令和3年度第1回「大阪府教育の質向上審議会」議事録
令和4年3月1日(火)開催

1 議事
●第1号議案 【新規】大阪府■■市立■■中学校(A教諭)について

(教育庁) ■■市立■■中学校のA教諭について、ご説明いたします。A教諭は平成25年4月に大阪府に採用され、今年9年目です。新採で■■市立■■中学校に4年間勤務し、平成29年度から所属校の■■中学校で勤務し現在5年目で、年齢が35歳です。次に採用までの経歴ですが、平成22年3月に■■大学を卒業した後、同年4月、■■市の■■■■に約4ヶ月間勤務された後、■■市、■■市の各中学校で約1年ごとに3校ほど講師として経験された後、正式採用されています。教員免許は中学校理科の免許を持っています。また、担任は3年生の副担任、校務分掌は教務部です。次に、昨年度までのA教諭の状況についてご説明いたします。A教諭は採用されて早々から授業力等に課題が見受けられました。まず採用1年目から2年目、平成25年度から26年度ですが、1年目は1年生の理科担当、2年目は2年生の理科担当として授業をしていましたが、授業のやり方は、生徒との遣り取りがほとんどなく、教師が一方的に説明する教師主導の形の授業で、生徒への指示・発問が不明確であるため、生徒全体には浸透せず、生徒からの質問にも的確に答えない状態が続き、生徒との信頼関係を築くことが難しい状況でした。27年度から28年度、採用3年目、4年目ですが、理科の担当から支援学級の担当に変わりました。支援学級では少人数の生徒に対応するわけですが、個々の生徒対応で生徒との信頼関係が築くことができず、同じ支援学級を担当する別の教員の助けを受けて、やっと1年間を乗り切ることができました。平成29年度に現在の■■中学校へ異動した5年目6年目、29年度から30年度にかけての状況です。A教諭は支援学級を担当していましたが、A教諭の目の前で生徒同士がトラブルになり、A教諭はその生徒に対して指導が行うことができない状況でした。また、生徒が頭をぶつけるような怪我をしたことがありましたが、怪我の状況等について保護者へきちんと説明することができず、保護者がA教諭に対して不信感を招くということがありました。7年目の令和元年度ですが、校務分掌という業務がありますが、こちらをA教諭1人に任せることがなかなか難しい状況で、仕事が滞る状況が続いていました。他の同僚教員がA教諭の業務をカバーしながら校務分掌をやっていたわけですが、例えば、時間外に同僚教員がA教諭の仕事を替わってしているにも関わらず、A教諭は「お先に失礼します」と言いながら先に帰るということがありまして、同僚の先生がしんどい思いをしながら、A教諭の分までカバーされていたのに、A教諭は、回りの先生方の気持ち、どう思っておられるかということについて、意識を持つことができない状況が見受けられました。このような状況が散見されたことから、■■市教育委員会は5月15日に学校訪問を行いまして、A教諭に指導・助言を行いましたが、A教諭はその内容をきちんと理解している様子とは言えず、指導助言されたことをそのまま返す、オウム返しのように話したりするなど、内容についてきちんと受け止めている状況ではなく、「軽い」受け止め方をしていたと市教委の担当者が感じたということです。以上のことから■■市教育委員会は大阪府教育委員会に対し、A教諭を「指導が不適切だと思われる教員」として、教員評価支援チームの派遣要請を行い、その要請を受けて大阪府教育委員会は教員評価支援チームの派遣を実施しました。令和元年10月1日に1回目の教員評価支援チームによる授業観察を実施したところ、A教諭は、当時支援学級の担任でしたので、その支援学級に在籍している女子生徒1人に対して授業を行ったわけですが、授業内容として日頃の支援学級では行っていなかった理科の生物分野を突然この女子生徒に対して行いましたので、女子生徒にとっては初めての授業を突然受けることになり、戸惑いがありまして、いろいろとA教諭に質問をしたのですが、A教諭はその生徒の質問に対しても全部自分で答えてしまうとか、生徒を褒めようとはするのですが、この場面でなぜ生徒と褒めるのかということを意識せずに褒めているため、生徒は褒められているのが伝わっていないという状況が見られました。次に令和2年度、昨年度の状況ですが、3年生の理科を受け持つことになり、3クラスを週4時間もち、そのうち3時間を、複数の教員、2人で授業を行うという形でやっておりました。A教諭は副担ということで入りまして、残り1時間を複数教員で授業を行った復習という位置づけで、A教諭が単独で行っています。令和元年度と同様、教員評価支援チームによる学校訪問を令和2年7月30日に行っています。この授業では「力と圧力」の部分の復習でした。この日の授業では問題演習を行う計画で指導案を作っていましたが、授業の進度が遅くなり、授業で生徒が問題演習を行う時間がなくなってきたため、A教諭は生徒に対して、「問題演習の答えを示すので写してください」、「問題は簡単なのでできると思います」と発言し、その後に、生徒に問題の答えについて質問しました。