令和4年度 第2回「大阪府教員の資質向上審議会」議事録
令和4年12月19日(月)開催

1 議事
● 第1号議案 (大阪府■■市立■■中学校 A教諭)

(教育庁) A教諭は平成25年4月に大阪府に採用され、今年10年目です。初任の■■市立■■中学校に4年間勤務し、平成29年度から現在の所属校である■■中学校で勤務し、現在6年目、年齢は35歳です。経歴については令和3年度第1回の審議会でご説明しておりますので、ここでは割愛いたします。次に、指導改善研修までのA教諭の状況についてですが、こちらも昨年度の第1回審議会でご説明しておりますので、いくつかピックアップしてご説明いたします。
まず、平成25年度から令和2年度までの状況についてですが、授業のやり方は、生徒とのやりとりがほとんどなく、教師が一方的に説明する教師主導の形の授業で、生徒への指示、発問が不明確であるため、生徒全体には浸透せず、生徒からの質問にも的確に答えない状態が続き、生徒との信頼関係を築くことが難しい状況でした。平成29年度に現任校へ異動した後も、A教諭の目の前で生徒同士がトラブルになったときも、A教諭はその生徒に対して、指導が行うことができない状況でした。また、生徒が頭をぶつけて怪我をすることがありましたが、怪我の状況等について、保護者へきちんと説明することができず、保護者がA教諭に対して不信感を抱くということがありました。
令和元年度に■■市教育委員会が府教育委員会に「指導が不適切であると思われる教員」として報告し、府教育委員会は教員評価支援チームによる学校訪問を行いました。令和3年度は、これまで教員評価支援チームによる学校訪問を行っても改善が進んでいない状況であったことから、最終的に指導改善研修に入れることも視野に入れながら、支援チームの訪問を7回行いました。授業では生徒に褒める言葉をかけるものの、なぜ、その生徒を褒めるのかということをA教諭は全く考えておらず、ただ褒める言葉をかけるだけであり、生徒も褒められる理由が全くわからない状況が見受けられました。
机間指導においては、A教諭はただ机の間を回っているだけで、個々の生徒の状況をきちんと見て、どこができているか、できていないか、そういうことを押さえて指導することができないなど、基本的なスキルが備わっていない状況でした。
次に、指導改善研修の状況についてご説明いたします。研修の目的としては、(1)学習指導を適切に行うための生徒理解や指導方法を身につける、(2)生徒の視点に立って物事を考え、生徒指導していく力を身につける(3)現在の状況を自己認知し、課題について自ら分析し、改善していく力を身につける、ということで研修を行っています。令和4年3月から7月での研修の状況については、まず、@生徒にじっくりと考えさせ的確な説明を行う能力、A発問に対し適切な答えを相手に伝える力、B理科に関する知識を深める。C生徒指導をひとりで行えるようにする、D授業で生徒との対話の量を増やす、の5つの資質を向上する目標を立て、模擬授業を週1回ペースで実施しました。模擬授業では、「給湯(きゅうとう)」を「きゅうゆ」と読むなど正確さに欠く発言や「水蒸気は目に見えないので気体、湯気は目に見えるので液体」という違いを説明できないなど、知識不足が散見されました。演示実験では、炭酸水素ナトリウムを加熱して炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素ができる実験をしましたが、炭酸水素ナトリウムは水に少し溶ける性質に対し、炭酸ナトリウムは水によく溶ける性質ですが、A教諭は炭酸水素ナトリウムを完全に反応させない状態で加熱を止めたため、反応後の物質に水を入れてもそれが溶け残り、正確な実験結果が得られることができなかったなど、理科の専門的な知識が不足している状況も見られました。
また、令和4年8月から12月までの研修について、水の合成に関する授業内容で、めあてが「物質同士が結びつく変化について考える」というものでしたが、例えば、授業プリントで、めあてを「原子モデルを使って表し、反応の前後で、物質の原子の種類や数に変化がないことを説明できる」と掲げていましたが、そのめあての達成状況を見取るためには、生徒達のどの場面において、どのような方法をもって評価するのかをA教諭に確認しましたが、本人は明確に説明することができませんでした。電気の単元では、家庭のコンセントは電気回路が並列につながれていますが、A教諭はそのことを知りませんでした。他に、手作りの抵抗器を作成する際、かまぼこ板に釘を2本打ち付けて、その間に抵抗器を固定させますが、A教諭は板の見栄えをよくするために、かまぼこ板にアルミ箔を貼りました。かまぼこ板は木でできていますので電気を通さない、つまり、抵抗器以外の他のところに電気が流れないように工夫をしますが、A教諭は電気を通す物質であるアルミ箔を貼ったため、電流が抵抗器を通らず、アルミ箔の方へ流れてしまい、抵抗器に電気を通した実験ができませんでした。A教諭は実験がうまくいかなかった原因を自身で突き止めることができず、指導員等から指摘を受けてから修正を行うなど、理科に関する専門的な知識が不十分でした。さらに、スモールステップで進めていた授業において、授業の終盤に差し掛かってから急に内容を難しくしたり、進度を早めたり、生徒が授業で理解するための手助けをしないなど、生徒の状況を理解した授業の進め方ができていないことが散見されました。
校長からは、「A教諭は生徒の発言を膨らませて回答に持っていくような生徒とのやりとりが見られなかった。実験結果の回答の文言に合わないと他の生徒を指名するなど、不自然さが見受けられた。授業の最後に難しい内容が配置され、めあてが何だったのかわからなくなるなど、生徒が興味を持てる授業になっていない」という所見が出ています。また、■■市教育委員会からは、1つめに教科指導における専門性、2つめに教科指導における教授方法。3つめに生徒指導の3点を挙げており、改善されていないという所見が出ています。
