか、やる気を出して良い結果を出すか、大きな差が出る。指導する教師は根気、寛容の姿勢で後者のように生徒を導かなければならない」と。研修の成果を尋ねると、「体罰や暴言は二度としないけど、生徒を叱責することはやめない」と。「研修生が書道教育にプライドを持ち、高いレベルを要求したい気持ちは理解できるが、全員を書家にすることが目的ではない。しかし書家をめざす者や書道に開眼し、書道の道を歩みたいと考える生徒がいないとは限らないので、授業目標は高く設定しても良いが、そうでない生徒が圧倒的多数である場合は、書道の楽しさや鑑賞する力等を身につけ、感性を高めるサブ目標を持つことも大事だ。書道を指導するにあたり、高い目標を持つことに差し支えはないが、上限と下限をしっかり持ち、合格ラインをいたずらに高くすることは問題である」というような指摘をしております。
一方12月に入って、研修命令を受けたことについて、その考えを本人に書かせたところ、「今年の1年生は定員割れの影響で、こちらの頭を抱え込ますほど酷さである。学力以外の力がとんでもなく低い。生徒の面倒をみなくて済む。私の指導を理解せずに文句言う保護者の対応から解放される。煩わしい観点評価から解放される。授業見学に来た指導員に会える。私が消えたことをほくそ笑んでいる生徒の相手をする気はない。最も悔しいのは、授業の途中放棄であること」と述べています。次の日、「府教委は私の本質の部分に踏み込もうとしている。そもそも人間の本質を改善やら変革できるなど、神か仏か宗教家しかできないことである。それをできると思っていること自体思い上がりである」と述べています。
12月13日に室長面談で、「研修命令を受けてのプレゼンテーションを10分の枠でしてください」というふうに伝えたのですが、本人は「まだ研修が始まったばかりで変りようもない」と、プレゼンテーションは2分で終わりました。内容は、「私は教育の本質に反することをしたわけではない。ですから、私の本質、根幹を改善する必要はないのです。パーツ、すなわち仕様の部分だけ変容可能であるということが、指導員の面談でわかった」というふうに述べていまして、なかなか本人(自身が)変わろうという意思が見られない状況で、非常に研修に時間がかかるというような状況です。以上です。
(委員) ありがとうございました。
それでは委員の皆様、何かご質問ご意見がありましたら、よろしくお願いいたします。
(委員) そもそもこの方は再任用期間であるという大前提があると思います。知識不足で教えていただきたいのですが、再任用というのは雇用主側、大阪府から残ってほしい、本人も残りたい、お互いの承諾があっての再任用契約かなと思っていましたので、雇用される側に再任用に対してどういう権利が発生するのかは理解はできてないのですが、今の報告を聞くと、再任用を決定するのは別の部署かもしれませんが、なぜ令和5年4月以降を再任用として任用した場合の指導改善研修の内容などの議論をする必要があるのかが理解ができなくて、この状況で令和5年3月31日をもって再任用しないというご報告の形ではなぜ駄目なのかというところが理解できませんので教えていただければありがたいです。
(教育庁) 今、委員からおっしゃっていただきました再任用の可否については、別の会議での審議になるのですが、この審議会の場でお諮りいただく場合、改善研修が継続なのかあるいはもう分限に向かっていくのかということになりますので、どうしても原案のお示しとしてはこの二つという形になってしまいます。ただ、本当におっしゃっていただいているこの状況でということは重々理解をしております。
(委員) すべきことであれば仕方ないかなというふうに思いますが、私の個人の意見としては、3月31日をもって研修が終了する方向になったらいいというふうに思いますし、明日面談されて復帰されたら、どっちにしても3月31日までは、再任用の可否に関わらず研修を続ける、再任用しないとしても、ということになるわけですね。で、その内容を議論するということになる、で、今必要なのかなとは感じますが、指導の内容については一任させていただけたらいいかなと思っています。以上です。
(委員) ご質問、ご意見ありがとうございます。
(教育庁) 補足させていただきます。
明日の面談の様子につきましては、もちろん再任用の会議の方にも一つの情報として情報共有しまして、それも踏まえた上での会議になるかとは考えております。
(委員) 明日、お会いになる予定だと思うのですが、一つの可能性として、体調不良が続き、もう一度診断書が提出されるという可能性もゼロではないと思うのですけれども、その場合の判断はどういう形になるのか、もし方向性がわかれば。
(教育庁) 体調の面のことかと思うのですが、当該教諭は今回の研修だけでなくて、過去の研修のこともありますので、もちろん診断書が出てきたとしても、前の研修を踏まえてのこれまでの状況という形で報告しますので、再任用の会議で判断いただくことになると考えています。おっしゃる通り診断書が出てきた場合は、それについて検討はさせていただきます。また、ご報告させていただきます。
(委員) ありがとうございます。委員の皆様いかがでしょうか。
(委員) 感想、意見だけですが。この方のおっしゃっていることで、「本質は変わらない」いう点だけは「そうやなあ」というふうに思ってお聞きしていました。子どもに対する見方というのがすごく問題やだと私は感じました。子どもよりも自分の方がすごく大事で、(B教諭の)子ども像というのが、一定のできる子どもだけを考えているという点がすごく問題だと感じたのと、何よりも感情のコントロールができないという点が、例え体罰がいけないということを理性的に文章から理解したとしても、これだけ感情のコントロールができていないと、また現場に行ったときにカァーしたときには、きっとそういう行為も出てくるのかなという、まさにこのおっしゃっていることが根拠になるような、そんなイメージでお聞きをしていました。ですので、決定は他の場でということがあるでしょうが、そのことに非常に問題を感じたので。ここまで何で強気なのだろうということも思いましたが、非常にそのあたりは問題だなというふうに感じました。以上です。
(委員) ありがとうございます。いかがでしょうか。
(委員) 再任用のことで、もう今月半分終わっていますが、いつ結論出るのですかね。
(教育庁) 会議がまた今後予定されていますので。
(委員) もちろん部署ではないので、具体的な日時はわかんないとは思いますが。公務員の場合はどうなのかわかんないですが、再任用しませんという通知がそんな直前になっていいのかなということが、若干気になるところでありますので。この部署は関係ないところではありますけれども、気をつけていただければと思います。
(教育庁) ありがとうございます。関係なくはないと理解していますので、直近の会議で報告をさせていただきます。
(委員) ありがとうございます。いかがでしょうか。
(委員) 私も、今、委員の先生がたに出していただいた意見と本当に重なるのですが、書道を教員として子どもに指導する中で、子どもの経験であるとか、あるいは書道を通して書道の教科の達成だけではなくて、それを通して学んでいく子どもたちを増やしたいとか、そういった教員として子どもに関わりたいというお気持ちがどれぐらいあるのかなということは、この報告の内容で、非常に何とも言えない気持ちになったというのが正直なところです。
あとは、委員からもお話がありましたが、こういう会議の場面で、なかなか普段使わないような言葉を記録に書いてしまうというような「復讐に変えるつもりです」とかなかなか激しい文言もあり、やはりその辺りも先生(教員)としてどうかなということを感じたというのが、これは感想にはなりますが、ありました。以上です。
(委員) ありがとうございます。教員としての資質のメインに関わるところの感想ご意見をいただけたかと思います。重なりましても、違う観点からでも結構ですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
資質に関わる部分その他含めて、ご意見、ご感想もいただけたかと思います。
それでは、第2号議案につきましては、事務局からご提案いただいていますが、令和5年4月以降も引き続き再任用となった場合は、令和5年4月1日より令和5年8月31日まで指導改善研修を実施するということを、今後令和5年3月末をもって再任用が終わる場合は令和5年3月31日で研修を終了するということで、審議会として了承してよろしいでしょうか。