もちろん「問題演習の答えを写してください」と質問する前に生徒に答えを伝えていますので、当然、生徒は答えを知っているわけで、生徒はそのまま答えるわけですが、A教諭はその生徒に「よく勉強できています」と発言をしており、明らかに褒め方がずれているという状況でした。続きまして、今年度の状況です。こちらは、昨年度と同様、3年生の理科の担当で、3クラス4時間のうち2時間を、複数教員で受け持ち、A教諭は副担で担当。残り2時間を単独で授業を行っています。今年度は、これまで教員評価支援チームによる学校訪問を行っても改善が進んでいない状況であったことから、最終的には指導改善研修に入れることも視野に入れながら、支援チームの訪問を複数回行っています。1学期は令和3年7月12日に支援チームで訪問しています。この時は「太陽系」の授業を行っており、A教諭は穴埋めするプリントを生徒に配布して、生徒に「調べ学習です。埋めてみましょう」と穴の空いているところを埋めるように指示するのですが、プリントは資料の数字を写すだけの作業になっており、このプリントを使ってその後で内容を具体的に深めるという授業展開が一切ない状況でしたので、生徒からしてみれば書き写すだけという授業になっております。また、生徒を褒める言葉をかけるのですが、なぜその生徒を褒めるのかということをA教諭は全く考えずに、褒める言葉をかけるだけで、生徒も褒められている意味が全くわからない状況が見られました。机間指導につきましてもA教諭はただ机の間を回っているだけで、個々の生徒の状況をきちんと見てどこができているかできてないか、そういうところを押さえて指導しているという状況ではありませんでした。このような状況が続いていることから、■■市教育委員会はA教諭に対しまして、11月8日より職務能力向上研修を受講するように指示を行いまして、週3日のペースで開始したところです。毎週水曜日に■■市の教育センターで終日研修を行い、授業に向けた模擬授業を実施し、その時に使う指導案について、市教育センター職員の指導のもとで検討し、木曜日・金曜日に実際■■中学校で水曜日に立てた指導案に基づいて授業を実施します。そのときも市教委の担当者が授業観察を行い、その後、指導・助言を行い改善に繋げようということで行いました。その中で、府の教員評価支援チームも、引き続き授業観察を行ったところですが、11月18日の授業観察では、「生物の活動を通じた物質の循環」という授業で、「大気」「生産者」「消費者」「分解者」というそれぞれの項目があり、その中で二酸化炭素と酸素がどのように循環していくのかというのを矢印で図示するように指示し、生徒が書いた後にA教諭が模範解答で板書したのですが、「大気」から「生産者」のところへ本来は矢印を入れなければいけなかったのですが、それを入れ忘れて、生徒から指摘を受けましたが、A教諭は「矢印を書いても書かなくてもいい」というような曖昧な指示を行い、結局、A教諭は、矢印を入れなければならない箇所に矢印を入れないという状況が見られました。また、授業の最後に「光合成」の説明をしなければならなかったのですが、それを行わずに授業を終わってしまいました。12月3日の5回目の授業観察では4回目と同じ授業内容で行いましたが、前回同様「大気」から「生産者」への矢印を忘れて、同じように生徒から指摘を受けています。その時は、追記をしたのですが、A教諭は「書き込めたら書いたらいい」というような曖昧な説明をしたため、生徒が授業の中でだいぶん混乱した状況になりました。12月16日の教員評価支援チームの学校訪問では、「科学技術の利用とくらし」の授業を行い、グループワークで考えさせる授業をしていましたが、A教諭はグループワークを行う意味を生徒にきちんと説明していなかったため、生徒がどのように取り組めばいいかというのが全くわからない状態で、実際にグループワークに取り組めない生徒が続出したという状況でした。次に3学期ですが、1月14日の教員評価支援チームによる学校訪問では「エネルギー資源とその利用について」授業を行いましたが、こちらも教科書の内容をそのまま伝えるだけの説明に終始し、水力発電や火力発電についてのビデオを見せましたが、これもただ見せているだけで、そこから何か深めるための活動は一切ないという結果になっています。また褒め方につきましても、教科書に書かれた内容をそのまま答えた生徒がいました。その生徒に対して「定着している」というような発言をしていまして、ずれた褒め方をしております。またカーボンニュートラルについて質問した生徒にも、同じ説明を繰り返し行って、最後は「そう覚えといて」と発言していたことから、単語を覚えさせるだけではなく、意味を理解させる授業をめざすようにという指導・助言をしています。これまでの授業で言えることは、A教諭のその日の授業のめあて、どのように授業を進めていくか、それから生徒にどのような学力をつけたいのか、生徒の学習意欲を高めるためにどのようなところをどう褒めるかということをきちんと理解していない、また生徒や保護者、同僚とコミュニケーションを図ることも非常に難しいというところが課題としてあげられるのではないかと考えております。