府教育委員会の対応としては、研修課題について改善点は指導するものの、依然として難しい状況であることから、令和5年1月1日より3月31日までの研修を継続して実施することを考えております。また、A教諭に対し、今後はスモールステップによる授業演習と研修を行うだけでなく、授業演習ごとに改善が進んだ部分、改善が進まない部分などの評価を積み重ね、確認し、対応していく方向で進めていきたいと考えています。また、この期間を通して、令和5年4月1日以降の研修延長、あるいは研修中の他職検討や分限処分等も視野に入れた対応を含め、検討していきたいと考えております。A教諭からの意見書ですが、A教諭は4つの課題、@生徒理解や気づきに沿った授業ができない、A短い言葉で端的に説明できない、B焦ると早口となり、ごり押しの説明になる、C相手に指摘されるまで、自分の間違いに気付かない、を挙げ、それらを改善したいという意思を持っており、意欲的に研修を受講したいと思っていますが、その一方で、以前に指摘された課題で改善を促してきたにも係らず、再び、同じ課題を指摘されるなど、今までの指導が活かされていない状況です。A教諭は意見書に自身の課題を列挙して書いていますが、指導員等から指摘された言葉だけがインプットされ、その指摘がどのようなことを意味することなのかを自分自身で理解するのが非常に厳しい状況であります。授業について困り感があり何とかしたいという思いはありますが、切迫感や焦りなどはないように感じられます。
最後に、研修計画書に記載している研修内容についてです。まず、1月1日から2月14日までの研修では目標として、(1)授業演習における改善すべき課題についての改善方法を考え、実践できるようにする、(2)生徒対応や生徒指導、また保護者対応について、自己の課題を自覚し、その上で、生徒・保護者の立場に立って対応できる力を身につける、(3)他者とのコミュニケーション能力を身につけると共にまとめる、話を聞く、伝える力を高めることを行っていきたい、以上3点を考えております。あわせて、研修では臨床心理士がいますので、臨床心理士とA教諭との面談を通してA教諭の困り感を共有しながら、どのように研修を進めていけばよいか、助言をいただきながらソーシャルスキルについても身に付けさせたいと考えています。その上で、2月中旬をめどに、教職員人事課と教育センターで検討会を行い、改善が見られない場合は、先ほど申し上げました研修を繰り返し実施し、研修が進んだ場合は、状況が良好と判断した場合に記載しています、週2回程度のペースで授業演習を行うなど、研修を進めていきたいと考えております。なお、3月末になっても改善されない場合は、A教諭に「警告書」を交付した上で、教育公務員特例法第25条の2に基づき、「指導の改善が不十分で、なお、児童等に対する指導を適切に行うことができないと認める教諭」として免職、その他、必要な措置を講ずることも視野に検討していきたいと考えています。
続いて、教育センターより研修状況の補足を行います。A教諭は、週1回の研修で指導員や所属校の校長、■■市教育委員会の担当者、教職員人事課の管理主事に対して50分の模擬授業を行ってきました。その授業の指導案づくりを通して、授業の組み立て方や生徒への発問等を考えさせることを行ってきました。A教諭は研修に前向きに受講しておりますが、今回の意見書にもあるように、自己の課題を4点挙げています。ここでは4点だけですが、本人が作成する日報には10点挙げたこともあり、指摘されたことについては反省を口にするものの、何度も同じ失敗を起こしてしまいます。A教諭の課題の1つは、1時間の授業で伝える内容において、その強弱がうまくはかれないことです。そのため、授業に抑揚がつきにくく、説明においても唐突でわかりにくいものとなっております。研修当初の授業は、板書計画も十分に練られておらず、縦横がバラバラで書いては消す状況でありました。効率的な見せ方を指導する中で、一定、板書計画についてはできるようになってきました。化学変化や電気抵抗の領域で、実験結果から考えさせる単元がありましたが、A教諭は学校在籍当時には、授業でほとんど実験を行ったことがなく、授業前の予備実験の必要性も知らない状況で、授業当日に初めて実験を行うこともありました。そのため、生徒が抱く疑問にはうまく対応することができないこと、実験結果が予期していたものと違ったことにより、実験の考察がうまくできない状況も多々ありました。また、A教諭は授業プリントを作成していますが、発問がA教諭の中ではつながっているのですが、数か所において主語述語のねじれなどがあり、発問の意図が非常にわかりにくい状況で、それが繰り返されることによって、生徒の意欲が低下していくこともありました。模擬授業では、指導員が生徒役になって質問しますが、その質問の意図がわからず、誤った解釈をして、質問者が聞きたいことと違う内容を説明してしまうこともあります。現在は授業のスキルだけでなく、生徒理解に向けて、文章の要約作業の練習のため、小学校6年生の全国学力・学習状況調査の要約問題や新聞の要約にも取り組ませております。学習状況の要約は、1600字程度の文章を条件にあわせて書くものですが、おおよそその内容は理解していますが、求められた条件で答えることができず、どの問題も正解することには至っておりません。本文を読み、内容を理解し、内容を要約して、条件に合った考え方をする何段階もの思考を必要とする問いには対応できていない状況であります。また、新聞の要約作業は、およその内容は理解していますが、中身の内容より自分の興味のあることを詳しく書く傾向が強く出ています。例えば、400字の本文を110字程度で要約するように指示をしましたが、前半部分は本文を抜き出して長く書いてしまい、後半部分に結論を書くことができなくなってしまう、見通しの甘さが要約にも影響している状況です。説明は以上です。