【結果】再任用可となった場合 令和5年4月1日から令和5年8月31日まで指導改善研修を実施すること
    再任用が否となった場合 令和5年3月31日をもって研修を修了することを了承する。


2 報告
● 大阪府立■■高等学校 ■■■■教諭

 現在、係争中のため、非公開です。判決をお待ちください。


● 大阪府立■■高等学校 C教諭

(教育庁) 続きまして、1月1日より指導改善研修に入っています府立■■高等学校C教諭について状況を報告します。
12月末までは資質向上研修を行い、非違行為を二度と起こさないための研修をしてきました。12月26日に指導改善研修に入る旨の研修命令を手交しました。その際には研修命令の読み上げも中断して手交を担当した管理主事に対して「指導改善研修に入るということは、当初は聞いていなかった。話が違う。最長2年という期限がある研修に入れて、僕をクビにするつもりか」というかなり強い反発が見られました。指導改善研修は模擬授業を通した授業に関する課題に取り組ませていくのですが、まず所外研修として府立学校で現在行われている授業の見学を行いました。1月16日、23日の2回、教育センター附属高等学校において指導教諭の授業を見学させました。その後、自分自身の模擬授業の準備に取りかかるように指示しました。最初に見た授業が指導教諭の授業だったということでプレッシャーだったのかもしれませんが「授業ができないことで駄目だという判断をしてやめさせようとしているのではないか。7年間も授業をしていない自分にいきなり授業をさせるのはおかしい。理不尽である。一つ一つ丁寧に教えてもらわないとできるわけがない」など不満や不安を管理主事や指導員等にぶつける様子も見られました。現場に戻るためには授業ができるようにならないといけないということは一定本人も理解しているようでしたが、かなり不安があったようで、声を荒げて怒り出す場面もありました。
その後、管理主事面談、学校経営研究室長の面談や指導員との面談で、スモールステップで進めていくにしても、まず授業をしてみて、現在の状況を確認し、課題を明らかにしないことには進めていけない、C教諭自身も授業のイメージを取り戻さねばならない、ということについて時間をかけて説明し、一定納得して授業準備に取りかかることができるようになりました。
まず1月31日に第1回目の模擬授業を行いました。準備段階ではいろいろ不満や不安を述べていましが、授業演習後の振返りの面談等では「授業のペース配分や説明がうまくいかなかった。準備してきたものが完全に自分の中に落とし込めていなかった」といった自分の授業の振返りを述べたり、「ただ、授業ができてほっとした」という感想を述べたり、「課題をたくさん指摘してもらったので、参考にして次に向かいた」というような発言が見られ、今後の取組みに意識が向いた様子も見られました。その後も1週間に1回のペースで授業演習を取り入れる予定で進めようとしておりましたが、授業準備が間に合わないということで延期になることもあり、結局は2週間に1度のペースで、2月14日、2月28日、3月14日と今まで計4回の授業演習を実施しました。
C教諭は、先ほども申しましたように、授業の準備がうまく進まず不安なときや自分が追い詰められたと感じるような場合に、すごく感情的になり、強い口調で不満を表したり、高圧的、威圧的に怒り出すような様子が見られました。自分自身で自分の感情をコントロールするスキルが今後は必要になるという課題が明らかなってきました。今後も日々の面談等通して授業作り、生徒理解、教員として現場に戻るために必要な資質能力についての研修を継続していく予定ですが、そのような感情のコントロール等についても考えさせていきたいと考えています。また状況を見て授業演習の頻度も高めていく予定です。