校長先生の所見ですが、A教諭はコミュニケーション力に課題があって、指導・助言をしてもオウム返しで指導助言を繰り返し返答する。生徒との会話でキャッチボールができない、生徒の質問にきちんと答えないことが多い。生徒はA教諭から馬鹿にされているのではないかと感じるなど、生徒が興味を持てる授業になっていないという課題を持っています。また、■■市教育委員会の所見としては3点挙げられており、教科指導における専門性、教科指導における教授方法、生徒指導における対生徒との関係に問題があり、授業のポイントが掴めていない中で生徒に向かって授業を行っていますので、授業の振り返りが非常に難しいというコメントをもらっています。府教育委員会の対応としまして、今回、A教諭を指導改善研修に入れ、学習指導を適切に行うために、生徒理解の方法や指導を、生徒の視点に立って物事を考え、生徒を指導していく力、現在の状況について自己認知し、課題について自ら分析し、改善していく力を身につけさせる研修を行いたいと考えており、3月22日より12月31日までの研修を考えております。次に本人から意見書が提出されています。これまで研修に入られる方は研修に批判的な思いを持っておられる方が多いのですが、A教諭は、ご本人が授業力の改善を行うために4つの項目を掲げて、改善したいという意思を持っておられます。そういった面では、研修については意欲的に受けたいという意思をお持ちですが、その一方でA教諭自身が実際、授業について困り感があって、何とかしたいというような思いもあるのではないかというふうにも受け取っています。最後に研修計画書をご覧ください。研修内容です。まず3月22日から5月31日までの研修ですが、目標としまして、研修の初期段階ということで授業ができていないことを理解し、研修の必要性を自覚する、改善すべき課題について研修生自身と指導員とで共有を図る。授業に対する考え方や授業方法等について重点的に考え、課題を明確化させるという目標のもと、課題作文や面談、短期間の授業演習等を実施しながら研修を行っていきたいと考えております。併せて研修の中では、臨床心理士の先生がいらっしゃいますので、臨床心理士の先生とA教諭との面談や、場合によっては本人の了解のもとで検査等を行いまして、A教諭の困り感を共有しながら、またどのように研修を進めていけば良いかという助言をいただきながら、ソーシャルスキルについてもつけさせたいと考えております。その上で、5月下旬をめどに、教職員人事課と教員センターで検討会を行い、改善が見られない場合は、先ほど申し上げました研修を繰り返し実施し、研修が進んだ場合は、「状況が良好と判断した場合」ということで、授業演習につきましても、授業指導、授業演習を1サイクルとして、スモールステップを用いた研修を中心に、研修を進めていきたいと考えております。説明は以上です。
(委員) ありがとうございました。事務局の方からご説明いただきました。委員の皆様、ご質問やご意見等がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
はい、お願いいたします。
(委員)  この方が平成22年に採用されてから、■■市の教育委員会としてこの方の課題を把握されたのは、具体的にはいつぐらいなのしょうか。
(委員) はい、ご質問が出ておりますが、事務局の方でお願いできますでしょうか。
(教育庁) ■■市教育委員会の方での状況把握と言いますと、府にきちんと報告が上がってきたのが令和元年度になりますので、その前の段階である程度の状況把握をしながら、ということがあったかと思いますが、■■市教育委員会として、きちんと学校訪問をして、つぶさに教員の状況を把握したというのは、令和元年度にスタートしているということかと思います。それを受けて府教育庁に、課題があるので府教育庁の支援チームの派遣等で見極め等をお願いしたいと依頼されたという経緯でございます。
(委員) はい、いかがでしょうか。ありがとうございます。
別の観点からでも結構ですし、ご質問、はい、お願いします。
(委員) 昨年度までの当該教員の状況の中で、平成29年度から平成30年度の部分で、生徒同士のトラブルがあっても指導を行うことができないということと、生徒が頭をぶつけるような事件が起きた際に説明が正確でなかったという点についてです。学校の責任といいますか、管理義務というところの観点で言いますと、生徒同士でトラブルが起きた際に、どっちが悪いというわけではないですけれども、きちんと知ろうとすることと、フォローをきちんとやっておくっていうことをしておかないと、生徒同士の人間関係がギクシャクしてしまって、その後、いじめだったりとか不登校だったりに繋がってしまって、それが学校の責任だということでトラブルになるケースだったりとかあると思います。