(委員) それでは、第1号議案につきまして、委員の方々で何かご質問ご意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
(委員) 2点教えてください。困り感と話をされていましたが、現時点でこの方の、例えば、こういう困り感があるので、こういう手立てをしたということが、もしありましたら教えてください。
それが1点目です。もう1点は、非常にできないことがたくさんある印象ですが、教師として続けていくに依拠するような、この方のよい点がもしありましたら、教えてください。
(教育庁) 困り感ですが、先ほど申し上げたとおり、内容の強弱がわかりにくいので何が言いたいのか、しっかりと順序立てて説明することを再三指導しております。それに対して、順序立ててはできますが、今度はそれに集中することで中身が伴ってこない、指示がたくさんになると、新しい指示が入らない状況です。この方のよい点ですが、非常に研修には前向きに受講していますし、人柄的には非常に優しい、攻撃的な性格でもなく、非常に優しく、言われたことに対してしっかり反省というか、自己理解をしようとしています。
(委員) 教師を続けたいというか、そういう思いは持っているという状況ですね。ありがとうございました。
(委員) その他に何かありますか。
(委員) まず、前提として確認をしたいのは、模擬授業ではない場合の生徒を前にした本授業の場合、例えば、あまりうまくいかなかった授業として、結果、残っているような報告だったかと思いますが、その場合、子どもたちの学びの保障といいますか、同じような内容を、より理解を深めるような授業を別で行うような形になっているのか、もしくは、その授業のときに、他の指導員の方がフォローすることで、子どもたちの学びを保障されているのか、お聞きします。
(教育庁) センターの研修では、実際の生徒はいません。指導員(元校長)が生徒役となっておりますので授業のフォローだけです。
(委員) この研修の状況、例えば、令和4年3月から令和4年7月にかけての授業で、一問一答方式の発問が多いとか、このようなことは、あくまで模擬授業の中での話ということですね。子どもたちに対しての授業はやっていないということもわかりました。それでは、質問をしますが、研修状況の中で5つの目標を立てたということでしたが、先ほどの質問と少し重なるところがあると思いますが、具体的にその5つのうち、この点に関しては、少し目標に近づけたとか、改善の兆しが見えたという部分があるのか、教えてください。
(教育庁) 現状は、すごく厳しい状況です。私たちが授業の様子を見ている限り、一番顕著に成果として出ているのは、板書の作成での強調です。研修当初は、単色、白色チョークのみで、メモのような板書を書いていましたが、研修を続けるうちに、配布している授業プリントとできるだけ整合させ、強調するときのチョークの色を使い分けるなど、少し成果が見えたところはあります。スキルといいますか、How To的なところでは少し進歩があったかと思います。ただ、子どもを見立てて、子どもの理解の様子や、この部分で子どもがつまずくのではないかと想定し、理解して授業を組み立てるところで、なかなか成果が表れないのが、現在のA教諭の大きな課題であると思っています。
(委員) 前回も課題があったと思いますが、今後、実際子どもたちの前に戻って授業をするときに、子どもたちを褒めても、どう褒めているか、子どもたちの気持ちがわかりにくいとか、子どもたちが今後どのような学びをして成長し、どのような対応をしていけばよいのかなど、見通しが立てにくいところの解消に関しては、かなり難しいのではないかと現時点では感じます。研修状況や今後の研修計画の中にもありますが、そのような場合に、臨床心理士による助言を踏まえた基本的なソーシャルスキルを身につけさせるところが、現在も今後もあると思います。
ただ、研修状況のところで、臨床心理士にどのようなアドバイスをもらって、どのようなことを行って、それに対して改善の兆しがどうであったかの記載があまりなかったかと思います。
そこが今後ポイントになるのではないかと思います。それについて、何か補足がありましたら、お願いします。
(教育庁) 臨床心理士によると、A教諭はマルチタスクに弱く、多くの情報のつながりや蓄積をすることが難しいと聞いております。例えば、「おはよう」と挨拶した後に、本来ならば相手から元気な挨拶が返ってくる、「元気やね」「何かいいことでもあったんか」という声掛けであるとか、逆に相手が元気でない挨拶の場合は「どうしたん、何かあったんか」みたいな形で心配の声掛けをするかと思いますが、A教諭に関しては、その挨拶の後にどうすればよいかがわからないと聞いています。本人の中では、やり方、そのHow To的な部分がわかればできると思っている傾向があるとのアドバイスを臨床心理士から受けました。実際、それを象徴しているのが、模擬授業での指導員の質問に対して、どのような質問に対しても、A教諭の返答は決まって「いい質問ですね」と回答します。また、発問の難しさに関わらず、板書で写したものを答えるような質問にしても、少し思考を使うような回答の仕方にしても、A教諭の返答は決まって「いい質問ですね」と回答します。また、発問の難易度に関わらず「よくできました」と褒める言葉をかけるなど、一つの言葉、言い換えると一つの型に依存して、体験としての言葉が獲得できていないなど、A教諭の実態について臨床心理士からアドバイスを受けています。A教諭は、上手く改善できていないことは悩んでいますが、やはり見える形で本人の特性、できないという部分を気づかせながら、臨床心理士としても、今後どのような職業が向いているかなどを視野に入れて考えていく手助けが必要ではないかということを話していました。一番本人の中で大きなことは本能的な能力として、努力として、改善が難しい部分がそれであることを今後も本人に気づかせていく必要があるとの助言をもらっています。