あるいは生徒同士の事案はそうですが、あと単体で危険な行為とかがあったりして、あるいは転倒とかして怪我したというところで、保護者への報告ということに関しては、どういう項目を、目撃したのであればどういう項目、どういう状況で人数とか、場所だとか、その後どんな対応したかとか、そういうことについてきちんと保護者に報告する項目を、ちゃんと把握させておかないと、攻撃が出たとき、トラブルのときに学校の対応が悪かったとなる。適切な報告を受けていなかったから適切な医療に繋げられなかったとか、そんなことでトラブルになることもあり得ますので、指導計画書の裏面の「状況が良好と判断できた場合」については、様々な場面における生徒対応という部分で訓練されるのかなというふうには思うのですが、具体的な指導やフォローの方法とか、報告書の書き方のポイントになる部分だとか、そういった部分についても個別に指導していただく必要があるのかなというふうに感じました。
(委員)  はい、ありがとうございます。研修計画に関わりましてご意見をいただけたかと思います。この点につきましては、委員の皆様、重ねてのご指導ご意見をよろしいでしょうか。事務局の方ではいかがでしょうか。ご指摘いただいているところがございますが、確認としまして、お願いいたします。
(教育庁) 今、貴重なご意見をいただいたと思います。やはりA教諭の指導力を向上させるには、具体の場面を想定して、そんなときにはどうしたらいいのかっていうことを考えさせることが非常に重要なのかと思います。生徒同士のトラブルがあっても指導できなかったというエピソード、どんな話かと言うと、目の前に生徒が喧嘩していたはずで一方の生徒の背中に足型がついていた。そこに彼はいたはずなのに、後で他の先生方がどんな状況だったのかと聞いてもおよそ説明ができなかったと聞いております。だから、そこで制止するなどという対応も適切にはできてなかったのだと思います。そんなときにどうしたらいいのかっていうことを具体で考えておくということが必要なのかと思います。
(委員) はい、ありがとうございました。研修計画等にも関わるかと思いますが、授業力を合わせまして、今の点について、ご指摘のところは取り入れていただけたらと思います。話題を限りませんので、各ご専門の立場を踏まえまして、いかがでしょうか。
(委員) すいません、よろしいですか。
(委員) はい、お願いいたします。
(委員) どのような先生なのか、具体的なことはなかなかうかばないのですが、私ひとつ気になりましたのは、校長先生のご所見で、生徒の多くが馬鹿にされていると感じている、と書いておられるのですが、先ほどのような場面で生徒の指導できないような先生の場合、生徒の方から馬鹿にされたりというような事案もよくあるのですが、どのような接し方、具体的な口調で生徒に接しておられるのかなと気になります。言い方一つですごく違うと思いますので、この生徒の多くが馬鹿にされていると感じているという点が気になりましたので、その辺りも教えていただければと思います。
(委員) はい、ご質問いただいておりますが、よろしいでしょうか。
(教育庁) 授業の場面でのA教諭の喋り口調で乱暴なことは全くないです。丁寧に、普通に喋っているように聞こえます。ただ、その彼が言う発言がやっぱり子どもたちに響かない。先ほど報告の中でも、「これ簡単なのでできると思います」と言いながら、質問して「よくできますね」って言ってしまうわけです。あるいはこの中で「写してください」と言って指示した内容を答えさせて、「よくできてますね」っていうふうに言ってしまうわけです。こうしたら「えっ」ということになる。「なんでそんなこと言われなあかんのかな」っていうふうになってしまう。ということで、やはり子どもの意に沿わないような発言に、結果的になってしまうということが非常に多いようです。おそらくその根っこにあるのは、相手に喋りかけたときに、この言葉を投げかけたら相手はどんなふうに思うだろうかっていうことを予想したり想像したりする力が弱いのではないかと思います。そういったところでの課題が非常に多いので、教室場面で授業という設定の中で遣り取りする一つに、この辺のコミュニケーションのずれがどうしても出てしまうことが多いのではないかと思います。ちゃんと褒めること一つにしても、その言葉がなかなか生徒に伝わらないということが頻繁に起こっています。あとは当然、授業場面で教科の中身に関わって子どもたちが知りたい、わかりたい、これ先生どうなっているのっていう質問をするわけですが、それに対して理科の知識ということでもピタッと答えられることがなくて、子どもたちが何でそんな答えなのというふうになってしまうことが多いです。そういった意味でも、相手が何を求めているのかということを理解することが、彼の中では難しいと思います。遣り取り、動きの中でピタッと答えるということが、彼の能力の中で課題なのかなというふうに思います。
(委員)  はい、いかがでしょうか。
(委員)  口調なんかも今のような感じで。
(教育庁) ちょうど今、私が喋っていているような感じで、表情も含めて、高圧的な印象で喋ることもないですし、そう大きな声でしゃべることもないですし、普通のトーンで喋っています。
(委員)  目線なんかはどうですか、合わせていますか。
(教育庁)  合わせるように、この間、努力しておられます。
(委員) 普段は難しい感じですか。
(教育庁)   彼自身も言っています、そこは。目線を合わせることを頑張りたいって、ずっと言っていましたから。
(委員) ありがとうございます。対人関係のこともあると思います。あと褒め方もそうなのですが、小学校2年生の発達段階でいくと、紹介していただいているような褒め方もあるかと思うんですけど、中学生っていうことですので、やっぱり年齢の発達段階に応じた対応でいることについても、ご指摘になっていくかと思います。
ありがとうございます、よろしいでしょうか。それぞれの立場も含めまして。
はい、お願いいたします。
(委員)  この会議自体が初めてですし、特に専門的な立場で来ていませんので保護者の代表という意味合いかなと思うので、ちょっと的外れな意見や質問であったらご容赦いただきたいと思うのですけれども。最初に一点、ご質問したいのは、ご報告を聞く中で感じたことなのですけども、令和元年の10月から大阪府としても指導に入られて、2年ちょっと経ったと思うのですけれども、どうも僕が見ると課題ばかりが浮き彫りになるのですが、逆にこの2年間でA先生が改善された、良くなった点っていうのはどこか兆しがあるでしょうか。
(委員) はい、ありがとうございます。よろしいでしょうか。
(教育庁) A先生自身は指摘されたことを受け止めて、何とかしようという意欲もあるし、一定この間努力して、変わってきている部分もあります。例えば、令和元年の10月に訪問した際に、「褒める言葉がないですよね。ほとんどなかったですよ。褒めることを意識してください」とだいぶん言ったのです。その後、褒める言葉を言わなければならないということは、彼の中にはしっかり認知できたので、授業の中で褒めようとする言葉は、基本的にはずっと言い続けています。それはずっとトライし続けているのですけども、ただ、先ほど申し上げたように、子どもたちの気持ちにフィットした、その子どもたちの気持ちに応えられるようなものにはなかなかなっていないということがありました。それから、今年度の状況では、この11月からなのですが、■■市教育委員会がずっと継続的に指導していますので、指導案を検討して実際に授業をやる、それでまた次の授業案検討ということで、1週間のサイクルの中でみっちりと指導しています。指導員もかなり丁寧に、例えば授業のやり方はこんなふうにしてくださいということを具体で提案して、例えば、ペアワークと言いまして、授業中に2人で活動する時間を作ってください、と言ってみたり、グループワークもちょっと人数を増やしてみたらとか。そういう活動するための教材が必要なので、それを作ってもらうなど。ということで、かなり具体に、丁寧に指導すると、それは授業の中で多分に落とし込んでやるので、そういった彼自身の意欲と、そういう調整しようとする過程でできて来ていることはなくはないのです。ただその、我々から見るとペアワークするにしたって、それは前に狙いを言ってあげなかったら、生徒たちは何をしていいのかがわからないのと違うかと疑問に思うことがある。当然、指導員もいろいろ言ってくれているのだとは思います。ただ、その辺の精度の上がり具合が非常に拙いと言うか、まだまだ練習というか、訓練をしないと子どもたちが満足するような形というのには至らないということです。まとめますと、彼自身がアドバイスに耳を傾けてやろうという
意欲は非常にありますので、その辺での評価はできると思います。
(委員) 今のお話でいきますと、例えば褒める意味がわからなかったところが褒めようという気持ちになったとか、ご本人が努力されているっていうことが非常にわかるのですけど、やはり教育なので、子を持つ親の立場だとすると、結局子どもたちにとっての改善には至っていないという、今まで見られなかった点はあったけど、褒められていないということは子どもたちにとっては一緒なので。子どもたちや保護者にとって、改善が2年経っても見られていないというところを今後の指導計画の中にどう反映していくのか、おそらく難しいのだろうなというふうに感じていますが、個人的な見解にはなりますけれども、何かこのA先生の得意な分野、学校の中で、例えば植物を育てるのが得意であるなら、その得意な分野を担当するような工夫をされた上で、褒めることがわからないところは多分褒められた経験をしていくことが必要なのかなと思うので、A先生が自分のスモールステップをクリアして、褒められて、伸ばしていくっていうことが、もしかしたらプラスに働くきっかけにならないのかなというふうには感じるのですが、何か得意分野とか、そういうところと次のこれからの指導計画に、というところで何かお考えのことがあればお聞きしたいと思います。
(委員) いかがでしょう。