(委員) ありがとうございました。よくわかりました。知識やノウハウを身につけることと、ソーシャルスキルの部分は全く別のところがあるのではないかと感じておりますし、その部分を決して責めるつもりも、そこを無理矢理ということも難しいと思うので、その方が持っている課題を少しずつ把握して前に進めながらも、他職検討や分限処分等も視野に入れて次の研修計画を進めていくということですので、状況的には非常によく理解ができました。
(委員) お願いします。
(委員) 今のところと関係しますが、意見です。これから先、この方が研修を終えてどのようになるかはさておき、どちらにしても、お聞きしていると、適切に生徒を、例えば評価できない、言葉が一律のものしか出てこない、というのは、逆に、この方は今まで適切に評価されたこともないのかな、との印象を持ちました。後半の研修の中で色々なことがあると思いますが、よい点であるとか、ここはこうした方がよいということをご指導してくださる方がしっかり言語にして、こういう部分とつながることを伝えていただければ、この方がこれから先、教師としてやっていくにしても他の職業に就かれるとしても、大きな学びになるのではないだろうかと思いました。ご本人にもお会いしてないので、わからないのですが、そのような印象を持ちました。
(委員) このほか、とくにございませんか。
(委員) 重なりますが、やはり指導といいましょうか、これからどのような指導によって変化の可能性があるのかというところが非常に難しいかなというような印象を、前回もそうですが、印象を受けました。今、お話に出ているソーシャルスキルとか、いわゆる社交性と言われているものの中で、教えて身につけられるものと、私達が生活の中で誰にも教えられないが、なんとなく勘を働かせて、ああこうかなって無意識的に学んでいくようなもの、例えば、それは生活体験の中で知らず知らずの間に学び、それは知的な学びというよりも、体で体験して学んでいくような種類のそういったソーシャルスキルが非常に難しい方ではないかと思います。それを補うために、いわゆる「いい質問ですね」とか「すごいですね」とか何とか褒めるってなると、多分私達はいろいろバリエーションを教えられなくてもふと思いつくと思うのですが、それが非常に難しいので、一生懸命やった結果、「いい質問ですね」とか、何とか対応されているのかなというような印象です。これを変えていくとすると、私は非常に難しいと思うので、何を優先して何をここまででと諦めるという、言い方は失礼ですが、ここまででOKにするというこ とを考えなくてはいけないかなと思いました。ある程度パターン的でいいけれども、せめて最低限の授業に必要なスキル、例えば実験を事前にする、教科の内容をきちんと把握しておく、プリントと板書の書き方のある種モデルを模倣して、違う単元でもそれを同じ形だけれども利用できるようにするとか、まずそこがあって、そのプラスアルファで工夫ができるようになれば、そこから広げていくっていうことの方が、現実的というか、可能性があるのかなというふうな印象を受けました。
(委員) この方が教員をめざされて、講師も経験されて、採用試験もクリアされて採用されているので、何らかの補う力は持っておられる可能性はあるのかなと思っておりまして、ご本人の意見書を読ませていただいたり、あるいは今の「褒める」とか「机間指導する」とかといった必要なことは、言われてやろうとされたりするのだろうなと思うのですけれど、なぜそれが必要なのかとか、そのあたりをご自分で考えるというようなことも大事なのではないかなと、先程委員もおっしゃいましたけれども、自分自身が褒められて心地よいとかそういうご経験を、できていないところを指摘されてそれを素直に受け止めているのだけれども、逆に褒めてもらってその心地よさを感じ取るような、そういうことも少し研修の中でお願いできたらなというふうに感じました。
(委員) 私からも少しいいですか。今、コミュニケーション力であったり指導力というところのご意見がたくさん出てきたと思います。そこはもちろん大事なところではありますし、今後教員として復帰するのか、その他の道に行くのか、いずれの道に行くにしても関わる話かなと思います。私の方から、教員に戻るということになりますと、この方は特に理科の先生ということで、やはり指導する中で、実験する中で、ガスバーナーで火を使うとか、熱湯を使うとか、あるいは直接触ってはいけない、あるいは臭いを嗅いではいけない薬品を使うとか、そういったことがありうる科目になりますので、そこの部分をきちんと理解しておかないと、実際に現場に戻ったときに子どもたちに怪我が出るとか、という話になりかねない部分があるかと思いますので、少し理科に関する知識も乏しいような話も出ていましたので、そういった安全面からも指導をきちんとしていただく必要があるのかなというふうに思いました。
(委員) それでは、第1号議案については、事務局案どおり、令和5年1月1日より令和5年3月31日まで指導改善研修を実施するということでよろしいでしょうか。

【結果】 令和5年1月1日から令和5年3月31日まで指導改善研修を実施することを了承する。


● 第2号議案 (大阪府立■■高等学校 C教諭)

(教育庁) C教諭について説明いたします。C教諭は平成19年4月に本府に採用され、府立■■高等学校に7年間勤務し、平成26年度から府立■■高等学校に勤務しておりました。赴任して3年目となる平成28年6月に部活動、サッカー部での不適正な会計処理、手当等の不正受給が発覚し、懲戒免職となりました。しかし、令和4年2月に大阪府人事委員会による懲戒処分の修正裁決により、懲戒処分が懲戒免職から停職6月に変更となり、大阪府公立学校教員として復帰しました。現在、当時の非違行為に関する研修として、資質向上研修を大阪府教育センターで受講しております。なお、本府採用15年目となります。採用までの経歴につきましては、高校卒業後、平成元年4月から一般企業で勤務をし、平成16年3月に■■大学第二部を卒業して教員免許を取得しております。府立■■高等学校や■■学園高等学校に講師等として通算約1年6か月勤務した後、本府に採用されています。これまでのC教諭の状況ですが、初任校である高校に勤務しておりました平成19年度から学習指導や生徒指導について様々な課題が見受けられておりました。高圧的な指導で生徒が萎縮していると生徒から苦情が出たことを受けまして学校からの要請により授業観察を実施しております。C教諭は当時、学校では社会に出るためにしつけが必要であると主張しておりました。その後指導により、高圧的な状況は一定収まっていましたが、やはり威圧的な態度は改善されてない、そういった状況でした。2校目となります府立■■高等学校の状況について説明いたします。平成26年5月に、授業中に正答できなければ座らせてもらえず、生徒が苦痛を感じていると保護者から訴えがございまして、校長より指導することがございました。また、他の教員とコミュニケーションがうまく取れず度々トラブルも起こしております。さらにサッカー部3年生を阻害していると保護者からの苦情がありまして、校長等が指導しましたけれども、C教諭は情報把握や理解が進まず、関係を修復することができなかった、そういったこともございました。校長より生徒理解や苦情対応、生徒対応について指導を重ね、自身の特性理解のため、大阪メンタルヘルス総合センターのセルフケアを受診しているということもございました。平成27年9月24日以降、授業力の向上に向けて校長からの指導に加えまして教員評価支援チームによる学校訪問を継続的に行っております。平成27年9月25日から4回訪問しました。教員評価支援チームの授業観察の状況につきまして簡単に説明させていただきます。板書は少なく、高圧的な姿勢であり、無計画で効果的でない授業であったということです。指導員から高圧的な指導の必要があるのかというふうに問いますと、C教諭は「必要はない」と返答していたようです。それにもかかわらず、高圧的な姿勢になっているということを指摘しても、的確な返事は返ってきませんでした。生徒の現状に合った授業をどのようにすれば良いのか考えられていないこと、知識だけを確認する授業ではなく、もっと生徒に考えさせるような授業を行うことができるよう、継続して指導してまいりました。また、授業の中で、期末考査の問題作成と配布のミスの事後対応している、そういった場面も観察したんですけれども、適切に行うことができていなかったということです。数回の訪問によりまして、形式的には少し改善は見られましたけれども、社会科の教員として、生徒に何を教え、どういうことを考えさせていくのかという意識が低く、教科に関する知識が乏しく、指導方法も不適切である、また、生徒との関わりにおいて高圧的で、他者の気持ちを理解する能力が低く、生徒や保護者の思いを適切に受け止められないというような課題が確認されております。そのようなことから平成28年4月1日より、指導改善研修を実施しました。指導改善研修の状況につきましては、研修期間中週1回程度の授業演習を行っておりました。(資料にも3つ程度挙げておりますが、)やはり教科の専門的知識の不足、生徒の心理や状況を理解する力が不足しておりました。反抗的な姿勢で課題を受け入れる様子はなく、物事を自分の都合の良いように解釈して行動したり、自分を良く見せようとしてごまかしたりする傾向があり、物事の捉え方が断片的で、思い込みが激しい面が見受けられました。現在もこの傾向は見受けられる状況です。また、研修命令を受けて実施している指導改善研修ですが、自ら希望して許可されて研修に来たのだと複数回にわたり面談で述べていたようです。現在も研修内容を自ら決めていくような、そういった発言をすることがございます。研修中の面談において部活動に関わる不適正な会計処理、手当等の不正受給が発覚したことから、平成28年6月24日付で懲戒免職となったため研修が終了となっております。平成28年9月23日、当該教諭は、人事委員会の方に懲戒免職を不服として審査請求を行いまして、令和4年2月22日に人事委員会より懲戒処分について、懲戒免職から停職6月に修正する裁決が出されました。それによりC教諭は復職することになりましたが、非違行為の振り返り等を行うため、令和4年3月16日より資質向上研修、非違行為者に対する府教委が定めた研修になるのですけれども、令和4年12月31日まで受講させることにいたしました。現在も行っている資質向上研修の状況ですが、修正裁決が出た時点から、令和4年6月の上旬ごろまで、年次休暇等を取得するなど、当該研修を欠席し6月9日より研修を開始したというような状況でございます。C教諭は、懲戒処分の修正裁決後の諸々の手続きへの不満、不平などを訴えることが多く、生起させた事象についての自身の課題に正対できないような状況が続いておりました。しかし指導員の指導のもとで様々な研修課題に取り組むにつれ、自身の課題についても気づきが見られ、改善しようとする姿勢も見られました。同年10月末に行いましたプレゼンテーションでは、自身が生起させた事案の原因と対応策を詳細に述べることができるようになるなど、研修の成果は見られております。校長からの所見につきまして説明いたします。