(教育庁)  事前に■■市教育委員会と彼のプロファイルの中で、強みは何ですかねというようなことは遣り取りさせてもらっているのですが、今のところ■■市教育委員会からは、「メンタルは強いです」とは言ってくれるんです。得意分野と言われると、なかなか見つけられていないというのが現状です。実は、委員がおっしゃっているようにA教諭は褒められることが少なかったという捉えを■■市教育委員会も持っております。この11月からの指導の中でも「ここはできてたよ」「ここは頑張ってたよ」ということで、かなりの部分を本人に返して自信をつけさせたいというねらいで遣り取りをしたというふうに聞いています。ただ、それが結果的には、彼自身のポテンシャルを上げるところまでには至っていないです。そういう意味では、実際の研修を府でする中で、彼自身の強みは何かっていうところを探してあげながら伸ばしてあげる努力も当然必要だと思いますし、それは大事にしていくべきだと思います。ありがとうございます。
(委員) すいません。はい。
(委員) お願いいたします。
(委員) すいません、おっしゃっているところが大変なのだろうなっていうふうには思うのですけれども、ちょっとここは感想ではあるのですけども、すごく失礼だったらお許しください。人の気持ちがわかりにくいとか、課題を、もちろん大人でもたくさん抱えていると思うのですけども、私、これまでの状況の中で、普通に教科担任をしていた中から、特別支援に移って特別支援に長くかかわられているかなと思うのですけども、一つには少人数の中で、対峙で関わる中でA先生が、もう一つ大きな目的はあるのだろうなというふうには想像するのですけど、親の立場からすると、特別支援の子って逆になんていうのでしょう、少し自分が課題ある、集団の中で生きづらさがあったりして課題を持って苦しんでいる子どもたち、人の気持ちがわからなかったり、それがトラブルに繋がったりする中でちょっと人の気持ちがわかりにくい、受け止めることが難しいA先生。A先生が援助を必要としているのに、援助を必要とする子どもを担当するというところが、単純に親としたら、いろんな目的があるとは思うのですけども、少し複雑な思いをするところである。というところも踏まえて、多分授業スキルというのは、少し時間をかければ改善できることはある、反復によってするのだろうなとは思うのですけども、おっしゃった部分のコミュニケーション力、校長の意見でも明らかにコミュニケーション力に課題があるというところが、いろいろ出てくると思うので、その課題を少しずつ解決してあげようと思うと、カリキュラムの中では、私、ちょっとわからないのですけれど、具体的には、この専門的な分野、心理的な分野であるとか、対人のカウンセリング的なことであるとかから、少し一歩戻った形、授業の手前のところに時間を割くようなプログラムに替えてあげた方がいいのかというふうに感じております。以上です。
(委員) はい、ありがとうございます。
研修内容を含めまして、それから現場での指導力・資質向上の取り組み、実際、OJTの中で行っていると思うのですが、その点につきましても、少し要望・指摘していただけたらと思います。ご意見を今回いただいている中で、やはり教師としての授業力とか専門性っていうことをあわせまして、そのことがどう生徒にとって、支援になって指導になって役立っていくかっていう対生徒への改善のために研修を行っていくっていうところ、大切な指摘をいただけたかと思います。その辺りの心理的な面も含めまして、難しいところかとは思いますが、研修目標の自覚というところでは対生徒に対して、どう改善していけるかっていうことについては、大切なご指摘であったかと思っております。重なることでも結構でございますし、その他の観点からでも結構ですので、いかがでしょうか。
はい、お願いします。
(委員) いろいろなご意見を聞かせていただいて、フェイスコミュニケーションの課題がありそうだなということが確認できたなと思いながらうかがっていました。非常に難しいなと思いますのが、この先生はある意味素直に言うか、超受動的というか、意見書にも書かれているのですけれども、先生方がまとめてくださった議案で指摘されていることですので、指摘されていることをきちんと覚えていて、それを、あのオウム返しと言ったらちょっと言葉が悪いかもしれないけれども、記憶したものを書いてきたような文章でもあるっていう言い方ができる、というと、ご自身で自分の課題を考えて、見つけていくっていうのは本当に難しんではないかと感じました。一つ可能性としては、言われたことを頑張ってやろうとするような、褒めることを言われたら、実践しようというのは、これからの可能性だとは思うのですけれど。一つちょっと意地悪な言い方にはなってしまいますが、褒めるっていう「これ良かったですよ」って言われたときに、一つ言われたことをいろいろ応用して、こういった子たちの本質的なことがわかって、こういうふうに対応すれば良かったのだなっていうことで、いろいろな場面に応用できる方と、この褒めるということを、本当に褒めましたねっていう感じで褒めることは何回も自動的に、機械的に繰り返す形で状況など相手にかまわないような仕方をしてしまうっていうそういう方には、こちらは指導、お伝えしたことの本質的なところが伝わらなくて、形だけ、言葉だけ、表面だけみたいな形で受け取られてしまうということになりとても難しい、ということが関わりの中でおきてくるのではないかなということを思いました。ただ、そうは言っても、やはり考えていかなければならないことですので、一つ思いましたのは、ご説明いただいた29年度の生徒の背中の後ろに足の跡があるような状況を見ていたにもかかわらず、説明ができなかったっていうお話があったかと思うのですけれども、まず状況を読み取るということ、説明以前に何が起きたのか、この人がこう言った、その後こうなったとかということを、まず説明をするっていうように、いろいろな状況を観察してよく見て説明するっていうことがどこまでできるのかっていうことの判断する力が要るのかと思います。こういった観察力っていうのは、質問をされたときに、この質問の意図は何かという判断、コミュニケーション、この人は何を言いたいのかを掴む力にもなりますし、ちゃんと見るとか、観察するとか、マッチするとか、そういった力を育てるというか、補完するというか、そういうことが必要かなという感じがしますので、かなり支援をしていかないといけないのではないかなと思いました。後、ちょっとすいません、長くなってしまうのですけれども。質問に答えられない生徒の、っていうのも何回もエピソードとして出てきて、今までのお話をうかがっている一つは、もしかしたら授業そのものの、評価そのものの内容というか、知識に欠ける面があるかもしれない。これはもう、本当に知識をつけていただくことしかないと思うのですけれども。あと、もう一つはやはり重なるのですけれど、質問の意図がくみ取れていないかもしれない。子どもの質問って直接には出さないので、ワァーと言って本当はこれが聞きたいんだぞっていうようなこともあると思うんですけど、そういったところで上手く聞き取れていないという可能性もあるかもしれない。もう一つはちょっと間違えることをしてきたのだけれど、別に書かなくてもいいよみたいな形で流してしまうっていうことは、質問とか指摘をされるっていうことに、メンタルが強く見えながら、実は動揺していて、上手く反応ができない、「ああ、そうだね」、「間違えていたよ」とか、そういったことができなくなってしまっている可能性もあるかなと思ってお聞きしていました。ですので、上手くいかないということの背景にいろんなことがあって、支援というと変ですけど、伸ばしていただくというようなことを考えて、指導計画というか何か考えていただけるといいかなというふうな感じがいたしました。
(委員) はい、ありがとうございます。提案していただいている指導計画につきまして、具体的に様々な視点を出していただき、参考にしていただければと思います。話題の方、少し観点が変わりましてもよろしいのですけれども、いかがでしょうか。
はい、お願いいたします。
(委員) 研修の計画書もこの方に合わせての内容だと思うのですけれども、内容を見せていただいて、課題作文と面談だとしたら、おっしゃったように、この方はクリアされるのではないかなというふうに感じていまして、これまで着任されてからの現場での姿勢がどうだったなということを、ちょっとお伺いしたかったので、先ほどの質問をさせていただいたのです。こうして研修を受けられるに当たって、例えばこれまでの授業をビデオでとっておられたらご本人の質問とか指示に対しての子どもたちの反応をA教諭に見せてもらって、子ども目線での「子どもたちの気持ちはどうやろね」とか、「なぜこういう反応になっているのだろうね」といったところを、内容として、別に盛り込んでいただいて、ちょっと具体の場面に直面していただきたいなということでお話しさせていただきました。
(委員)   はい、ありがとうございます。研修のスタートのあたり、途中も含めましてですが、その辺りはいかがでしょうか。
(教育庁) 研修の話ですけれども、実際に指導改善研修が始まりますと、生徒が直接おりませんので、退職された校長先生である指導員が生徒役ということで、実際に中学生になりきって、質問するであろうことをA先生に質問をする形になります。この授業演習につきましては、これまでの研修生もそうだったのですけれども、全て録画しまして、その後に振返りをしまして、授業の動画を見ながらどこができていたかできていなかったっていうことを本人と確認しながら研修を進めて行く形を取らせていただきますので、委員ご指摘の件につきましても、参考にさせていただき研修の中で活かしていきたいと思っております。ありがとうございます。