平成28年4月から行った指導改善研修において、不十分なまま研修が終了していること。6年以上も学校現場から離れていることから、現在のICTを活用した学習方法や教育課題等のイメージが持てないというように思われるので、現場復帰後、適切に授業や指導等を行えるよう指導改善研修の実施を望んでおられます。教育委員会の対応につきましては、懲戒免職から停職6月に懲戒処分が変更となりまして、大阪府公立学校教員として復帰したものの、当時の指導改善研修における課題改善が不十分であったこと、加えて教育現場から長期間離れていいたことも踏まえまして、新しい学習指導要領やICTを活用した新しい授業や指導方法等にも学びを深め、生徒理解、授業スキルの習得、状況に応じて対応する力、組織の一員として他者と協働していくためのコミュニケーション能力も向上させる必要があるというふうに考えております。以上のことから、当時の懲戒免職処分により中断した指導改善研修を再開しまして、令和5年1月1日から令和5年8月31日までの研修を実施することを考えております。続いてC教諭から提出された意見書の方をご覧ください。令和4年12月12日に意見書が提出されました。C教諭は現在受講中の資質向上研修の説明を、令和4年3月に受けた際、指導改善研修となることは聞いていないというふうに主張しております。意見書の提出について説明を行った際にも同様のことを、何度も主張しておりました。C教諭自身は資質向上研修を継続する中で、学習指導の研修を望んでいるというような発言があった状況でございます。最後に研修計画をご覧ください。研修内容になりますが、まず1月1日から2月28日までの研修につきましては、目標としまして、これまでの生徒対応や授業における課題等の振り返り、改善すべき点を自覚させたり、授業見学および講義を通しまして、教科指導や生徒指導等の指導方法を習得し、具体的なイメージを認識させる。また、他者との適切な関係の構築について意識を高め、そのスキルを習得することを中心に行っていきたいと考えております。研修の中では臨床心理士とC教諭との面談から研修の進め方について助言いただきながら、ソーシャルスキルについてもつけさせたいというふうに考えております。そういったことを踏まえまして、2月下旬を目処に、教職員人事課と教育センターで検討会を行い、改善が見られない場合は、先ほど申し上げました研修を繰り返し実施し、研修が進んだ場合には、裏面にあります状況が良好と判断した場合の内容で、研修を進めていきたいと、そのように考えております。説明については以上になります。
教育センターの竹内です、若干補足させていただきます。C研修生ですが、平成28年6月24日に懲戒免職になった後、令和4年2月の人事委員会による修正裁決で停職6月に至るまで約6年間、家族や弁護士以外とは話す機会がありませんでした。弁護士とのやりとりも文書でのやりとりが多く、他者と十分に会話する環境にはなかったそうです。そのため入所当初は、非常に社会性が備わってない状況でありました。当初研修生からは校長の間違った報告や府教委の判断で免職になり、自分の生活に様々な制限がかかったとの思いで、その元凶を作った元校長や府教委への批判発言が非常に多かったです。これについては程度の差はあるものの、現在も少し残っております。研修に対する考え方は、自分は免職や停職で罰を受けたので研修を受ける必要はない、と当初は否定的でありましたが、研修を通して指導員が粘り強く接することや、自分が知らなかった考え方・見方を知ることで、スポンジが水を吸収するように理解を深めていき、研修を通して自分が持っている情報を最新のものにアップデートしようという意識が強くなり、研修を受ける意義は大事だというふうに感じるようになってきております。研修では事案の振り返りを通して、教育公務員に求められる高い倫理感や、服務規律を学ばすとともに、様々な人権教育について触れることで、教員としての自覚と責任感を高め基本的な資質を向上させてきました。しかしながら、時折、精神的に不安定になることもあり、例えば6年間の失職状態にあったときのことや、当時の校長とのやりとりを思い出したくない、そういうふうな話題になったときには突然フラッシュバックするようで、非常に攻撃的になります。現在は研修当初と違い、指導員が研修生に「今、大丈夫。攻撃的になってないかい」というような指摘をすると、はっと気づいて気持ちを落ち着かそうとし、指導員にぶつけてもどうしようもない、そういうことわかっているが自分ではどうしようもないことがあり、時々イライラしてしまう、課題に取り組もうと思っても集中できないときもある、と自分の気持ちを素直に伝える場面も出てきております。どうすれば事案が生起しなかったかという課題については様々なことを書いていますが、気がつけば自己弁護の論調になっているときが多く、自分勝手な判断が事案に結びついたと言えるので、正しいと思ったことでも周囲は違うとみなすこともある、他者から見てどう思われるかという視点を持つことを繰り返し解き続けてきました。加えて、今後何に気をつけるべきか、誰が読んでもわかるように事案の中身について具体的に箇条書きで整理させることでどうすれば事案が生起しなかったか、そういう振り返りができるようになってきました。ただ、研修生は過去の経験則や自己の思い込みにこだわることが強く、課題によっては指導員や管理主事など、他者の意見を受け入れるのに時間がかかってしまいます。今回の研修内容とは直接関係ありませんが、復職に伴って未払い給与の支給手続きにおいて、担当課から必要であるという書類について、この書類は過去には求められなかった、なぜ必要なのか、僕の認識では要らないはずだ、と自己の弁を繰り返し、未だに提出がされていない状況であります。府教委への不満等もありますが、一方、理解力の乏しい面もあり、これを悟られないように不満を述べているようにも感じるときがあります。先が見通せないことに対する不安感が非常に高いです。研修生は、研修自体は6年間のブランクを埋めるために有意義と捉えており、自信を持って教壇に立つためには教科指導の研修を受けることも必要だと考えています。しかしながら、12月初旬に、今後、資質向上研修から指導改善研修に変わる可能性があると伝えたところ、先ほどの意見書にもありました通り、令和4年3月の復職説明時に、資質向上研修が終了したら学校現場へ復帰と言われたことと話が違うと述べ、先の見えないことに大きな不安を感じたのか、最近は少し研修への意欲が低下している状況でございます。以上でございます。
(委員) それでは、第2号議案につきまして、委員の方々で何かご質問ご意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
(委員) 質問ですが、ご自身が生起させた事案の原因と対応策を詳細に述べたということが書かれているのですが、差し支えなければ、どのような内容を書いておられるのですか、述べておられるのですか。
(教育庁) 不正会計ということで、サッカー部の顧問をしていたのですが、その会計処理について、その都度その都度に会計報告を出さなければいけないのに、ずっと放置していて、年度末まで何もできていない状況であり、立替払いが多かったりと、そういうことで処分を受けたということです。どうしたらそういうことが起きなかったのか、1つ1つ、考えていきましょうということで箇条書きに何点か書かせた、ということでございます。
(委員) ありがとうございます。
(委員) その他、何かございますでしょうか。
(委員) 懲戒免職の経緯であるとか、私も詳しくはないので、この6年かかったという理由とか、手当の不正受給とか、若干、気になるところはあるのですが、ただ本件の直接的な議論点ではないのかなと考えるときに、私の中で一番気になるのは、以前に、やはり子どもや保護者から再三にわたるクレームがあったように、その高圧的な姿勢であるとか、威圧的な態度であるとか、謝罪が適切にできていないところ、はたまたその教育の本質を全く理解していない発言があったというところ、などを踏まえて、今に至っても意見書を見る限りでは、今までのことを真摯に受け止めて前に進もうというところが見えにくい部分がありまして、ただ、ご説明の中では少しアップデートとか、スポンジが水を吸収するように改善されているところもあるとご報告を受けているのですが、お聞きしたいのは、ご本人が、例えば、自分の今までの名誉回復のためであるとか、否定されたことを覆すためであるとか、そういうことに拘っているようにも思うのですが、本来、共有として、子どもたちの未来に貢献したいとか、早く子どもたちの前に戻りたいっていう純粋な気持ち、そういうところは節々から感じられているのかというところをお伺いしたいと思います。
(教育庁) 本人は、学校に戻りたいという気持ちはございます。そのために、今戻ってもすぐにはできない、自信を持つためには様々学んでいきたいという気持ちもあって、戻りたいというのもあるのですが、戻って何をするのかというところの部分に関しては、それほど見えてないようにも思います。
(委員) あくまで主観ではありますけれども、学校に戻りたいということが、何かこの方自身の名誉挽回であるとか、地位や自己肯定感を取り戻すためみたいに感じているので、もちろん再開して今からだと思うので、次の研修過程を踏まえていくというところに異論はないのですけれども、子どもたちの前に戻りたいのか、本当に子どもたちに何かを伝えて未来に貢献したいのか、というところが出てきたら、そのためには臨床的なご助言が必要であったりするのかもしれませんし、ご本人も苦しんでおられると思いますので、そこを導き出せたら、もう少し変わるのではないかなという気持ちもあります。意見です。
(委員) その他に何か。ご意見やご質問ありますでしょうか。
(委員) 先に質問なのですが、この処分がなぜ変更されたのかっていうところが今回の事案を、府の人事委員会がどう判断したのか、それがご本人にどう伝えられたかということも、その事案の振り返りを大きく左右するかなと思いました。というのは、どこで懲戒免職、どこから停職6月になるか、私にはわからないのですが、悪意があったか、なかったかとか、そういったところで線が引かれていると考えると、不注意が過ぎたっていうような事案で、悪意はなかったというふうに捉えられて停職になったのであれば、この先生について、そういう判断ですから、そんな悪気はない人だと思って、この指導も含めて考えていかなくてはいけないかなと思いました。それがわかれば、最初に質問なのですが、無理でしたら結構です。
(教育庁) 当初、懲戒免職となった理由につきましては、部員から徴収するユニフォーム代金等の管理について不透明かつ不適正な会計処理をしておりました。具体的に申し上げますと、ユニフォームを業者に予定より安い金額で発注して支払ったのですが、ユニフォーム代は部員から予定金額そのままで徴収して、余剰金を部員に返還せずに持ったままにしていたことや、付き添った実績がないなど支給要件を満たしてないにも関わらず、手当受給のために実績報告をしておりました。また、サッカー部の合宿に付き添ったとき、同行した卒業生の費用に充てるなど、本来PTA会費で負担すべきではない費用をPTA会費から支出したなど、そういったこともございました。修正裁決になった理由としましては、サッカー部の合宿先の方から補助金を得ていたのですけれども、そういったことを管理職等に報告せずに、自己の管理下で止めており余剰の合宿費用を部員に返還しなかったというで、その補助金が公金に当たるか、いわゆる公金を横領しているのかどうかっていうところで公金ではないという判断があり、修正裁決が行われたという形になります。