(委員) はい、ありがとうございます。課題のところにもあがっておりますが、やはり具体的な場面、状況を比較してっていうこともございますので、研修に入ってからっていう部分と、もう一つご意見としましては、導入のできてないことを理解し、研修の必要性を自覚するという辺りのところでも、可能であれば、振り返りのときに、意見書のような形の課題表記になると書けるかもしれないのですけども、この5年間を振り返ってみて具体的にどう5年間、自分が教員として勤めてから資質向上してこれたかということで、具体的な振り返りということも、ご意見としていただいているのかなと思います。ありがとうございます。委員、どうでしょうかね。
(委員)  先ほどからコミュニケーション力に課題がということで再三言われていますけれども、おそらくこの方、インスペクトラム症(自閉症スペクトラム)の診断がつくのではないのかなと思いますので、やっぱり生徒の気持ちを考えた指導ということをめざすのであれば、まず自分の特性というものを理解した上で、自分のちょっと足らない、苦手なところを補っていこうっていうふうな動機付けというのがないと、やっぱりちょっと難しいのかなというふうに思います。
(委員) はい、ありがとうございます。研修計画の中でも授業力の向上だけではなくて、本人自身のコミュニケーションの課題等も含めて、臨床的な内容もあげていただいていたかと思います。今日の審議の中でも、一部私の中でも、本人の困り感みたいなものが書かれてある部分、実際に関わっていただいている中で紹介していただいたのですけれど、新しい関係についても課題っていう捉えと、ご指摘いただいているような、本人としての困り感っていうところも寄せていけると、本人としても課題に活きてくるのかなあと。増えてきた課題についてはなかなか難しいところですが、専門的なケアも含めてご指摘をいただけたかと思います。いろいろと研修に係りましてご指摘、ご質問をいただいておりますが、重ねていかがでしょうか。
はい、お願いいたします。
(委員) 今私、大学で教師をめざす学生をたくさん指導しているのですが、この先生、そもそもなぜ教師をめざしたのかなというようなことをすごく思いました。やっぱり研修とか書かれているのを見ても、研修に対しても意欲があるということはやはり教師であり続けたいって思ってらっしゃるのかなあというふうに思います。だからそのあたりのところを研修の中で、モチベーションを保つ意味でも掘り下げていただくというか、どんな先生になりたいのか、なぜ教師をめざしたのかみたいな、この先生は原点のようなところを大事にするっていうことは、とても大切なのかなというふうに思いました。以上です。
(委員) はい、ご意見ありがとうございます。
少し研修のスタートも含めまして、本人がどう自覚して研修に入っていくかっていうことで、いろいろなご意見いただいておりますが、初任で勤めてから年数は経っておられますが、初心の教師として勤められたときの思いとかも含めまして、その辺のところも研修の途中でもスタートのところでも、少し大事にしていけたらというご指摘をいただけたのかなと思います。いろいろとご意見いただきましたが、よろしいでしょうか。まだ少し時間がございますので、ご発言の方よろしければ。
はい、お願いいたします。
(委員) 今回、第1回目ということなので、第2回、第3回目の話になってくるのかなと思うのですけれども、校務分掌を1人で任せられないということで、別に学校の仕事、全部が全部1人でやらないといけないわけではなく、普通の対応として助け合っていることもありますので、1人でできないから全部ダメっていう話ではないとは思うんですけれども、教員同士の先生方の協力を得ながら、実現していくという過程の中で、大人同士のコミュニケーションの場合の授業の指導だったり生徒対応だったりっていうところは、個々がメインでこれから頑張っていただくところだと思うんですけれども、最終段階のあたりになってくると、報告書のやりとりだったりとか大人同士の、立場の先輩後輩などの上下だったりとか、逆にこの人は勤続年数もう既に9年目ということですので、後輩ができるかもしれない、そこらへんの関り方だったりとか、というところのコミュニケーションをきちんとできないと、相手方がまた精神的な苦痛を受けて、メンタル不調に陥って休職とかっていう話もあり得ない話ではないところですので、もっと先の段階ですけれども、ゆくゆくはそういった教員同士のコミュニケーションの取り方というのもできる必要があるのかなというふうに思いました。
(委員) はい、ありがとうございます。委員の皆様、よろしいでしょうか。審議いただきまして、研修計画の中で本当にいろいろ出していただくと、研修課題が多い中ですが、研修スタートからそれぞれ出ましたご意見を聞かしていただきまして、その辺りからアプローチしていくっていうことが、なかなか大変だと思いますが、多方面の方で見ていくことも含めて、研修の方をお願いできたらと思います。そうしましたら、第1号議案につきましては、事務局の方からご説明をいただきましたが、令和4年3月22日より、令和4年12月31日まで指導改善研修を実施するということで、審議会としてご承認いただいてよろしいでしょうか。

【結果】令和4年3月22日から令和4年12月31日まで指導改善研修を実施することを了承する。