(委員) 程度については私もわからないのですが、もし自分が引率していないところで引率したというふうに虚偽の報告をしたということがあったのであれば、とても残念なことだと思ってお聞きしました。少し報告が遅れてしまったとか、何か勘違いがあってそういった状況が起きてしまったというふうには言い切れないのだなというふうに、今思ったところです。指導改善研修についてですが、今までのお話にもありましたが、このC先生の意見書を見ると、どうしても、本当に反省して研修を受けて、やっていきたいのかということは伝わりにくいというのが正直なところです。ただ、経過をお聞きしますと、何か注意を受けると逆切れではないですが、すごく反応しやすい、上からものを言われたりするともっと上に出てやろうといった、そういうような対人関係のパターンをお持ちの方のような感じがしますので、最初は自分が現場に戻れると思って、これを頑張ったらいいのだろうと思って、素直にというか、一生懸命していたけれども、違ったのだと思ったらもう途端に経過について反省するどころか、怒りモードといいましょうか、そういった対応の形になっているのかなというふうに思いました。そうすると、本当の意味で、自分のしたことを内省して研修を受け入れて変わっていくっていうことがどこまでできるのかということも、少し難しいかと思いました。もう一点ですが、フラッシュバック的なというお話があったので、それも一つ心配なところだと思いました。この辺りは、どういった形でご自身のメンタルヘルスになってくるのかはわからないのですが、といいますのは、何かしら自分が嫌だなとか、ちょっと傷つくということが、学校に戻ったときにあって、生徒の前で取り乱すというか、過剰な激怒とか憤慨のようなことが起きないかが心配です。指導計画の中では、授業指導、生徒指導もありますが、ご自身がある程度落ち着きながら、予想外のことであるとか、ちょっと腹が立つことであるとか、そういうことも含めながらも安定して勤務できるということも1つの目標になるのかなと思いました。以上です。
(委員) その他にご意見、ご質問ありますでしょうか。なければ私の方から2点ほど、お伺いさせていただきます。まず指導改善研修と、資質向上研修というものは別物だということで理解しているのですが、意見書の中では、真ん中ほどに令和4年3月15日に研修命令を出された際に、これは資質向上研修の命令が出たということだと思うのですけれども。この研修を受講し、修了しなければ学校には戻れないというふうに言われたと。ここの表現については、研修が終わらないと戻すことはできませんということで、研修が終わることが条件の一つですよと。その他に条件もあるかもしれないけれども、あくまで条件の一つですというふうに読み取れるところですが、その後に引き続いて、この研修終了後は学校勤務になると説明を受けましたという部分、こちらについては、研修が終わると学校に戻るということを約束したような表現になっているのですが、具体的にどのような内容を伝えたのか、資質向上研修というのは教員として復帰する条件の一つに過ぎないというような説明をされたのか、資質向上研修が終わったら教員に復帰できるということをお約束するような説明になったのか、これが説明の仕方だったりとか、記録に残っていたりするのでしょうか。
(教育庁) ご質問ですが、どちらかというと前者といいますか、教員に復帰することになり、当時の非違行為をしっかりと研修で見直すということで資質向上研修を受講した上で教員の復帰というのが前提となることで説明をしております。これを受けなければ現場に戻れないというような表現はしておりますが、まずは復帰にあたって研修を受けるところからスタートすることで説明をしております。
(委員) 分かりました。万一争うことになったときのために。資質向上研修は12月までですね。
(教育庁) 一応12月31日までで終了ということになりますが、1月1日から指導改善研修となりましても、これまでの非違行為等に対する振り返り等は、引き続き研修の中にも組み込んでいきたいなというふうに考えております。
(委員) 各研修がかぶることはないけれども、指導改善研修に切り替わった上で、その資質に関するところも含めて研修中にされるということですね、わかりました。
その他に何かご質問、ご意見等ありますでしょうか。それでは第2号議案について、事務局
案のとおり、指導改善研修を再開して、令和5年1月1日より令和5年8月31日まで指導改善研修を実施するということで、審議会として了承してもよろしいでしょうか。

【結果】 令和5年1月1日から令和5年8月31日まで指導改善研修を実施することを了承する。


2 報告
● 大阪府立■■高等学校 ■■■■教諭

 現在、係争中のため、非公開です。判決をお待ちください。


● 大阪府立■■高等学校 B教諭

(教育庁) ■■高等学校のB教諭についてご報告します。12月1日より研修を開始いたしました。当初より教育委員会の面々への不満や不平、憤りをあらわにする姿もございましたが、府教育センターの指導員に対しては一定従順な姿勢で、自分の思いを聞いてもらえると述べるなどお話をしている状況です。しかし、こちらも12月17日に受診しまして、「良性発作性頭位めまい症」ということで、90日間自宅療養が必要という診断がなされたため病気休暇を取得するという連絡が入りました。そのため本日より病気休暇に入っております。
(委員) ただいまの報告内容につきまして、委員の方々で何かご質問ご意見等ありましたらよろしくお願いいたします。1点だけ、2人とも療養されるという話でしたが、療養明けについては引き続き研修に入るということでよろしいですか。
(教育庁) はい、その通りでございます。
(委員) わかりました。